こんにちは、履正社国際医療スポーツ専門学校 広報部です。
理学療法学科の特別授業「プロフェッショナルミーティング」についての記事を4回にわたって掲載しています。
<前回までの記事はこちら>
【vol.1】当日の様子をレポートします
【vol.2】宇野将史さんインタビュー(前編)
【vol.3】宇野将史さんインタビュー(後編)
今回は最終回。宇野さんの特別講義を受けた、ふたりの1年生にインタビューを行いました。
「宇野さんが、理学療法士を目指す気持ちに火をつけてくれました」
ひとりめは、昼間部の西本純真さん。京都成章高校ラグビー部出身で、今回、登壇いただいた宇野将史さんの後輩でもあります。大先輩のお話を聞き、どんな風に感じたのでしょうか。
――西本さんは、宇野さんの出身校の後輩にあたるそうですね。宇野さんのことは知っていましたか。
「はい。(講演会場に)入って来たとき、あれ、どこかで見たことがある方だなと。お名前を見て、あっと思いました。試合の応援や花園前の激励会によく駆けつけてくださってたんです。車椅子だったので印象に残っていて。講演後はご挨拶させてもらいました。母校はここ数年、花園の常連校なんですが、宇野さんの代では全国3位、僕の直接の先輩方も準優勝とかベスト4といった戦績を残しています。ラグビー日本代表の坂手淳史さんもOBです」
――講演を聞いていかがでしたか。
「理学療法士(以下、PT)になりたい気持ちがより強くなり、宇野さんが火をつけてくれました。僕も膝を何度も手術しているんです。大好きなスポーツを断念せざるをえなかった時はとても悔しかったし、宇野さんのお話からはそれ以上の辛さが伝わりました。患者さんに少しでも回復の可能性があるのなら、それを伸ばせるPTになりたい。そんな気持ちになりました」
――PTを目指す理由を教えてください。
「中1の時に靭帯が切れてしまったのをきっかけに、ずっと病院通いでした。ドクターやPTさんにたくさん助けられてきたので、今度は自分がケガに苦しむ方を助けたいという思いで進学しました。実は中学時代にお世話になったPTさんが、(履正社専門の)理学療法学科の卒業生なんです。また、京都成章ラグビー部時代のトレーナーさんも、同じく(履正社専門の)アスレティックトレーナーコースの卒業生で。その方にも、進路についてたくさん相談にのっていただきました。履正社とのご縁が深くて……運命です(笑)。今もリハビリをしていますが、そこでお世話になっているPTさんも大好きで、すごく尊敬しています」
――どんな学生生活ですか。
「通学に片道1時間半かかるのと、今までラグビー中心の生活だったので勉強を頑張るのに必死で。あっという間に1週間が終わります。毎週金曜に英語の授業があるんですが、大腿骨とか高血圧とか、医療にまつわる英単語を知るのが面白くて。姉が看護師なので、家でよく医療の専門用語を耳にするんです。『あの時に言ってた(医療用語の)頭文字、この単語から来てたのか!』と知識がつながったとき、すごくテンションが上がります」
「宇野さんの言葉は、ずっと大事にしていきたいです」
そしてもうひとり、お話を聞かせてもらったのは、夜間部の谷水凜郁さん。大学卒業後、PTを目指すため学生生活をリスタートしました。理学療法士に加えアスレティックトレーナーの資格取得を目指す「医療+アスレティックトレーナー」を専攻しています。
――宇野さんの講演を聞いていかがでしたか。
「大学生の時、脊髄損傷患者専門のトレーニングジム『J-Workout』の企業説明会に参加したことがあるんです。自身の目標を達成した瞬間の患者さんの映像を見せてもらい、とても感動して。でも、時間に限りがあり、実際にどういう段階を踏んで歩けるようになったのか、過程がわからなった。その場で質問もできず、後悔していたんです。でも今回、宇野さんから直接お話を聞くことができました。最初に親指が動いて、下半身が少しずつ思い通りになっていくっていう……。とても貴重な機会をいただき、ありがたかったです」
――印象に残ったお話などはありましたか。
「『選んだ道を正解にする』『(難しいことに直面したら)できない、ではなく、何ならできるか、どうすればできるのかを考える』という2つの言葉は、ずっと大事にしていきたいと思いました。私自身、大学2年の時にケガでバスケットボールを続けられなくなって……。悩んだ末に、学生トレーナーに転向したんです。大学を卒業して再進学しましたが、また4年間、学び続けることへの焦りや不安もあって。でも、宇野さんの『選んだ道を正解にする』という言葉で、遠回りかもしれないけれど、私のこれまで、これからの時間が財産になればいいかなって、思えるようになった。背中を押してもらった感じです」
――PTを目指した理由は?
「大学時代、自分も周りもケガが多くて。トレーニングも大事ですが、やっぱり身体の動かし方が左右するんじゃないかという実感がありました。何が強みのトレーナーになりたいんだろうと考えた時、動作観察ができれば、プレーヤーのかけがえのない時間を奪ってしまわなくて済むのではと思ったんです」
――こんなPTになりたい、というイメージはありますか。
「先ほどの宇野さんの言葉、『できない、ではなく、何ならできるか、どうすればできるのかを考える』に繋がるんですが……。患者さんや選手の心と身体を少しでも良く、豊かにするお手伝いができるPTになりたいと思う中で、この言葉はずっと心に留めておきたいと感じました」
――今、楽しみにしていることを教えてください。
「勉強を兼ねて、日曜日、大学時代に所属していたチームをサポートしています。学生トレーナーの後輩に自分がしてきたことを教えたり、外部トレーナーさんのお仕事を手伝っています。感覚を鈍らせないようたくさんテーピングもして。やっぱり、どうしてもバスケットボールから離れたくないんです。試合の時、ベンチには入れませんが、可愛い後輩たちが頑張っているので客席からめいっぱい応援しています」
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西本さん、谷水さん、ありがとうございました!
最後に宇野さんと西本さん、「大先輩×後輩」の2ショット写真をどうぞ。