Jリーグクラブ指導者、トップレフェリーへの道。
「サッカーに関わる仕事」には、様々な職種があります。選手として活躍する他、指導者や運営スタッフ、トレーナー、審判員など、専門資格を活かせる進路は豊富です。
本コースでは2つの男子チームが大阪府社会人リーグに参加し、リーグ優勝に向けてしのぎを削っています。専門学校大会においては、これまでに6度全国制覇を達成しました。
男女ともに、実技スキルをはじめ、理論や戦術、コーチング法や審判法など、サッカーに関する様々な分野を総合的に学びます。経験豊富な指導陣が、確かな技術獲得に向け、丁寧な指導を行っています。
2年次には、全員参加の海外研修を実施。国際親善試合や現地での指導を経験します。また、選手や指導者、スポーツビジネスなど学生の関心分野に応じた留学支援も行っています。
また、Jリーグ・セレッソ大阪のホームゲームで行う運営実習では、実際の試合運営を体験することで、ビジネスの舞台裏も学びます。
さらに、本校では競技を続けながら、並行して日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー資格、医療系の国家免許(理学療法士、柔道整復師、鍼灸師)を取得することも可能です。20年度には、サッカーの知識・スキルと英語の語学力を同時に修得するための「国際スポーツ専攻」も設置されました。中には、卒業後に大学へ編入学する学生もおり、進路の多様さが特徴的です。
それぞれの志望や適性に応じて、自身の将来を自由にクリエイトしてください。
KEY POINTS
学びの特徴
最高の人工芝で毎日サッカーができる。
本コースの学生がサッカー実技の授業で使用するのは、箕面キャンパスにある人工芝グラウンド。敷地内にグラウンドがあり、シャワールームやトレーニングルームも備えられています。そのため移動時間のロスがなく、実技の授業と座学の勉強を効率的に両立させる環境が整っています。
サッカー界への
就職に直結。
本コースからは多くの卒業生がJリーグクラブに就職し、主に指導者としてサッカー界でのキャリアをスタートさせています。また、全国初の日本サッカー協会公認「2級審判養成校」として、Jリーグの審判員や国際審判員も多数輩出。2020年には本校卒業生の武部陽介さんがJリーグの年間「最優秀副審賞」を受賞しました。
「ダブル・ラーニング」の
費用対効果に注目。
競技を高いレベルで続けながら医療国家免許も取得する「メディカルアスリート専攻」、競技と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー資格取得を両立する「競技&AT」、競技と英語を同時に学び、海外留学も経験する「国際スポーツ専攻」なら、各専門分野を別々に履修する場合よりも短い年数で両方のカリキュラムを修了でき、学納金の大幅な減免も受けられます。どの専攻も、自身のキャリアに付加価値をつけられるコストパフォーマンスの高い内容です。.84〜参照)。どの専攻も、自身のキャリアに付加価値をつけられるコストパフォーマンスの高い内容です。
「国際舞台」への
パスポート。
プレーヤーや指導者を目指す学生に対し、欧州や南米の海外留学もバックアップしています。これまで、ドイツ、スペイン、オーストリアなどへの留学実績があります。また、英語を扱うことができれば、外国人選手やコーチとの意志疎通をスムーズに行えるうえ、最新の指導理論や戦術をリアルタイムで情報収集することができ、海外でコーチを目指す道も開けます。そのため、本校ではサッカーを続けながら英語を学ぶ「国際スポーツ専攻」も用意されています。
CAREERS & CERTIFICATIONS
将来のキャリア・資格
目指せる分野
アスリート
ハイレベルな経験を積み、一段上の選手へ。
本コースの男子学生は大阪府社会人リーグに登録している「履正社FC」に所属し、優勝をめざして年間通してリーグ戦を戦います。指導責任者は元サッカー日本代表ゴールキーパーの岡中勇人。世界のサッカーの潮流を意識しながら、専門スタッフを配置し、映像分析や数値解析のもと選手一人ひとりの力を最大限に引き出す指導を心掛けています。これまで専門学校大会においては全国優勝を6度達成。教室のすぐ間近にある人工芝のグラウンドで、思う存分サッカーを追究できる環境です。
コーチ
Jリーグや海外で指導者に。
在学中に、日本サッカー協会(JFA)公認C級コーチ資格を取得することができます。そのための指導実践や筆記試験対策は万全です。また、指導者になるためには理論だけでなく、現場経験が欠かせません。そのため、本校では提携先のジュニアスクールでのコーチ実習を実施。この実習を経験した学生の多くが、卒業後にJリーグクラブでジュニアコーチとして活躍し、サッカー界でのキャリアをスタートさせています。ダブル・ラーニングの「国際スポーツ専攻」を履修し英語を習得すれば、海外での指導の道もひらけます。
スポーツビジネス
サッカー界の発展に貢献できる。
本校では、スポーツ関連企業に就職した際に活きる販売士、ビジネス実務マナー、サービス接遇、簿記などビジネス系の資格取得をサポートしています。そのことが、スポーツクラブ、フットサル場の運営、スポーツショップ、スポーツ用品メーカーでの勤務、さらにはNPO法人のサッカーチーム立ち上げなど、サッカービジネスの様々な可能性にチャレンジすることを可能にします。また、Jリーグのホームゲーム実習では、ショップや試合会場でのサポート業務等を通じて、Jリーグクラブの運営を間近で学びます。
レフェリー
「2級審判員」資格が取得できる。
本校は、「2級審判員養成校」として全国初の認定を受けた学校です。通常、2級審判員の取得には3級取得から数年かかりますが、本コースでは専門的な授業の受講と認定試験合格だけで取得が可能です。審判実習では、レフェリングを行う学生に対して教員がインカムを通じて的確に指導。試合後は映像でも分析を行います。本校卒業生の中には各地で1級審判員として活動する先輩も多く、そのうち2名がプロレフェリーとしてJリーグや国際舞台で活躍しています。本コースは一流審判員への近道とも言えるでしょう。
トレーナー
選手を最も近くで支える仕事。
本コースでは、ダブル・ラーニング制度を利用してアスレティックトレーナー資格や医療国家免許を取得することが可能です。多くの卒業生が同制度を利用し、スポーツに関わるトレーナー職に就いています。また、日本トレーニング指導者協会認定のトレーニング指導者資格(JATI‐ATI)を取ることもできます。この資格を保有することで、トレーニングの理論的知識が身につき、パーソナルトレーナーやスポーツ施設でのトレーナーとして働く道も広がります。
主な進路
- Jリーグクラブコーチ
- Jリーグ審判員
- Jリーグクラブスタッフ
- 社会人サッカー選手
- 一般企業就職
- スポーツ店販売員
- スポーツ施設スタッフ
- トレーナー
- 公務員
- 大学編入学
- 海外留学 など
ダブル・ラーニング選択者のみ
- 病院・クリニック就職
- 接骨院、鍼灸院などへの開業・就職
- スポーツチームのメディカルスタッフ
- 整形外科・リハビリセンター就職
- 健康増進施設・福祉施設就職
取得可能な資格
- 日本サッカー協会公認C級コーチ
- 日本サッカー協会公認キッズリーダー
- 日本スポーツ協会公認ジュニアスポーツ指導員
- 日本トレーニング指導者協会(JATI)認定トレーニング指導者
- JFAスポーツマネージャー資格 Grade2
- リテールマーケティング(旧販売士)検定2・3級
- 日商簿記検定2・3級
- ビジネス実務マナー検定2・3級
- サービス接遇検定2・3級
- 秘書検定2・3級
- ビジネス文書検定2・3級 など
- 高度専門士 など
ダブル・ラーニング選択者のみ
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
- 理学療法士(国家免許)
- 柔道整復師(国家免許)
- はり師・きゅう師(国家免許)
- TOEIC800(目標スコア) など
CURRICULUM
授業・カリキュラムの内容
2年間の流れ
基礎を学びながら希望するレベルで実戦経験を
学びのPOINT
「履正社FC」へ所属し、選手、指導者、審判員など希望に応じた専攻カリキュラムを選択できます。1年次は、全ての学生がサッカー・スポーツに関わる人材として、競技・指導・審判・ビジネスといった分野から基礎を学びつつ、各自の希望に合わせた資格や授業を履修していきます。サッカーの理論や実技のほか、指導法や審判、スポーツビジネスなどの基礎をトータルに学びつつ、資格取得にもチャレンジできます。
主な行事
春
大阪府社会人選手権
大阪府社会人リーグ(~11月)
大阪府スポーツ祭典(~11月)
夏
関西専門学校サッカーリーグ
関西専門学校サッカー選手権
秋
全国専門学校サッカー選手権
冬
大阪府社会人カップ
関西専門学校
フットサル選手権
応用を学びながら次の進路への準備を行う
学びのPOINT
2年次では、希望する進路に沿って、履修の変更も可能です。1年次で取得した資格に加え、卒業後の目標に向け、より実践的な実習活動もあります。また、担任やキャリアセンターが連携して進路決定をサポートします。
主な行事
春
大阪府社会人選手権
大阪府社会人リーグ(~11月)
大阪府スポーツ祭典(~11月)
夏
関西専門学校サッカーリーグ
関西専門学校サッカー選手権
海外研修
秋
全国専門学校サッカー選手権
冬
大阪府社会人カップ
関西専門学校
フットサル選手権
主な専門カリキュラム
スポーツ医学、トレーニング論など、スポーツ学科共通のカリキュラムをベースに、競技に特化した知識・技術を習得します。
スポーツ心理学 | スポーツ栄養学 | スポーツ医学 | スポーツ社会学・経営学 |
スポーツ行政・指導論 | スポーツ生理学Ⅰ | 解剖学 | 発育発達論 (幼児体育) |
サッカー実技FC | サッカー実技CLUB | サッカー実技女子 | サッカー指導法Ⅰ |
サッカー指導法Ⅱ | サッカー審判法Ⅰ | サッカー審判法Ⅱ | トレーニングⅠ |
トレーニングⅡ | 実習Ⅰ (競技・指導・運営・審判) |
実習Ⅱ (競技・指導・運営・審判) |
サッカー概論 |
サッカー戦術 | ゲーム分析 | テーピングⅠ | イベント運営法 |
クラブ経営学 | パソコン演習 | 公務員対策 | 販売士試験対策 |
簿記試験対策 | 実践小論文・実務小論文 | ビジネス実務マナー | ビジネスマナー |
応接マナー | ゼミ | アジア海外研修 | 海外研修 (南米・ヨーロッパ) |
国内研修 |
留学対策
FIFA加盟国は現在202カ国を数え、海外でプレーする日本人選手も多くなるなど、サッカーはグローバル化しています。サッカーコースでは、在学中の海外留学も可能です。競技・指導・ビジネスなどの目的に合わせて教員とコーディネーターがしっかりとサポートします。
パソコン講座
日本商工会議所が行うパソコン検定試験(日商PC検定)の対策講座を実施しています。サッカービジネスの現場で必要となるパソコンの知識などを在学中に習得できます。
大学編入対策講座
教員免許取得のための大学編入試験サポートにも注力。国立大学への編入生も数多く輩出しています。
TOPIC
日本サッカー協会(JFA)公認C級コーチ資格について
本校ではJFA公認C級コーチ資格を在学中に取得するための授業を設けています。この資格は指導実践と筆記試験を、ともに合格して取得となります。そのため、2年次では指導実践の授業を実施し、資格取得を目指します。
全国で初となる「2級審判員養成校」
2010年に全国で初の「2級審判員養成校」の認定を受けました。通常、2級審判員の取得には、3級取得から数年間のスパンが必要です。しかし本校では授業内のカリキュラム受講と認定試験を合格することで資格取得が可能となりました。
JリーグやJFLに審判員を輩出
卒業生には、審判員として活躍している人がたくさんいます。JリーグやJFLで活躍している先輩など、1級審判員は3名となっています。1級審判員の受験資格を得るには、2級審判員の資格を持ち経験を積み、各地域のサッカー協会から推薦を受ける必要があります。つまり2級に合格することが、一流審判員へのスタートです。本校は全国に先駆けて2級審判員養成校です。現在2級審判員の卒業生も男子6名・女子1名となり、各地域で活躍しています。また、近年は卒業生2名がプロフェッショナルレフェリーとなりました。
時間割例
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1時限 9:00~10:30 |
サッカー実技 | サッカー実技 | サッカー実技 | 指導法 | サッカー実技 | サッカー実技 |
2時限 10:40~12:10 |
サッカー実技 | サッカー実技 | サッカー実技 | 指導法 | サッカー実技 | 審判法 |
3時限 13:10~14:40 |
ビジネスマナー | テーピング | スポーツマネジメント | スポーツ科学 | 運営実習 | |
4時限 14:50~16:20 |
戦術分析論 | スポーツ栄養学 | パソコン基礎 | スポーツコーチング論 | ||
5時限 16:30~18:00 |
指導実習 |
- 実技
- 座学
- 実習
- ※上記のタイムテーブルは一例です。
アスリート系の時間割は、実技重視の時間割に変わります。
実習・研修プログラム
実習の現場から
Jクラブとも連携した豊富な実習。
本校の提携先であるJリーグ・セレッソ大阪でのホームゲーム運営実習は、1年間シーズンを通して行われており、担架隊や受付、手荷物検査といった試合会場での運営業務を体験する事ができます。また、幅広い年代を対象としたサッカー大会やイベントで、審判員や運営スタッフ、指導者として関わる事もあります。
また、学内では「イベント運営法」の授業があり、年2回のイベントを開催。小学生を対象としたサッカークリニックや中学・高校のサッカーチームによる大会など、様々なイベントを実施してきました。チーム招集はもちろん、当日の受付や司会進行、音響、救護など全てを学生たちで分担し、ゼロから作り上げていきます。「支える」側の視点に立ち、全体を通して大会運営を行うことで、多面的に物事を捉え、チームワークを発揮する力を養います。
研修プログラム
海外研修1年次必修
目標に沿った留学スケジュール
留学を希望する学生は、約1カ月間、海外へ留学し、実技研修やプロチームの試合観戦を通し競技への理解を深めます。プロスカウトが視察するサッカークラブで研修をすることもあります。また、欧州サッカー連盟(UEFA)の指導員ライセンスを取得するため、イングランドに半年かけて留学する学生もいます。各自の目標を達成するため、教員と相談して留学プランを固めます。
アジア研修2年次必修
国境を越えたサッカーの学び
履正社のサッカーコースでは、2年次必修のアジア海外研修を実施しています。2013 年には韓国、2014 年はシンガポール、2016年はタイで行われました。練習や試合を行うだけでなく、アジア諸国のサッカー選手との交流を図り、各国のサッカーの特徴を学ぶ機会にもなります。また、サッカーは世界中で普及されており、国外へ視野を広げることはサッカーを続ける上で非常に大切です。研修を経た学生は、多くの学びを得て帰国します。
国内研修1年次必修
ホームゲーム実習
本校では、提携先であるセレッソ大阪で「ホームゲーム実習」を実施しています。試合開始前は準備や受付業務をサポート。また、セレッソ大阪の前座として行われる少年サッカーの試合ではレフェリーを務めます。選手の試合運びや会場の雰囲気などを体感しつつ、運営スタッフとして携わることができます。
ジュニアコーチ実習
指導者を目指す学生には、提携先のジュニアスクールでのコーチ実習を実施しています。指導者にはコーチング理論も大切ですが、実践経験が欠かせません。ジュニアへの指導は公認C級コーチの資格取得の基礎ともなり、実習を経験した多くの卒業生がジュニアコーチとして活躍しています。
INTRODUCTION OF TEACHER
教員紹介
岡中 勇人
サッカーコースGM/履正社FC監督
プロ選手としてガンバ大阪、大分トリニータでJリーグ通算約300試合に出場し、日本代表選出の経歴も持つ。引退後はS級とGPA級ライセンスを取得し、主に育成年代の指導に尽力する
- 日本サッカー協会公認 S級コーチ
- 日本サッカー協会公認 GK-A級コーチ
サッカーに熱く取り組み、多角的に学べる環境がここにはあります。同じ志を持つ仲間と、競技の魅力や楽しさを追求しながら日々精進しています。その成果を感謝に変え、次のステージに進出する環境作りに徹し、ゲームやトレーニングは勿論、映像分析やグループディスカッション、フィードバックなどを日常的に行います。 環境を整えて、教員・在学生一同お待ちしています。履正社で共に人生の1ページを作りましょう!
紙本 天平
履正社FCコーチ
大阪府出身。好きなサッカーに長く関わり続けたい想いから、本校サッカーコースに入学。在籍中にサッカーコーチC級ライセンスを取得して卒業。2017年より石川県星稜高校とジュニアチームのコーチを経て、2018年に本校サッカーコースの教員として入職。2022年、サッカーコーチB級ライセンスを取得する
- 日本サッカー協会公認 B級コーチ
- 元星稜高校サッカー部コーチ
履正社での経験とここで出会ったサッカー仲間は一生の財産になります!サッカーができる喜びを噛み締めながら、ネクストステージに向けた準備をしていきましょう!
GRADUATES
卒業生紹介
栃木サッカークラブ アナリスト
眞鍋 将吾さん
サッカーコース 2017年卒業
1996年、香川県生まれ。高松東高校出身。本校卒業後、鹿屋体育大学に編入学し、競技を続けながら小学生への指導や学生コーチを経験。その後筑波大学大学院へ進学しサッカーコーチング論修士課程を修了。鹿児島ユナイテッドFCを経て、23年1月より現職
指導者の魅力を教えてくれた場所。
ー履正社を選んだ理由は?
「高校時代の夢はサッカー選手で、強豪大学への進学を目標にしていました。でも、思い描いたような結果を得ることができなくて。そんな時に、サッカーについて専門的に学ぶことができ、大学に編入学もできる履正社のことを知りました」
ーサッカーコースで印象的なことは。
「練習のオーガナイズや強度、身体の動かし方など、指導内容が常に新鮮で、毎日うまくなっている感覚がありました。また、指導者の考え方やその面白さを初めて教わった、原点ともいえる場所です」
ーその後、鹿屋体育大学、筑波大学大学院へ進学されました。
「当時、鹿屋のサッカー部は3軍体制で僕は3軍にいました。レベルの高さを痛感し、サッカー選手の夢は一区切りつきました。その後、学生コーチとして関わる中で、目標が指導者に定まったんです。指導スキルを高めるため、筑波大の院へ進みました」
ーそして卒業後はJ3(当時)の鹿児島ユナイテッドFCへ。
「アナリスト(分析)として入職しました。対戦相手のゲームを分析して特徴を監督や選手にわかりやすく伝えたり、監督から指示のあった映像を出したりと、映像に関わるすべてのことを担っていました」
熾烈なJ2の舞台で鍛えられた1年。
ー23年、J2クラブの栃木SCに移られましたが、現在のお仕事内容を教えてください。
「アナリストの仕事に加え、コーチとしての職務も行っています。今はパス&コントロールといった、ウォーミングアップメニューを任されています。いろんなことをトライさせてもらえるありがたい環境です」
ー前チームとの違いはありますか。
「目指すサッカーや戦術が異なるので、慣れるまでは苦労しました。また、J2とJ3では試合数も強度も全然違います。連戦が多く、すぐに次を考えないといけないスピード感。選手もスタッフも90分間、全力を出し切らないと勝てない環境。経験値が上がり、自身の成長を感じられた1年でした」
ー印象に残っている試合は?
「サンフレッチェ広島に勝ち、アビスパ福岡とベスト16をかけて戦った天皇杯です。『J1チームと互角に戦えるチームにいるんだ』と、これまで体験したことのない高いステージにいる実感がわきました」
ーどんなコーチを目指していますか。
「分析力と論理的指導を武器に、選手にアプローチしたいです。選手の課題に向き合い、実力を伸ばせるコーチになるのが目標です」
ガンバ大阪ジュニアU-11 スクールコーチ
去石 侑矢
サッカーコース 2018年卒業
1997年、岩手県生まれ。いわてグルージャ盛岡のジュニアユース、岩手県立不来方高校を経て本校に入学。卒業後は株式会社ガンバ大阪に入社し、スクールコーチとして幼児クラスやガンバ大阪ジュニアU-10、U-11の指導を担当する。21年はU-12の監督を務めた
憧れの指導者をめざして。
ー高校生の頃の夢は何でしたか?
「ずっとサッカーのコーチをしたいと考えていました。自分がサッカー以外の仕事につくイメージがあまり湧かなかったので、大学でサッカーをしようとも思いましたが、じゃあその先どうなるんだろう、と考えて。小学生の時に憧れていたコーチのようになりたい、と思って専門学校を選びました」
ー数ある学校の中でも、履正社を選んだ理由を教えてください。
「ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸といったJリーグクラブへの就職実績が圧倒的だったのと、レベルの高い大阪府社会人リーグで戦える環境があること。(在学時に監督だった)高祖和弘先生のように、Jリーグで監督を務めた経験がある指導者がいたこと。そのあたりが理由です」
ー学生時代は、どんな生活を送っていましたか。
「午前中はサッカー実技の授業で、午後からは座学の授業、放課後は大阪のサッカークラブで小中学生を対象に指導のアルバイトをしていました。在学中に、コーチングライセンスのC級、審判員3級、キッズリーダー、それから日本スポーツ協会のインストラクターの資格を取りました」
ーアルバイトで指導をしてみて、感じたことは何ですか?
「子どもがかわいいということです(笑)。あと、自分が本当に奥深くまで考えてサッカーをしていなかったということを痛感しました。子どもへの伝え方も、本当に噛みくだいて話さないと伝わらない。その難しさも感じました」
最も記憶に残っている言葉。
ー専門学校で受けた指導で、記憶に残っていることはありますか。
「サッカーに対する向き合い方が変わりました。高祖先生がよく『サッカーは日々進化しているから、指導者が進化するのをやめたらそこで終わりだよ』とおっしゃっていました。その言葉は今、ガンバに入ってからもよく思い出します」
ーお仕事のやりがいを教えてください。
「年間通して指導をする中で、子どもたちが上手くなったなと感じる時だったり、一年前は公式戦でボロボロに負けていた格上のチームに勝ったりして結果が出ると、やっぱり嬉しいですね。日々、子どもたちの伸びしろはすごいなと実感しています。彼らにもっとサッカーを好きになってもらうためにも、これからも『伝わる指導』を心がけ、早く偉大な指導者の先輩方に追いつきたいなと思います」
加茂商事株式会社 サッカーショップKAMO 原宿店勤務
岡本 美悠さん
サッカーコース 2014年卒業
1993年、大阪府生まれ。大阪府立渋谷高校出身。小学5年生からサッカーを始める。中学生の頃、関西選抜に選ばれたほか、スペランツァFC大阪高槻の下部組織(ラガッツァFC)にてプレーも経験。度重なる怪我でマネージャーへ転向した。本校卒業後、加茂商事へ入社
0を1にできた時が何より嬉しい。
ー履正社に進学した理由は何ですか?
「進路をどうするのかずっと迷っている私を見た担任の先生が、履正社のパンフレットを持って来て『ここでサッカーしてみたら』と勧めてくれました。実際に見学へ行った時、綺麗なグラウンドだなと感じました」
ープレーヤーとして入学されたんですね。
「当時は、サンフレッチェ広島のレディース出身の子や、北海道の強豪校出身で後に日本代表にも選ばれる子がいました。リーグ昇格に向けて皆で頑張っていましたね。でも年の終わりに、足首を怪我してしまい、競技が続けられなくなりました。先生に相談し、マネージャーへ転向したんです」
ーどの授業が、印象深いでしょうか?
「実技のマネージャー業務ですね。高祖先生は、基本的に『見て学びなさい』という指導方針だったので、次何をするのか常に自分で考えて準備する必要がありました。先生の先の先の先まで読む感じです。本当に鍛えられましたし、社交性も身につきました。接客中も、自然とお客様の先を考えています。『あ、次はこれを手にされるな。これをしておこう』みたいな。目が色々なところへ向くようになりました」
一番良い足の状態を維持してもらう。
ー今の勤務先を選んだ理由は何ですか?
「当時、履正社のユニフォームを作っているのがKAMOだったんです。作るのが楽しそうだなと思ったのがきっかけです。また、サッカー経験も活かせるなと思いました」
ー今のお仕事内容について教えてください。
「お客様のご案内や、商品のディスプレイです。主にジュニアのフロアを担当してます。原宿店も親子連れのご来店が結構多いですね。お客様の足の形状を見て、その人に合うスパイクやインソールを勧めることで、一番良い足の状態でプレーを維持してもらうんです。そうすれば、発育期に見られるシーバー病や、過剰な運動で引き起こされるシンスプリントといった怪我が起こりにくいですから」
ー今の勤務先を選んだ理由は何ですか?
「当時、履正社のユニフォームを作っているのがKAMOだったんです。作るのが楽しそうだなと思ったのがきっかけです。また、サッカー経験も活かせるなと思いました」
ーお仕事のやりがいを教えて下さい。
「ショップは、同じ接客業でも飲食店とはまた別物だと思っています。飲食店は、入店された時で0が1になりますけど、ショップはそうでない時が多いです。見に来ただけとか、ちょっと暇だから寄ってみたとか。私の説明を聞いたお客様が、納得して商品を購入してくださって、その0を1にできた時が何より嬉しいです。今、女子サッカー界は、WEリーグもできて盛り上がりを見せていますよね。サッカー女子が、これからもっと増えたらいいなと思います」
フランスサッカー留学 Foot Japon 代表
三澤 晃彦さん
サッカーコース 2006年卒業
1985年、大阪府生まれ。清明学院高校を卒業後、2004年にサッカーコース入学。卒業後、海外のブランドを取り扱うアパレルショップや貿易会社での勤務を経て、2014年フランスに移住。2018年、サッカー留学を斡旋するFoot Japonを起業した
サッカーを通じて世界を知りました。
ー三澤さんはヨーロッパにお住まいですが、海外に興味を持ったきっかけは何ですか?
「明確に意識をしたのは中学2年の時です。当時フランスワールドカップがあって、大会後、中田英寿選手がイタリアに移籍しました。中田選手の活躍を通じて色んな国のサッカーや街の風景を知ったことで、海外への憧れが一気に強くなりました」
ー履正社に入学した理由を教えて下さい。
「当時イタリアとオランダの海外研修があって、それがすごく魅力的だったからです」
ーその研修で印象に残っていることは。
「イタリアでは中田選手もプレーしたペルージャに行き、オランダでは小野伸二選手の試合も観ました。その中で一番覚えているのが、カフェでイタリア語でコーヒーを頼んだらそれが通じたこと。『ウンカフェ、ペルファボーレ』って言っただけですが、海外で初めて自分の言葉でコミュニケーションが取れた瞬間でした。あの成功体験があったから、今があると思っています」
ーサッカーを仕事にしたい人にとって、語学はどれほど重要ですか?
「たとえばコーチやトレーナーが海外留学をするとしても、言葉がわからなければ、それは留学じゃなくて見学。双方向の良いコミュニケーションがなければ、良い結果にはつながらないと思います」
マクドナルドで毎日5時間粘った
ー履正社を卒業してからの歩みについて簡単に教えて下さい。
「まずはイタリアやフランスなどの商材を扱うアパレルの業界に入りました。キャリアアップのために、海外で買い付けをするバイヤー職を希望していましたが、語学力がないといつまで経っても海外にいけないので、25歳で会社を辞め、フィリピンやカナダに語学留学しました」
ーまず英語を学んだんですね。
「その後20代後半になって、ヨーロッパで留学の会社がやりたいなと思った時に、自分の好きな伝統文化やサッカーがあったのがフランスでした。それで日本で半年間必死にフランス語を勉強しました。マクドナルドで連日、コーヒー1杯で5時間粘って(笑)。それからフランスに移住し、語学学校に通いながら、下部リーグでプレーも続けました。サッカーを続けたおかげで人脈が広がり、今の仕事にもつながっています」
ー今後の目標は。
「これからもヨーロッパでコネクションをもっと広げて、履正社と海外の橋渡しをしていきたいと考えています」
JFA所属 プロフェッショナルレフェリー
国際審判員
Jリーグ最優秀副審判賞 受賞(2020年)
尼崎市役所 保育課・杭瀬保育所 勤務
武部 陽介さん
岡山県立水島工業高等学校 出身
現在私は尼崎市役所に勤務し、一方でJ1担当副審としてサッカーのピッチに立っています。履正社に入学したのは、審判資格を取得するうえでサッカーに関するさまざまな基本が学べると感じたから。実際入学すると選手・審判・指導者・トレーナー・運営などを学ぶことができ、今審判をするうえでそれぞれの立場になって考えられるようになりました。さらに技術や人間性を磨き、オリンピックやワールドカップを担当する審判員になりたいと思っています。
- ※肩書き、インタビューの内容は取材当時のものです。
TEAM DATA
チームデータ
選手一覧
2年生
秋山 優人
四国学院大学香川西高等学校
安宅 悠真
日本教育学院高等学校
一村 春陽
英明高等学校
井上 颯人
大阪府立みどり清朋高等学校
江川 晴
兵庫県立宝塚東高等学校
梶浦 登志
徳島県立池田高等学校
神原 凱
大阪府立北摂つばさ高等学校
菊川 大聖
滋賀学園高等学校
呉 博文
蒼開高等学校
鈴木 熙人
秀岳館高等学校
塚本 慎
ルネサンス大阪高等学校
西山 永遠
京都翔英高等学校
降幡 昌純
天理高等学校
松山 建
星琳高等学校
山崎 勇翔
尼崎市立尼崎双星高等学校
山本 淳貴
金光藤蔭高等学校
サッカーコース 1年生
淺田 悠真
銀河学院高校
池田 大地
八州学園高校
岡田 季凌
志度高校
オチョア マック
棒生昇陽高校
上川 敦也
三田西陵高校
小渕 詩
昇陽高校
小山 稔矢
生光学園高校
谷口 友飛
八幡商業高校
辻本 優友
昇陽高校
戸田 幹太郎
小山高校
長島 快斗
三重高校
西川 陽
第一学院高校
西柳 知宥
神戸弘陵高校
花井 涼晴
蒼開高校
林田 桜季
あずさ第一高校
峰 愼ノ助
瓊浦高校
宮﨑 陽生
大商学園高校
村瀬 颯汰
高知中央高校
森本 大智
那賀高校
山田 心太郎
天理高校
マネージャー
小川 優羽夏
みらい創生高校
桂井 仁
信太高校
BLOG
日常風景(ブログ)
SNS LINKS
SNS
POLICIES
教育目標
学位授与の方針
(ディプロマ・ポリシー)
サッカーコースの理念である「サッカーを通じて、豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と国内・国際社会で活躍できる人財の育成」に基づき、将来サッカー・スポーツ界だけでなくグッドフットボーラー、グッドヒューマンとして幅広く社会で活躍できるために以下の資質・能力を身につけた者に卒業を認めます。
1.スポーツを愛し、その意義と価値を自覚し、尊重する人。
2.フェアプレーを誇りとし、自ら恥じない態度をとり行動できる人。
3.何事に対しても、自ら考え、工夫し、行動できる人。
4.いかなる状況においても、前向きに取り組むことができる人。
5.社会の一員であることを自覚し、模範となる態度・行動がとれる人。
6.優しさと思いやりを持ち、差別や偏見を持たない人。
7.自分を支えるすべての人々を尊重し、感謝・協調できる人。
8.仲間を信じ、励まし合い、高めあうために協力・協働・協調ができる人。
教育課程編成・実施の方針
(カリキュラム・ポリシー)
スポーツやサッカービジネスに共通する基礎知識を習得し、学生が主体的に学習できるように、各領域(アスリート・コーチ・レフェリー・ビジネス等)の専門性を深めて資格取得の講義・実技・実習のカリキュラムを編成し実施します。
特に実習においては、全国専門学校大会・社会人リーグでの競技実習、Jリーグでのインターン実習、グラスルーツ・育成カテゴリーでの審判実習、イベント活動での運営実習等、地域スポーツ活動への貢献を通じ、卒業後、即戦力として活躍できる力を養います。
2年次には「アジア海外研修」を行い、国際試合や現地でのサッカークリニック、スポーツ施設見学や海外の生活文化に触れることで見識を深め国際人としての育成も目指します。また 2 年次からは、本校の特色であるダブル・ラーニング制度の履修を設置しています。スポーツ競技と医療、スポーツ競技と外国語、スポーツ競技とトレーナーを組み合わせ、自らが望む自己実現に向けたカリキュラムを準備しています。
入学者受け入れの方針
(アドミッション・ポリシー)
サッカーコースが求める人財を育成するために、以下の資質を備えた人物を広く受け入れます
1.本校の教育方針(校訓)・教育内容に高い関心と理解を持ち、高等学校までの学習や生活を通じて、スポーツやサッカーという素晴らしい競技を愛し、それを取り巻く様々な仕事に関心を持つ者。
2.サッカーコースで学修するための基礎的な学力及び基礎的な体力が備わっている者。
3.社会性・自主性・コミュニケーション能力を有する者。
4.人種・性別・国籍に関係なく様々な面において自己を高める強い意志・意欲を持っている者。