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2022.10.20
大田将也先生の素顔に迫ります(その3/最終回)

こんにちは、履正社国際医療スポーツ専門学校 広報部Mです。

野球コース教員・大田将也先生のインタビューは今回が最終回。

本校の卒業生でもあり、理学療法士の資格もお持ちの大田先生は、どんな学生生活を過ごしたのでしょうか。野球と医療の学びの両立を考えている方は、参考にしてみてください。

 

前回までの記事はこちら(クリックすると記事にジャンプします)

その1

その2

 

大田先生のプロフィールはこちら

 

「勝ったら学生の実力、負けたらこちらの責任」。

 

――大田先生は野球コースの教員ですが、理学療法士の資格もお持ちです。医療の道、なかでも理学療法士を志したのはなぜですか。

僕自身、ケガがすごく多くて。病院で何度もリハビリしましたし、鍼灸整骨院にも通いました。小学校時代に大きなケガをした際、理学療法士の方にお世話になり「こんな人になりたい」と思う気持ちが芽生えたんです。ケガの初期から競技復帰まで一貫して見られることも理学療法を選んだ理由です。ちなみに……アスレティックトレーナー(以下、AT)の勉強もしていたので、受験資格を持っています。

 

――そうなんですか!

僕がいたころはダブル・ラーニング制度が今とは少し違っていたので、履正社入学後、1年目と2年目は野球コースに。2年目と3年目はAT、2年目から5年目までは理学療法学科でそれぞれ学んでいました。

 

――ということは……。履正社での学生生活2年目は野球と理学、ATと3つのわらじを履いていたんですね。

今思えば、自分でもよく乗り越えたなと思います(笑)。朝6時過ぎの電車に乗り、野球の練習から1日がスタート。15時10分からの4限に間に合うように十三へ移動して、ATの授業を2コマ。その後、理学療法学科(夜間部)の授業が終わると21時40分でした。帰宅したら23時。急いでごはんとお風呂を済ませ、翌日に備えて就寝する。一番忙しい日はそんな感じでした。この頃はペースをつかむのが大変で、あんまり記憶がないんです(笑)。移動時間が勉強時間でしたね。

 

↑野球コースは箕面キャンパスで、毎日練習に励んでいます。

 

――野球コースではどんな学生生活でしたか。

1年目は履正社学園、2年目は履正社ベースボールクラブ(以下、BC)に在籍していました。BC時代、なかなか勝てない時期が続いたんですが、リーグ戦の5試合目でサヨナラ勝ちできたのがうれしかったです。当時は(現・履正社RECTOVENUS監督の)石山一秀先生が監督で、自分たちで考えて練習を組み立てるスタイル。石山先生ともう1人、履正社学園の聴講生だった学生コーチがいて、その方と頻繁にコミュニケーションを取れたことは大きかったですね。今の自分の学生との接し方につながるというか。年齢が近い人間がいるのって、学生にとって大事だと思うんです。腹を割って相談ができる存在ですから。

 

――メンターのような存在ですね。一方で理学療法学科、ATコースでの思い出は?

実習が大変でした。コロナで(理学療法学科の)実習が学内になるなど予定が変わってしまったりして。3年次の実習で担当してくださった和歌山の病院の先生がとてもいい方で、ここでいろんな経験をさせてもらいました。AT実習は野球コースの担当でした。2年の秋から野球コースのコーチもしていたので、珍しいケースだとは思います。今は野球コースの学生は(ATの実習先が)野球になることはないんじゃないかな……。

 

――えっ、在学中からコーチもしていたんですか。

2年の現役引退後、新チームになってからです。履正社の学生3年目から卒業するまで、非常勤のコーチでした。

 

――レアケースだらけですね(笑)。理学療法の勉強はどうでしたか。

やはり国家試験の勉強が大変でした。本番に向けて詰め込んではいましたが、野球の活動もあり時間を十分に取れなくて。理学療法学科の先生方にはご迷惑をおかけしました……。最終的には国試1か月前に完全にお休みをいただき、ラストスパートをかけました。夜間部は仕事をしながら学んでいる人が多いので言い訳にはできない、と思う気持ちもあり必死でしたね。

 

――そして、無事に合格されて

はい。ただ、ありがたいことに正規職員のお話をいただいたので、病院には就職しないで、そのまま履正社に入職しました。

 

――理学療法士の資格がありATの勉強をしていたことが、野球指導の際、活きることはありますか。

熱中症対策や選手のコンディション把握は他の方より敏感かもしれません。あと、ケガのことはシビアになりますね。無理はしちゃダメだけど試合に出たい選手の気持ちもわかる。でも、どうしてもPT(理学療法士)的な視点は入ってしまう。(試合に出すかどうか)いつもめちゃめちゃ悩みます。接触プレーが起きた時も、もしかしたら誰よりも気にかけるかもしれません。あ、でも逆もあるかも。他の方が「大丈夫??」と心配する場面でも、「これぐらいなら大丈夫」とか。過信はできませんが、身体の加減がある程度わかるのは助かっています。あとは投球のアドバイスなど、理学療法の根拠をもって「こうすると力が入るよ」と話すこともあります。実習担当のATの先生や学生とのコミュニケーションも早いほうかもしれませんね。

 

↑あちこちで声をかけられる大田先生。ずっとグラウンドで学生とコミュニケーションをとっています。

 

――これまで先生が学生と接していてうれしかったことは?

うーん……。ふだんのちょっとしたことから喜びはあります。試合で勝った時や、ずっと気にかけていた子が結果をぽーんと出してくれたり、人間的にいい方に向かっていったりした時とか。学生はすごく変化します。こちらが何をしたわけでもなく、本人が気づき、努力した結果の変化なんです。最後、卒業する際に「ありがとうございました」と言ってくれた時、「あっ、良かったんだな」と、やっとホッとできる。そんな瞬間があります。

 

――学生にあれこれ言わないんですね。

まったく何も言わないわけではありません。ただ、それまで野球を「やらされてきた」学生もいるので、「自分たちでやる」ように切り替えてほしいんです。いつも学生には「やる、やらないはどっちでもいい。でも、やるのはきみたちだから(自分たちで)決めてね。やると決めたなら、こちらも本気サポートする」と言います。主役は学生ですから。勝ったら彼らの実力、負けたらこちらの責任。そんなスタンスです。負けたら次、どうするのか。野球ノートに書いてもらって共有する。その繰り返しです。

 

――最後に、先生の今後の目標をお願いします。

学生ひとりひとりが自主的に考え、動けるようにサポートしたいです。また、彼らが野球を通して目配り、気配り、心配りができるようになり、社会に通用する人間に成長してくれたら。僕自身も、野球を介して学生と一緒に成長していきたいです。

 

大田先生、ありがとうございました!

 

【広報Mの取材MEMO】

ダブル・ラーニングを志望する学生に、メッセージをお願いしました。

「医療の勉強と競技は密接につながっているので、どちらにも有効です。僕自身、理学療法を学ぶ中で『だからこうやって投げろ、って言われてるのか』『だからこのほうが力が入るのか!』と腑に落ちる瞬間、新しい発見がたくさんありました。学生時代は忙しくて大変かもしれないけれど、卒業した時に大きなものを得られます。入学したときのスタートラインはみんな同じ。だから周りを気にせず頑張れば大丈夫です」。

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