三月も下旬を迎え、季節はゆっくりと春へと移ろい始めています。
それぞれの一年が終わりに近づき、同時に、新しい歩みの準備が始まる時期となりました。
この時期は、どこか心が整っていく感覚とともに、これから先に訪れる変化に、静かに向き合う時でもあります。
「浅田真央さんのようになりたい」――そんな思いからスケートを始めた中井亜美選手は、十七歳で初めてのオリンピックに出場し、銅メダルを手にしました。
中井選手は小学生の頃、浅田さんのスケート教室に参加し、「絶対にあきらめない」とノートに書いていたそうです。
その言葉は、自分自身を支えるためのものでありながら、同時に、誰かから受け取った想いの表れでもあったのかもしれません。
誰かの姿や言葉に心が動く。
その瞬間から、何かが静かに始まっていきます。
新しい年度を迎えるこれからの時期、多くの出逢いが生まれていきます。
はじめて出会う人もいれば、これまで関わってきた人の中に、あらためて新しい一面を見つけることもあるでしょう。
ふと心に響く瞬間があります。
友だちの一言であったり、先生の姿であったり。
そのときに感じたものは、言葉にならないままでも、心のどこかに残っていきます。
そしていつの間にか、自分の歩みの中に静かに溶け込んでいく。――そんなことがあるように思います。
大谷翔平選手は、メジャーリーガーと戦う前にこう語ったそうです。
「憧れるのをやめましょう!」
憧れのまま見上げているだけではなく、その存在から何かを受け取り、自分の中で形にしていく。
そうしてはじめて、その憧れは、自分の力へと変わっていく主張だと、思います。
「人は、自分の魂を動かす誰かと出逢い、その魂を次の誰かへと手渡していく」。
出逢いとは、きっとそういうものだと思います。
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【参考資料】
中井亜美選手
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9700928d8e49281d6cace21312c2394c6f4d697







