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日常生活(ブログ)

アスレティックトレーナーコース

部谷祐紀先生の素顔に迫ります(その3)

こんにちは、履正社国際医療スポーツ専門学校 広報部Mです。

アスレティックトレーナーコースのブログにお邪魔し、部谷(ひだに)先生へのインタビューを掲載してきましたが、いよいよ最終回。部谷先生がオリンピックのボート日本代表チームのトレーナーに3度も選ばれた理由や、今後の展望についておうかがいしました。

部谷先生のプロフィールは こちら


「苦しい時間をチームと共有したからこそ、大舞台に呼ばれる」。

――部谷先生はロンドン、リオデジャネイロ、東京と、連続してオリンピックに(トレーナーとして)帯同されています。ご自身では、なぜ3度も選ばれたと思いますか。

“選ばれ続ける”努力をしたからだと思います。(ボート協会に)請われたらどんな小さな合宿や大会でも行きましたし、一番キツいと言われる強化合宿も積極的に帯同する。常日頃からボート競技に貢献する姿勢を崩さないでいました。国際大会は(トレーナーが)行きたいから行けるのではなく、“選ばれる”から参加できる。強化合宿で朝から晩まで練習してヘトヘトの選手を、トレーナーもヘトヘトになりながら必死でサポートします。苦しい時間を共有したからこそ、選ばれ続け、オリンピックという大舞台に呼ばれるのだと思います。

東京オリンピック選手村にて。日焼けで最高潮に真っ黒です。 (写真提供/部谷先生)

――これまでのトレーナー経験の中で、うれしかったことは?

ボート日本代表は長らく、オリンピックでも世界選手権でもメダルを取ったことがありませんでした。そんな中、期待されながらもケガに悩んでいた選手がいました。本人も努力家でファイティングスピリットも強い。なんとか良くしてあげたくて、ありとあらゆることを試しました。それこそ、「もうこれ以上できることはない」というところまで。そうしたら……世界選手権で銀メダルを取ったんです。本当に驚きました。本人やコーチ陣の努力ももちろんありますが、私自身もやりきった感があって。「結果につながるまでこういうプロセスでやればいいんだ」「妥協しないでやればいいんだな」、等といろんなことがわかりました。うれしかった、というより達成感に近いのかもしれません。

――今年、東京から大阪に拠点を移して、お仕事に変化はありますか。

これまでは選手やチームのサポートがメインでしたが、これからは企業や学校の健康コンサルティングや教育に軸足を置き、より社会貢献の色を強くしたいと考えています。教員の仕事もその一環です。また、スポーツの現場ではないところで、トレーナーの技術をもっと活用したいですね。

――たとえば、どんな風に?

横浜に体力測定の結果が全国平均に比べ著しく低い小学校があるんです。そこの校長先生の依頼で毎日一時間目の前に行う体操を作って実施してもらったら、保健室に来室する生徒の数が減ったり、体力テストの結果が向上してきました。経年データを取っているので、今度、論文にまとめたいと思っています。ほかには、ある会社の社員向けに腰痛を予防・緩和する運動を考案しました。その会社の業務上、腰痛が起こりやすく、それが原因で会社を辞める人もいるような状況でした。社員の方々にアンケートやヒアリングを行い、身体をサポートする運動プログラムを提案したら腰痛の数や離職率が下がったんです。

――すごい効果ですね。アスレティックトレーナーの知識・技術は、スポーツ現場以外でも必要とされますね。

人の身体を良くする、という意味ではどんな場所でも応用できます。もちろん、スポーツ業界に貢献できる素晴らしさも伝えますが、それ以外の業界でもトレーナーの技術には価値があり、汎用性が高いことを学生に伝えたいと思っています。

部谷先生、ありがとうございました!

<広報Mの取材MEMO>

部谷先生が今、好きなエンタメを聞いてみました。

「『ハイパーハードボイルドグルメリポート』という番組をNetflixで観ています。ディレクターが1人で紛争地帯やギャングエリア、カルト教団に潜入して、その人たちが何を食べているのかをレポートするんです。いわゆるヤバイ人たち、過酷な環境に生きる人たちが何を食べているのか。食を通して非日常的な人々の生活を見るのが面白い。

管理栄養士という仕事柄、『良いものを食べましょう』『この食事は健康的』といった目線から食を見るクセがありますが、この番組を観ると『生きるために何を食べるのか』『(食べたくても)これしか食べられない』といった、もっと根源的な嗜好や社会背景が絡んだ視点を得られる。『食』って面白いなぁと思うんです」。

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