CLOSE

BLOG

日常生活(ブログ)

柔道整復学科

映画に集中しながらもポップコーンを口に運べるのはなんでや?【解剖生理おもしろ雑学帳Vol.20】

こんにちは、教員の青木です。

実は大の映画好きで、時間ができれば、時々映画館に観に行きます。

映画館に入ると、ポップコーンの香りが漂ってくることがありますよね。
ポップコーンを食べながら映画を楽しむ人も多いですが、お腹がすいているときは、漂ってくるその香りが気になって映画に集中できなくなることもあります(笑)。


ところで……
映画館でポップコーンを食べている人を見ていて、ふと思ったんやけど、スクリーンから目を離さず、映画に夢中になったまま、膝の上にあるポップコーンの箱に手を伸ばし、ひとつつまんで口に運んでますよね。
ポップコーンの場所も見てへんし、手がどこを通っているかも見てへん。それやのに、ちゃんと口まで運んでる……。

これ、よう考えたら、なかなかすごいことやと思えへん?
実は、これには「固有感覚」という、身体の位置や動きを感じ取る仕組みが関係しているんです。

ちょっと実験してみましょう。

まず、目を閉じて、人差し指で自分の鼻の頭を触ってみてください。
次に、両手の人差し指を目を閉じたまま近づけて、指先同士を合わせてみましょう。

どうですか?

目で確認せんでも、指がどこにあるのか、どの方向に動いているのか、なんとなくわかりますよね。
これは、身体が目からの情報だけに頼っているわけやないからです。

私たちの身体には、筋肉や腱などから得られる情報をもとに、手足の位置や動きを感じ取る仕組みがあります。こうした感覚を「固有感覚」といいます。さらに、皮膚から得られる圧力や伸びなどの情報も、身体の位置や動きを把握するための大切な手がかりになります。

固有感覚に関係する代表的なセンサーには、次のようなものがあります。

① 筋紡錘
筋肉の中にあるセンサーです。筋肉がどれくらい伸びているか、どれくらいの速さで伸びているかなどを感じ取っています。

② ゴルジ腱器官
筋肉と腱の移行部付近にある感覚受容器です。筋肉が発揮する力などに伴って腱に生じる張力の情報を感じ取っています。

③ 皮膚などの感覚受容器
皮膚に加わる圧力や伸びなどの情報も、手足の位置や動きを把握するための手がかりになります。

こうした情報は神経を通じて脊髄や脳に伝わり、視覚や前庭感覚などの情報とも組み合わされます。その結果、私たちは自分の身体がどんな状態にあるのかを把握し、状況に応じて動きを調整できるんです。

つまり、目を閉じていても指の位置がわかるのは、身体の中や表面から、さまざまな情報が送られているからなんやね。

ほな、映画に集中しながら、ポップコーンを口に運べるのはなぜか?

手や腕がどこにあるのか、どの方向に動いているのか。そうした情報を、固有感覚などを通じて感じ取っているからです。
さらに、私たちはこれまで何度も、手を口に運ぶという動作を繰り返してきました。
その経験をもとに、脳や神経系が動きを調整してくれるので、毎回「まず肘を曲げて、次に手首を動かして……」なんて考えんでも、自然に動作ができるんです。
せやから、映画のストーリーを追いながらでも、手はちゃんとポップコーンをつまみ、口まで運んでくれる。

いやぁ、身体って、ほんまにようできとんね!


この固有感覚、実はスポーツや治療の現場でもめっちゃ重要なんです。
たとえば、ケガからの回復を目指す後療法(リハビリ)では、筋力や関節可動域だけでなく、身体の位置や動きを適切に感じ取れるかどうかも大切なポイントになります。
また、スポーツでの動作の安定性や、関節の位置を把握する能力などにも、固有感覚が関係しています。

柔道整復師やトレーナーを目指すみなさんには、筋肉の力や関節の動きだけでなく、「身体が自分の状態をどう感じ取っているのか」という視点も、ぜひ大切にしてほしいと思います。

身体の仕組みを知ると、何気なくやっている動作にも、いろんな発見があるもんですね。

こんど映画を観に行ったときは、ポップコーンを食べてる人が気になりすぎて、肝心の映画のストーリーを見逃してしまわんように気をつけてやぁ(笑)。

ほな、また次回!

🎃【筋の張力を感知する受容器は?】🎃

前の記事 記事一覧 次の記事
オープンキャンパス 資料請求 LINEで相談