皆さん、こんにちは!
毎週日曜日に運動部に所属する学生さんや医療人を目指す学生さん向けにスポーツ障害に関する知識やリハビリ方法、予防方法などを発信しています。
ぜひ参考にして、競技力アップやサポートする選手に活用してください。
今回も、スポーツの現場で起こる、脳震盪ついてまとめていきます。
前回も脳震盪の記事を書いていますのでそちらも興味があれはぜひ!!
【高校生、医療学生必見】脳震盪のすべて(基礎知識から復帰まで)①
【高校生、医療学生必見】脳震盪のすべて(基礎知識から復帰まで)②
第5章:学業復帰(Return to Learn: RTL)プロトコル
スポーツ現場で見落とされがちなのが、学業復帰(RTL)です。脳に負荷がかかる認知作業(講義、読書、PC作業、試験)は脳震盪の症状を悪化させます。

RTLのステップ
- 完全な休養・制限付き学習: 症状が強い時期は自宅で安静。スマホ、PC、テレビを控える。
- 段階的な家庭学習: 自宅で15〜30分程度の読書や学習を試し、症状が出ないか確認。
- 別室・時短登校: 半日登校、あるいは講義の合間に休憩を挟む。テストの免除・延期。
- 通常登校・全全学業復帰: 通常の講義・実習・試験へ完全復帰(RTPのStep 5に進む前提条件となる)。

第6章:重症化予防と長期リスク
6-1. セカンドインパクトシンドローム(SIS: Second Impact Syndrome)
脳震盪の初期症状が完全に回復していない(エネルギー・クライシスが続いている)状態の脳に、2回目の衝撃が加わることで生じる極めて危険な病態です。
- 病態: 脳の自動調節能(Autoregulation)が破綻し、急激な脳浮腫(脳の腫れ)と脳ヘルニアを引き起こします。
- 予後: 死亡率は約50%、生存しても重度障害が残る確率が非常に高いため、予防(完全回復前の復帰防止)が唯一かつ最大の対策です。
6-2. 慢性外傷性脳症(CTE: Chronic Traumatic Encephalopathy)
頭部への微小なサブライン(Subconcussive)な衝撃や脳震盪が長期にわたり繰り返されることで発症する進行性の神経変性疾患です。
- 病態: 脳組織にリン酸化タウ蛋白(Tau protein)が異常蓄積します。
- 症状: 競技引退後数年から数十年後に、うつ病、性格変化、攻撃性の増加、記憶障害、認知症様症状が現れます(McKee et al., 2013)。
今回はここまで!
次回は応急処置についてまとめていきます。お楽しみしてください。
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