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【vol.3/最終回】柔道整復師×野球指導の二刀流! 卒業生・小林晃徳さんインタビュー

こんにちは、履正社国際医療スポーツ専門学校 広報Mです。
全3回でお届けしてきた柔道整復学科の卒業生・小林晃徳さんインタビュー、最終回です。

本校を卒業後、スポーツ外来で有名な病院に入職した小林さん。6年半の勤務を経て、ついに自身の治療院を開業することに。そのきっかけや、新たにスタートした野球教室についても伺いました。

小林さんプロフィール&vol.1はこちら
前回の記事(vol.2)はこちら

最新医療とグラウンドをつなぐ存在になれたら。

――それでは、前回の続きから。小林さんは富田浜病院で6年半の勤務を経て、自身の治療院『あかほり接骨院』を開業されました。独立のきっかけを教えてください。
「前回お話したように、研究論文を読むうちに、野球動作が向上する最新のエビデンスにたくさん出合いました。でも、そういった情報はグラウンドにはなかなか落ちてこない。それで、最新の医療情報と野球現場をつなぐ存在になれたら……と、考えるようになったんです。効率よく身体を動かせるようになれば、野球も上手くなるし、ケガの予防にもなりますから」

――小林さんの治療院はスポーツ障害、特に野球を得意としていますね。
「野球関係の利用者は全体の6割ぐらいで、小中学生が多いです。開院以来ずっと通ってくれていて、高校生になった子も増えてきました」

――今日、高校生の利用者さんの治療を拝見しました。「(NYメッツの)千賀投手のステップが……」など、雑談を交えながら進めていましたね。
「今はメジャーリーグの試合も配信等で観られるようになり、中高生は国内外のプロ選手の野球動作をよく知っています。あのフォームをやってみたい、というような相談もよく受けますが、できるかどうかはまた別で。身体的特徴や野球レベルによって合う、合わないがあるんです」

――では、いろんな選手の野球動作を知っておかないといけない?
「はい。野球動作にも流行りがあって、そこはちゃんと押さえておきたいんです。治療面に限らず、『あそこに行けば、野球のことは何でも答えてくれる』と頼ってほしいというか。だから野球関連の最新情報も、積極的に収集しています」

――試合もよく観ているんですか。
「プロの試合に限らず、YouTubeで中高生の試合中継とかもよく観ています。地方予選が始まったら、施術の合間にチェックするのでめっちゃ忙しいです(笑)」

――試合から得た情報を、治療や指導に役立てることもあるんでしょうか。
「ありますよ。たとえば今年の春の甲子園は横浜高校が優勝しましたが、主力で活躍していたピッチャー2人の投球動作がすごく良くて。ステップにいくまでの軸足の使い方が理想的なので、『ああいう使い方をしたほうがいいよ』とアドバイスしたり。身体の使い方をいくら言葉で説明しても、実際に目で見ないとイメージできない子もいて。なので、お手本にしてもらうための教材にしています」

――アドバイスの参考資料にするわけですね。
「答え合わせじゃないですけど、根拠を持たせるために『ほら、この人もやってるでしょ』と見せる時もあります。僕が細かく説明をしていると、たまに『ほんまかよ』って顔をする子がいるんですよ(笑)。感覚で喋ってるんじゃないかって。でも、プロ球団や、高校野球で活躍している選手が実際にやっている動画を見ると納得、理解してくれる。やっぱり本人が理解しないと、いい動作にはつながらないので。そこは工夫しながらアドバイスしています」

小林さんが2023年に立ち上げた野球教室「あかほりベースボールアカデミー」。小中学生が対象で、パフォーマンスアップにつながる身体作りや、曜日別でバッティングとピッチングのレッスンを行っています。

目の前に突然現れた、野球指導者への道。

――2023年、治療院と並行して、野球教室「あかほりベースボールアカデミー」をスタートされました。立ち上げのきっかけは何だったんですか。
「治療院で、投球やバッティング指導も行ってはいるんです。ただ、実際のバットやボールを使って大きく身体を動かしたり、走ったりするには広さが足りない。いつかスクールをやってみたい、という夢はありつつ、すぐに形にはできない状況でした。そんな中、治療院の患者さんの親御さんに『経営している養豚場を閉めようと思っている。野球の施設に作り変えたら、何かやってもらえますか?』と、声をかけていただいたんです。もちろん、『やります!』と即答しました」

――やっと、「野球を教える仕事」に就けたわけですね。
「はい。毎日、野球漬けの生活ができ、理想に一歩近づけました。医療の知識も身につけた今だからこそ、昔の自分が欲しかった『野球が上手くなり、かつ、ケガをしない身体の使い方』を、子どもたちに届けられています」

――治療家(柔道整復師)と野球指導者、ふたつの顔を持つことは、ほかにどんなメリットがありますか。
「野球技術の向上、ケガのサポート、競技復帰まで一貫して関われることです。また練習施設、病院、野球チームといったさまざまな場所、関係者と連携ができるのも、うちの強みかなと。野球選手とたくさん出会えるのも楽しみのひとつです。選手が所属するチームの試合結果を聞いたり、『こんなすごい選手が県内にいる』といった、数多くの野球情報が集まってきます。もしかしたら監督や選手以上に、僕の方が情報を持っているかもしれません(笑)」

――野球を教える中で、どんなときにやりがいを感じますか。
「プレーがうまくいかなかったり、ケガをしてしまったり。マイナスの状況に陥った時は一緒に悩んで、解決法を考えます。そんな時間を共有した後、『この前の試合でヒットが打てた』『勝てた』などと報告してくれた時はすごくうれしいですね」

――今後の目標や夢を教えてください。
「僕の治療院、野球教室を利用してくれる子には、『プロ野球選手になったら、うちの宣伝してね。ここで野球を教えてもらったから上手くなったって、ちゃんと言ってね』、ってお願いしています(笑)。僕にとってはそれが最高の瞬間です」

――子どもたちに、プロになってほしいという想いがあるんですね。
「どの子も本当に頑張っているので。とはいえ、プロに行けるのはほんのひと握り。だからこそ、野球を好きになってほしいし、嫌いになってほしくない。そこも大事にしています。今は三重県内に、『プロ野球選手の種』をまいている感じです」

小林さん、ありがとうございました!

柔道整復師って、どんな仕事? 小林さんのお仕事紹介はこちら(RISEISHA仕事図鑑)
柔道整復学科の紹介はこちら

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