こんにちは、T▽Tです。
先日、兵庫県北部にある養父市の基幹病院でセミナーを受けて来ました。
柔道整復師こそ“地域医療”の一翼で活動する国家免許。
以下はセミナーの概要です。真の地域医療の使命に気づいて下さい。
兵庫県北部は「但馬地方」と呼ばれ、最大都市は豊岡市。‘やぶ医者’という語句発祥の地、養父市など3市2町で構成されている。面積は県全体の1/4だが、人口は1/30。17万人しかいない。現在すでに高齢化比率は30%を超え、全国平均の20年先の姿だ。そしてこの地域の高齢化率は2040年には約50%になり、このままでは地域は破綻してしまう。
北は日本海に面した豪雪の過疎地域、南は温暖な瀬戸内気候の人口密集都市であり、気候条件も含めて日本の将来の縮図だと言われてる。
但馬地方に民間病院は無い。赤字になるのが確実だからだ!県立病院もない。公立の組合立病院が3つあるだけ抱える問題も多い。分かりやすく説明すると、大阪府に尼崎市と西宮市を加えた人口は約1,000万人いるが、この面積に17万人しか住んでいない。公立病院3つ、限界集落、医師も看護師も最低人数でのやりくり。想像すると何が問題となるか、おわかりでしょう。
一つの表れとして、但馬地方は救急車の出動率が高い。救急車の乱用で、真の救急患者に対応できないという問題が報告されているが、ここ但馬地方には他に方法がない。軽トラを運転するじいちゃんが病気になると、タクシーを呼んでも30分や40分しないと来ない。まして、雪の季節になると断られる事もある。
ある日、狭心症を発症した80才の男性は、医者の質問にこう答えた。
『このままでは心筋梗塞につながる可能性が高く、姫路か神戸の高度救急病院へ搬送しましょう。』
「先生すぐに帰れるのか?」
『手術が必要になり、少なくても1ヶ月は戻れません。』
「なら、わしゃあ、いかん。畑も、ばあちゃんの事も気になる、これまでのように軽トラで通院する。この地域から離れるのはいやじゃ、家から通えるようにしてくれ。」
『しかし、命の保証はありません。』
「都会の病院へは行かない、死んでも構わん。この地域におる」
一次医療という地域医療の姿。TTは重症患者を二次医療、三次医療へつなぐ役割が第一と考えていた。しかし、本当の役割はその人の希望や生きがいを尊重し、対応する事。この男性は、自宅で暮らしながら療養する事を希望している。この男性だけでなく、この地域ではほとんどの人がその思いを持っているという。二次医療を担う病院と、地域の開業医や訪問看護、訪問介護などが連携を組み、患者さんを包括して取り組まなければならない。
柔道整復師は、骨折や脱臼でも手術や入院することなく、保存療法で通院し、治療できる技術を持っている。
地域医療の使命。柔道整復師には間違いなく得意の分野だ。地域包括ケアシステム、もっと推進を。







