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外国語学科

「優勝!」中矢健太の留学記㊳

 こんにちは。今年の3月まで学生として外国語学科に所属していた、中矢健太と申します。今年の2〜3月、外国語学科の留学プログラムの一環として、オーストラリア・ゴールドコーストのボンド大学ラグビークラブウィメンズチームでコーチとしてインターンシップをしていました。 今、チームはプレーオフを迎えており、コーチ陣が声をかけてくれたため、8月19日から31日までチームに帯同しています。

 ついに土曜日になりました。女子チームの決勝です。この日のために、オーストラリアに帰ってきました。

 早めに現地へ到着して、選手たちが来るのを待っていました。選手がバスを降りてくると、それぞれが引き締まった表情をしていて、良い緊張感が流れていました。

 この日のロッカールームは実際の国際試合などで使われるもので、それぞれのロッカーにはワラルーズ(オーストラリア女子代表)のロゴも入っており、選手たちからは嬉しそうな表情が。ただ、ボンドはこれで4年連続の決勝進出なので、チームの中のお姉さんたちは慣れた様子でした。(笑)

 ウォーミングアップでは、最初にダンスの時間が3分ほどあります。この日、ケガでやむなく欠場を強いられたプロップの主力選手・ディナが、巨大スピーカーを持ち上げながら大音量の音楽とともに陽気に踊っていて、緊張が緩やかに解けていくようでした。最高の雰囲気でアップは終了し、再度ロッカールームへ。

 その後、ドレスチェンジが終わると、コーチ陣も中へ。実質チームのナンバー2であるアシスタントコーチ、セツのペップトークは激しく鼓舞するような内容で、選手の何人かは感激して涙を流していました。直後、キャプテンのエリーシアが締めて「いくぞ!」となったタイミングで、チームのDJ担当を務めるザラが絶妙な音楽を流し、ロッカーは勝負への熱気で溢れました。

 試合は序盤から相手チーム・ウエストに押されます。ウエストはアイランダーの選手が多く所属しており、強力なフィジカルで押し込んでくるのが特徴。前半20分まで、完全に相手ペースで、ボンドの選手、ベンチからは焦りが漂い始めました。

 しかし、ここでヘッドコーチのローレンスが仕掛けます。選手交代は後半から行うことが一般的ですが、前半20分ごろに司令塔のポジションへザラを投入。彼女は幼い頃からサッカーをやっていた影響で、キックのセンスは抜群です。流れを断ち切るために、私も「ザラ、早く来い」と思っていたので嬉しくなりました。

 すると、面白いように流れが変わります。ザラの長距離キックで相手を背走させる回数が多くなり、身体の大きな選手たちに疲れが見え始めました。そこをボンドのフォワード陣は逃しません。大きくボールを動かし、スピードのあるアタックで一気に畳み掛け、トライを奪い返します。先日紹介した笹川選手も、確実なパスと通しながら、ディフェンスでは自分より大きな相手の足元に突き刺さるタックルでピンチを救います。身体を張っていました。

 後半もザラのキックは抜群で、何度も味方を前に進めました。また、アタックの起点になったのは、センターに入ったまだ16歳のTJ。何度も前に出てチャンスを作り、外側にいる足の速い選手たちに絶妙なパス。自身もトライを取っていました。まだ高校1年生とは思えない怪物級のプレーを連発。スピードも前回会ったときより格段に上がっていました。彼女はチームのS&Cコーチ・甲谷さんのもとで個人セッションに取り組んでおり、その努力の賜物だと思います。

 この2人の活躍で、ボンドは逆転。最終スコアは32-29で、4連覇を達成しました。ノーサイドのホイッスルが鳴った瞬間、ベンチにいた選手やスタッフが流れ込み、歓喜!コーチ陣の目にも涙がありました。優勝という特別な場に立ち合わせてくれたこのチームに、心から感謝しています。

 翌日の男子も初優勝を果たし、ボンド史上初の男女同時優勝を達成。最高の形で2025年シーズンを締めくくりました!

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