訪問リハビリと聞くと、家で体操をする時間を想像するかもしれません。もちろん運動も行いますが、実際の台所や居間で、本人が続けたい生活を確かめられることも大きな特徴です。例えば、「自分でお茶を入れたい」という希望なら、お茶を入れるために必要な動きを一つずつ見ていきます。
椅子から立ち、台所まで歩き、棚の湯飲みを取る。お湯を注いで、持って戻る。短い家事にも、立ち上がり、方向転換、手を伸ばす、物を持ちながら歩くなど、いくつもの動作が含まれます。湯飲みを持つと杖が使えなくなるなら、歩く力だけを練習しても困りごとは残ります。
理学療法士は、股関節や膝の動き、立つときの足の位置、立ったまま手を動かす際のふらつきなどを確認します。棚へ手を伸ばすときに体が傾きすぎないか、方向を変えると足が追いつかないかも見ます。痛みや疲れ、本人が怖いと感じる場面も、動作を考える重要な情報です。
必要に応じて、椅子から立つ練習や重心を移す練習、短い距離の移動を組み合わせます。一方で、湯飲みを低い棚へ移す、配膳する位置を近づけるなど、環境を変える方法もあります。運ぶ手段や道具は、家の広さや体の状態に合うかを確かめて選びます。熱い物を使う前に、安全な条件で確認することも欠かせません。
家族がすべて代わりに行うか、本人が全部頑張るかの二択ではありません。お茶を選んで注ぐところは本人が行い、運ぶところは家族へ頼むなど、役割を分ける方法も考えられます。何を自分でしたいのかを聞いて、支援の形を相談します。
地域の訪問リハビリでは、医師やケアマネジャーなどと連携し、こうした生活上の目標を共有します。利用には条件があるため、まず主治医や担当者へ相談してください。
「脚の力をつける」を、本人の暮らしの言葉に置き換えると何になるのか。いつもの台所でその答えを探せることが、家で行うリハビリの強みです。

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