我々が「リハビリテーション」という言葉に対してどこか無意識に抱いていたイメージは、タイニン省リハビリテーション病院の立派な門をくぐった瞬間に、爽快なまでに覆されることとなった。ここはこの地域の医療の中核を担う、まさにリハビリの要衝である。のどかな農村風景が広がる地域にありながら、一歩館内へ足を踏み入れれば、そこには驚くほどの熱気と活気あふれる治療空間が広がっていた。

「単なる応急処置ではなく、その人の生活そのものを再構築するのだ」
現地の理学療法士たちの眼差しは真剣そのものである。彼らが提供するリハビリは、患者様の動作や生活背景までを丁寧に汲み取った高度なものであり、日本の医療現場と比べても何ら遜色のない素晴らしいサービスであった。我々はこの圧倒されるような臨床の現場へ、丸一日しっかり飛び込むこととなったのである。
学生たちに課されたのは、実にやりがいのある試練であった。実際に患者様を担当し、自らの手で評価を行い、治療の道筋を立てていく。脳卒中、脛骨腓骨骨折、脊髄損傷、さらには小児髄膜炎の後遺症まで、多種多様な疾患と向き合う中で、学生たちの頭の中には様々な疑問と葛藤が駆け巡っていた。

「日本で学んだ検査のやり方が、うまく当てはまらない……」 「言葉がすぐには通じない中で、どうやって患者様の声に耳を傾ければいいのだろう?」
これまで教科書という安心できる世界で培ってきた自分の判断基準が、するすると手からこぼれ落ちていく感覚。しかし、これこそが真の学びのスタートラインであった。
現地の理学療法士たちとのディスカッションは、大いに盛り上がった。身振り手振りやつたない英語、そして何より「患者様を良くしたい」という共通の想いを重ね合わせ、熱心な意見交換が続く。現地の先生方は自らの知識や技術を惜しみなく分かち合い、学生たちの凝り固まった頭を柔軟に解きほぐしてくれた。
「正解は決してひとつではない。目の前の患者様にとって何がベストなのかを考えるのだ」
多様な症例と向き合い、異国のプロフェッショナルと対話を重ねる中で、学生たちは自分なりの「答え」を少しずつ組み立て始めていた。夕刻、研修を終えた彼らの表情には、朝見られた戸惑いは消え、ひとつの経験を積み上げた頼もしい光が宿っていた。

自分の知識の枠を超え、新しい思考の土壌を耕した2日目。明日は一体どんな出会いと発見が彼らを待っているのだろうか。
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