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理事長だより

Vol.22 「力を集めて」

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

令和3年丑の年、本学園は履正社高等学校サッカー部の「第99回全国高校サッカー選手権大会」出場で幕が開きました。6年ぶり3度目の出場で全国制覇に挑みます。(本稿は令和3年元旦記載)。

「大阪は熱心な指導者が多くて、そのバトンを受け継いでいるのが我々。皆さんが育てた選手が“これぐらい頑張っていますよ”というのを見せたい。日本一を目指したい!」とチームを率いる平野直樹監督はインタビューで語っていました。保護者やOBの方々、幼少期から選手たちを育てて下さった指導者の方々、対戦校のみなさんにも鍛えられ、応援してくださる多くの方々のお蔭で全国大会という晴れ舞台に立てました。また、新型コロナウィルスが問題となるなか、大会を運営してくださる主催者・スタッフの皆様、サッカーに青春をかける高校生たちに選手権大会の夢をかなえてくださった関係する全ての方々に、心から御礼を申しあげます。

昨年11月に行われた金光大阪高等学校との大阪予選決勝戦、私もヤンマースタジアム長居へ駆け付けました。1対0の接戦で本校が勝利できました。そのとき感じたのですが、試合中にボールがタッチラインを越えても「マイボール!」と双方の選手とも声高に主張しないんですね。最終的にボールにタッチしたプレイヤーが誰かは、本人も周りも判っているので、互いの選手たちが早々に自分の持ち場に散って、当たり前のように次のプレーが再開する。そんな姿になんとも清々しいものを感じました。「フェアプレイ」「ルール、マナーを守る」「リスペクトする」これらのことは、いま世界中が抱える新型コロナウィルス対策にも根本的に通じるものです。「マスクをする」「手洗い消毒の徹底」「換気」「密を避ける」「飲食時に大声会話しない」など、自分はもちろんの事、家族や仲間を守るためにも、今私たちにできることを一人ひとりが自覚を持って、当たり前のように行わなくてはなりません。

私の部屋の前に大きなマンションがあるのですが、先日、外壁の塗装工事があって20人くらいの職人さんが足場を組む様子を何気なく眺めていました。最初の5日ほどで全面的に足場が組み上がり、最後の5日ほどですっかり足場が解体されました。そのスピーディで見事なチームワークに「おおー!すごいなあ」と感心した次第です。職人さんたちは実にてきぱきとした動きで、あれよ、あれよと言う間に足場を組み、どんどん作業を進めていくのです。ひとつリズムが崩れると止まってしまうような作業を阿吽の呼吸でそれぞれの持ち場の仕事、役割をこなしていく。見事なチームプレイの様子に思わずうなりました。

「今自分がなにをすべきかが分かっている」。一人ひとりがそんな思いで、目標に向かってつながったとき、うまくいく気がします。工事現場とサッカーの試合、状況は異なりますが、通底するものを感じました。様々な場面で能力と責任感を持ったひとが集まり「力を集める」。それができたとき成功するのだと思います。

本校サッカー部の初戦は1月2日の2回戦から。千葉県市原市のゼットエーオリプリスタジアムで新潟県代表の帝京長岡高等学校と対戦します。2年前卒業し、昨年の6月に亡くなったサッカー部OB、野口天葵さんの背番号10番のユニフォームも会場に持ち込み、大阪予選から一緒に戦っていると聞きました。今大会は入場制限があるので、会場で自由に応援することはできませんが、全国大会ができることがまず幸いなことです。晴れの舞台に立てる喜びを胸に、履正社旋風を巻き起こし、チーム一丸となってトロフィーを手に凱旋することを祈っています。

「力を集めて」。ともに歩んでいきましょう。そして令和3年がみなさんにとっていいことが沢山ありますように願っています。

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