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柔道整復学科

実は骨じゃない?喉仏の正体 【解剖おもしろ雑学帳Vol.6】

こんにちは、教員Aです。

火葬場でのお骨拾いでは、最後に「これが仏さんです」と言われて骨壺に納められる骨があります。
それが“喉仏(のどぼとけ)”
でも、実はそれ――本当の意味での喉仏ではないんです。



世間一般に言われている喉仏は、喉の真ん中にある「甲状軟骨(こうじょうなんこつ)」の出っ張りのこと。
この部分、実は軟骨なので火葬すると跡形もなく燃えてしまいます。

では、火葬場で見せられる“喉仏”の正体は?
実は、「首の骨の一部(第二頚椎の歯突起)」なんです。
よく見ると、まるでお釈迦様が座禅しているような形をしていて、「立派な生き方をされたから、こんな美しい形で残ったんですよ」と言われたりします。火葬後、人間が骨になった時、喉の下あたりに第二頸椎が転がっている訳ですから、この骨を勘違いして「喉仏」と呼ぶようになったのではないかと思われます。



男性に喉仏が目立つのは、思春期に男性ホルモンの影響で軟骨が大きくなり、喉が前に突き出るから。
女性にも喉仏はありますが、小さいので目立たないだけです。

ちなみに、英語では“Adam’s apple(アダムのリンゴ)”
「アダムがリンゴを喉に詰まらせた」という聖書の話が由来です。

日本の「喉仏=仏様の骨」という考え方は、火葬が主流の日本ならではの発見であり、興味深い文化ですね。

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