◎日本と北欧の移乗技術ってこんなに違う!
今日は、授業で学んだ 「移乗介助」 について、日本と北欧(ノルウェー)を比べてみました。
リハビリや介護の分野を学んでいる人はもちろん、「へぇ〜!」と思える内容も多いと思います。
日本の介助、実はけっこう“キツい”
日本では、介助者の腰痛が大きな問題になっています。
国の指針では「自分の体重の1/4まで」に抑えるのが理想とされているけど、実際の現場では利用者の動きや体重によって、どうしても負担が大きくなりがち。そして、どうしても “抱え上げる介助” が多いのも現状…。
これが日本の介助者の腰痛率を高めてしまう大きな原因なんです。
移乗方法を選ぶときの4つのポイント
移乗を考えるときは、次の4つを押さえるのが大事だと学びました。
- 利用者の状態(動ける範囲・筋力・意識など)
- 介助者のスキルや体格
- 環境(スペース、ベッド・車椅子の位置など)
- 福祉用具の有無と使い方
この4つがそろって初めて、「安全で・楽で・効率的な」移乗ができるんだなと、実習で実感しました。
北欧(ノルウェー)は“持ち上げない介護”が常識
ここが一番びっくりしたポイントです。
ノルウェーでは、利用者をできるだけ“持ち上げない”ことが基本ルールなんです。
1. 自然な動きを活かすってどういうこと?
「ナチュラルパターン・オブ・ムーブメント」という考え方があって、
利用者が持っている 自然な動き・重心の移動・タイミング を引き出しながら介助します。
力で持ち上げるのではなく、一緒に動く感覚に近いです。
2. マニュアルリフティングは禁止
利用者を物みたいに抱え上げる「マニュアルリフティング」は基本NG。
“リフティング(物を持つ)”と“トランスファー(人を移す)”は全然違うものとして扱われています。
3. 福祉用具は当たり前に使う
困ったらリフトを使う。
スライディングシートやボードもよく使う。
つまり 用具を使うのはズルでも手抜きでもなく、むしろ安全で正しい方法!
これが徹底されているから、北欧では介護者の腰痛がほとんどないそうです。
実習で福祉用具を使ってみたら…
実際にスライディングシートや介助ベルトを使ってベッドから車椅子への移乗を練習してみたら、 びっくりするくらいスムーズに移乗できていました。
ただし、難しいところもあって…
- 利用者との 体格差 が大きいとうまく立ち位置を調整できない
- 介助ベルトを“ズボンみたいに持ち上げる”誤った使い方をする施設もある
など、正しい知識と練習が絶対に必要だと感じました。
最後に:日本の介護も、もっと“持ち上げない方向”へ
今回学んで感じたのは、日本でも福祉用具をもっと上手に使えば、介助者だけでなく利用者にとっても安全な介助ができるということ。
ノルウェーのような「持ち上げない介護」が広がれば、
- 腰痛の予防
- 利用者の尊厳の保持
- 効率的な介助
そのすべてが実現できるはずです。
これからも臨床現場では、“力じゃなくて技術と知識で移乗する”という意識を大切にしていこうと思います。

理学療法士を目指すなら!履正社の理学療法学科ってこんなところ✨
「理学療法士ってどんな仕事?」「履正社の理学療法学科ってどんな雰囲気?」
そんな疑問を持ったあなたへ!☞【理学療法学科の魅力をもっと知る】はこちらから
「理学療法学科の学生って、どんな1日を過ごしてるの?」
授業・実習・放課後まで、リアルな学生生活をのぞいてみよう!







