少し前のお話になりますが、先日脊髄損傷専門トレーニングジムであるJ-Workout株式会社 大阪スタジオの上田智樹さんをお招きし、脊髄損傷の概要や実際についてお話していただきました。

講義の中では脊髄損傷によって歩行が困難になった方々に対するトレーニングや支援についてお話しいただきました。上田さんには昨年もご講義をいただいており、病院で「歩くことは難しい」と言われた方が、継続的なトレーニングによって再び歩行を獲得しておく事例には、何度聞いても人間の持つ可能性の大きさを感じます。

今回改めて印象に残ったのは「歩けるようになること」がゴールではないという考え方です。
歩けるようになることを目指しながらもその先にある「歩いて何をしたいのか」を大切にする。世界一周をしたい、家族の結婚式に歩いて参列したい、大車輪が出来るようになりたいなどその人自身の目標を立ててそれに向けてトレーニングを行っていらっしゃるクライアントさんの姿を紹介していただき、私たちが治療を考える上でもとても大切な視点であると感じました。
治療においても例えば痛みをなくすことだけを目標にすのではなく「痛みがなくなったら何をしたいのか」「どのような生活を送りたいのか」を見据えることが本当に患者さんのための医療につながると思います。今回の講義を通して、そのことを改めて再認識することが出来ました。
また、すべての方が完全に歩けるようになるわけではありません。しかし、トレーニングを続ける中で新しい目標や夢を見つけ、別のことにチャレンジするようになった方のお話も紹介していただきました。身体機能の改善だけではなく、その方の人生そのものがより良い方向へ進むきっかけになっていることに、リハビリテーションの持つ価値の大きさを感じました。
実技では、足を使わずに腕の力だけで椅子から椅子へ移乗する体験も行いました。

普段は無意識に行っている動作が、実は多くの身体機能によって支えられていることを学生たちも実感できたのではないかと思います。
昨年に続いて講義を聞かせていただきましたが、脊髄損傷に対する理解を深めるとともに、改めて「その人が何をしたいのか」という目標に向かって「人生に寄り添う」ということの大切さを感じる機会となりました。学生たちにとっても将来患者さんと関わるうえで大切にしたい視点を学ぶ貴重な時間になったと思います。
上田さん、この度は貴重なお話をありがとうございました。







