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日常生活(ブログ)

理学療法学科

井口奈保美先生の素顔に迫ります(その1)

こんにちは、履正社国際医療スポーツ専門学校 広報部Mです。

 

本日から理学療法学科のブログにお邪魔し、全3回にわたり井口奈保美先生のインタビューをお届けします。どうぞよろしくお願いします。

 

井口先生は本校理学療法学科の卒業生でもあります。現在、担当されている授業や学生時代、病院勤務時代の思い出など、たっぷりおうかがいしました。ぜひご一読ください。

[profile]井口奈保美(いぐち・なおみ)1986年長崎県生まれ。理学療法士、認定理学療法士(運動器)、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。京都ノートルダム女子大学卒業後、医療機器メーカーの営業職を経て本校理学療法学科夜間部に入学。卒業後は大阪回生病院での勤務の傍らトレーナー活動を行う。2022年に同院を退職後、本校へ入職。

「『ここの学校の卒業生、いいよね』と言ってもらえる人材になってほしい」。

――現在担当している授業を教えてください。

1年生対象の「評価学」のほかに、今年の3年生からスタートした新カリキュラム「運動器系理学療法治療学」を担当しています。整形外科の疾患にまつわる障害をどのように捉え、治療していくのかを考える授業です。骨折など、骨や靭帯、腱がベースになって起こっている障害への治療がメインですね。

――リハビリの進め方を考えるわけですね。

はい。ただ、患者様がどういう病態で、どんな生活背景があるのかを捉えられていないのに突然治療に進むことはできないんです。基礎をまず確認し、だからこういう治療が必要だよね、という流れで行います。

――ケーススタディで考えていくんですか。

私が病院に勤めていた頃に行われていた症例発表や学会発表の動画を(許可をいただいた上で)授業で提示します。自分たちの身体や動きを評価(身体の状態を確認すること)して、何が足りないからどんなことをやったほうがいいのかをみんなで考える授業スタイルです。最終的には患者様の病態、生活スタイルや人間関係といった背景を自ら想像して考え、動いていける力を養ってほしくて。

――そう考えるのはなぜですか?

いわゆる講義形式の、授業を「聞く」だけだと、どうしても受け身になりがち。でもそれだと、いざ現場に立った時に患者様への想像力が失われてしまうんじゃないか。そんな気持ちがあるんです。私は(2022年の)3月まで大阪回生病院に勤めていて、さまざまな実習生を迎える立場でした。その際、自分から能動的に動く子が減っている印象があって。学生たちは知識を吸収してもアウトプットする場がない。自分で考える機会が設けられていないのかな? と。

――それで今日の井口先生の授業では、学生たちがたくさん話し合っていたんですね。

そうなんです。私が一方的に正しい、正しくないを教えるのではなく、「どう思う?」から始めます。それから、それぞれが考えてみたことを実際にやってみる。効果があるのかどうかも、自分たちで評価します。反応があるとみんな「うわーっ!」って言いますよ。自分の頭と手を使って考えるからか、記憶にも残るようです。

↑理学療法学科夜間部3年生の授業を見学させてもらいました。座学のあとのシンキングタイムで、井口先生は学生ひとりひとりと丁寧に話し合っていました。

――正解がないことを考える授業って、難しそうです。

学生たちもあまり慣れていないと思います。これまでは学問としてインプットがメインだったのを、この授業では頭の中で整理して必要項目だけを取り出さないといけませんから。でも、私はそれが面白いと思うんです。学生たちが一生懸命取り組んで葛藤しているのを見て、ここが悩みどころなんだなぁ、と。私自身も勉強になります。

――脳が汗をかく時間ですね。

答えを知ってほしいのではなく、思考過程を学んでほしくて。みんながみんな、同じ思考過程にはならないんですよ。AからGまで情報があったとして、AとBとCがリンクした子がいれば、AとFとGが繋がってたどり着く子もいる。私自身も、自分の治療プランにたどり着くまでにどんな学び方をしてきたのか、授業でちょこちょこ小出しにして話しています。

――今日のケーススタディでは、「70歳代後半の女性」「右大腿骨頚部骨折に対して、THAを施行している」「毎週末行われる公民館での集まりが生き甲斐」など、いろんな情報がありました。

ひとりの患者様の症例への捉え方ひとつとっても、理学療法士によって全然違うんです。だからこそ、私が「ここが問題だよ」と言ってしまうと、学生はそこしか見なくなってしまう。それって、私の頭の中をコピーしているだけ。みんながそれぞれに正しいけれど、「(自分がここを問題だと思うのは)こういう理由がある」と理由づけできるならいいよ、と。理由づけができないのであればそれは間違い、と言っています。いざ現場に出たら、患者様、ご家族、ドクター、看護師………いろんな方に根拠を持って説明しないといけません。たとえば「この方は歩けません」と伝えたら、必ず「なぜ?」と聞かれますから。

――自分自身で考えた、根拠のある答えを出せること。それが現場では求められるんですね。

学生たちには理学療法士として、たくさんの現場で「ここの学校の卒業生、いいよね」と言ってもらえる人材になってほしい。そのためにはこういった素地が学生時代から培われていることがとても大切です。就職してからも、医療人としてより成長していくための基本姿勢にもなりますから。

――学生の反応はいかがですか。

「わからなかったら聞きに来てね」というと、割とみんな来てくれます。みんな知りたいんだな、問題から逃げてないな、とうれしくなります。知ることが楽しいのは学生たちもわかっている。その楽しさをつないであげられるようにするのが私の使命だな、と思っています。

次回は、井口先生のライフヒストリー編。理学療法士とアスレティックトレーナーを目指したきっかけ、医療機器メーカーでの営業職から履正社に進学した経緯など、エピソード満載でお届けします!

インタビューその2は こちら をクリック

【広報Mの取材MEMO】

取材の少し前に、引っ越しをしたという井口先生。くつろげる家にすべく充実化を図っているとか。「物を増やさないようにしたり、観葉植物やテラリウムを置いたり。プロジェクターも導入予定です。友達がよく遊びに来てくれるので、コストコパーティーしたりしています」。

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