Judo Therapist
柔道整復師
働くところ
・接骨院(整骨院)
・病院
・クリニック
・スポーツチーム
ジャンル
・医療
・スポーツ
目指す資格
・柔道整復師
どんな仕事?
古くから「ほねつぎ」「接骨師」として知られ、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(肉離れ)といった症状に対し、整復や固定といった「柔道整復術」で処置を行います。また、マッサージなどの手技療法で筋肉や関節の回復を助けます。症状によっては医師、病院との連携をはかり、地域医療の一端を担います。
どんな風に働くの?
接骨院(整骨院)や病院、整形外科クリニックなどが主な勤め先になります。高齢者向けの介護福祉施設などで治療やケアにあたる場合や、スポーツチームの専属トレーナーとして活動する人も近年、増加しています。また、開業権が与えられるため、経験を積んだ後、自身の治療院を開業するケースも多くみられます。
どんな知識、経験が必要?
厚生労働省が実施する「柔道整復師国家試験」に合格しなければ、柔道整復師として働くことはできません。また、この受験資格を取得するためには、文部科学省に認定された大学や専門学校を卒業する必要があります(3年以上)。柔道整復の技術だけでなく、解剖学や生理学といった医療知識も必修となります。
資格について
必須資格である柔道整復師のほかに、鍼灸接骨院開業を視野に入れ、「はり師・きゅう師」の資格を持つ人が多くいます。また、スポーツチームのメディカル部門で働く柔道整復師は「日本スポーツ協会公認アスレックトレーナー(JSPO-AT)」資格を持っていることが珍しくありません。
卒業生に聞きました
小林 晃徳さん
2014年柔道整復学科卒業
1987年、大阪府生まれ。近畿大学出身。大阪桐蔭高校野球部時代、夏の甲子園大会でベスト4の戦績を残す。大学卒業後、一般企業勤務を経て本校柔道整復学科に入学。2014年、三重県四日市市にある富田浜病院へ入職。6年半の勤務を経て、同地に自身の治療院「あかほり接骨院」を開業する。
これまでの道のり
本校入学前
小学6年生で野球をはじめる。2005年、平田良介、辻内崇伸選手らと共に、夏の全国高校野球選手権大会に出場。主将および3番バッターを務め、大会ベスト4の戦績を残す。大学卒業後、一般企業へ就職するも、「やっぱり野球に関わりたい」と退職。高校時代の恩師を訪ね、今後を相談したところ、「柔道整復師は、多くの野球トレーナーが持っている資格だよ」と紹介され、本校柔道整復学科への入学を決める。
本校での
学生時代
それまで野球一筋だったため、勉強にはひと苦労。「入学1年目は毎日、頭がパンク寸前だった」とか。教員との関わりの中で、野球に特化した治療院の存在を教えてもらう。これが、自身の開業ビジョンのヒントになった。
卒業後・
現在
本校卒業後、三重県四日市市の「富田浜病院」へ就職。スポーツ整形に強く、日々勉強し、医療知識をアップデートするのが当たり前の職場環境だったため、多くの研究論文やエビデンスに出合う。「こんな有益な情報、グラウンドまでなかなか届いてこない。最新の医療情報と選手につなぐ存在になれたら」と、6年半の勤務の後、独立を決意。「あかほり接骨院」を開業する。また、2023年に少人数制野球教室「あかほりベースボールアカデミー」をスタートさせる。
仕事の流れを教えてください
8:00
出勤。まずは掃除や電気治療器のメンテナンス、レセプト(診療報酬の明細書)の記入、予約確認などを行います。その後、治療プランを考えたり、医療論文を読み情報収集をすることも。
9:00
治療開始。1日平均で15名ほどの予約が入ります。小林さんの接骨院はスポーツ障害治療が得意で、体幹トレーニング、投球動作指導なども行っています。野球教室がない日は、治療院は20時まで。
15:30
火曜と水曜は、自身が代表を務める「あかほりベースボールアカデミー」のレッスン準備に向かいます。小中学生を対象にした野球教室で、技術の向上だけでなく、身体の使い方なども指導します。
17:45
小学生の野球レッスン開始。火曜はピッチング、水曜はバッティングに特化したメニューが行われています。中学生のレッスンは19時スタートで、20時半に終了。
どんな人と関わりますか?

「患者さんの年齢層は幅広いですが、スポーツ障害の治療が得意なこともあり、小・中学生がよく来院してくれます。そのため、保護者の方との関わりは多いですね。また、患者さんが所属する野球チームの監督・コーチから、選手の身体の相談を受けることも。ほかに、治療の相談で整形外科の先生と連携を取ることもあります。野球教室の活動も同様に、利用者とその保護者の方と関わります。接骨院・野球教室の経営者としては、信用金庫の担当者やSNS運用のコンサルタントとも定期的に会っています」
履正社での学びで、今、活かされていることは?
「一番印象深いのはアメリカ研修です。御献体(解剖学の教育・研究のため提供された献体のこと)を間近で見られた経験は本当に貴重で。身体の構造がはっきりとわかり、その後、治療のイメージがしやすくなりました。また、僕と同じように野球に特化した治療院を展開している同級生がいて、よく情報交換をしています」
柔道整復師として心掛けていることは?
「どの治療院へ通うか。お客様は最後、『人』で選ぶと思うんです。ですので、『人としての魅力、実力』がすべてだと思っています。来ていただいた方に、何かしらのプラスを与えられる柔道整復師を目指しています。痛みがなくなった、パフォーマンスが上がった、良い情報をもらえた……。たくさんのことを提供できるよう、日々、勉強しています」
治療院を経営するにはどんな努力、スキルが必要ですか。
「治療家としてのスキルはもちろんのこと、集客のための努力も必要です。今ならSNSの運用も重要だと思います。僕自身、週2回の投稿を目標にリール動画をアップしています。編集作業は大変ですが、Instagramを見て来ていただく方が少しずつ増えてきました」
柔道整復師を目指す人にメッセージをお願いします。
「柔道整復師は、患者様の身体を向上させるため、日々の研鑽が欠かせません。さらに独立開業となると常に勉強、情報収集が必要で、大変なこともたくさんあります。一方で、患者さんから直接、感謝をいただける仕事でもあります。『すごく良くなった』『できなかった動作ができるようになった』などの言葉が、一番の励み、やりがいになります」
写真/倉科 直弘 文/履正社広報部
※肩書き、インタビューの内容は取材時のものです。
ダブル・ラーニング制度
「ダブル・ラーニング制度」は、学科やコースの垣根を越えて複数の専門分野を同時に学ぶことのできる、履正社独自の履修カリキュラムです。







