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理事長だより

vol.47「常に前向き」

冬の晴天の日、履正社高校サッカー部の全国選手権大会での戦いを応援するため、東京へ行く新幹線に乗りました。静岡を越えた辺りの車窓から真っ青な空に、雲ひとつない富士山がくっきり見えました。何だかとても清々しい良い気持ちになり、思わずカメラに収めました。日本が世界に誇る富士山、やはり美しい。その姿は心に来るものがあります。全国には北海道の羊蹄山を蝦夷富士、香川県の飯野山を讃岐富士と呼ぶなど「〇〇富士」の名が数多くあります。まさに天下の名山の存在感を感じます。

富士山を見て思いを巡らす人は昔から多くいるようです。「経営の神様」と言われる松下電器産業(現パナソニック株式会社)の創業者、松下幸之助氏もその一人。富士山を次のように例えています。「富士山は西からでも東からでも登れる。西の道が悪ければ東から登ればよい。東がけわしければ西から登ればよい。道はいくつもある」と言い、「深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみるがよい。それで悪ければ、また見方を変えればよい。そのうちに本当に正しい道がわかってくる」と語っています。

2月は、中高生にとっては高校・大学への入試、専門学校生には国家試験・資格試験の時期です。全員思い通りの結果になることを願うばかりですが、もし万が一残念な結果になったら、富士山を登る道がいくつもあるように、いろんな方法が世の中にはある。その時に感じたことをバネに、「常に前向き」の視野で、次のチャンスを掴んで下さい。人間は可能性の塊ですから。

前述の松下幸之助氏の言葉は自著「道をひらく」に記されています。この本を愛読している一人が昨年行われた サッカーワールドカップ日本代表の田中碧選手。あのスペイン戦で決めた逆転ゴールは素晴らしかった。予選リーグは1位突破したものの残念ながら次のクロアチア戦で負けましたが、4年後に向けて「化け物になる」と目標をあげているそうです。あのピッチには、履正社高校出身の町野修斗選手もベンチに入っていました。今回は目標突破という富士登山は叶わなかったけれど次こそは、と意を決していると聞きました。「常に前向き」。かっこいいですね。

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