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日常生活(ブログ)

外国語学科

中矢健太のゴールドコースト留学記㉖「ラスト・マッチ」

こんにちは。外国語学科の中矢健太です。                                             

先日、チームにとってプレシーズン最後の練習試合が行われました。私にとっても帰国前の最後の試合ということで、寂しさを抱えながら試合に臨みました。

この日の相手はサニーバンク・ラグビークラブという、ブリスベン郊外のクラブチームでした。このサニーバンクのウィメンズチームのヘッドコーチは、去年までボンドのヘッドコーチを務めていたようです。少し特殊な相手で、みんな少し緊張気味でした。

また、午前中から男子の試合が行われており、女子の出番は最後、いわば大トリでした。途中からスコールのような激しい雨が降ってきていて、グラウンドコンディションの悪い中、ウォームアップが始まりました。

ウォームアップでは、コーチの言動が印象的でした。いつもの練習で簡単なミスが連続すると「今度ボールを落としたら、そこの池までダッシュしてこんかい!!」と言った具合で激を飛ばすのですが、緊張と寒さでいつもより堅いみんなを見て「雨の中でミスを当たり前なんだ。それを恐れずに、まずはチャレンジしに行くことが大事なんだ」と説いていました。

そうやって叱る、励ますタイミングを切り替えているのが、とても勉強になりました。深呼吸を促す、みんなの目を見て話すといった言動も印象的でした。

試合はザラという10番の選手が蹴るキックが絶好調で、優位に試合を進めていました。しかし、後半になって相手とのフィジカルの差が浮き彫りになり、21-32で敗れてしまいました。

試合後、帰宅準備をしていると、ロッカールームに呼び出されました。何事かと思って行くと、キャプテンのエリーシアがチームを代表して私にスピーチをしてくれ、みんなのサインとメッセージが入ったチームボールを渡してくれました。そんなサプライズが用意されているとは知らず、心から嬉しい気持ちになりました。

そして、私も英語でスピーチをしました。

 ”I’m living for 27 years. This is one of the best experiences in my life”

(27年間生きているけど、人生で最高の思い出の1つになった)

そう言うと、みんながワーオと嬉しそうに拍手してくれました。解散後は、一人一人が握手やハグをしてくれ、わざわざ日本語で “Arigatougoziamasu”(ありがとうございます) “Daisukidesu”(大好きです)と言ってくれた選手もいました。その一言一言が心に刺さりました。

ただ、彼女たちは当然のように「また来るんでしょ?」と私に言ってきます(笑)。8月はクイーンズランド州のチャンピオンを決める大会があり、ボンドは現在3連覇中です。そのシーズンに、2週間でもいいので帰りたいなと思っています。

その後は、コーチと選手たちで飲みに出かけました。選手たちの飲み会モチベーションはすさまじく、2軒しっかり飲んだ後にナイトクラブで踊っていました。

ナイトクラブでは ID と ドレスコードが必要になりますが、私は ID はおろか、ビーチサンダルで来てしまい、入場ゲートでセキュリティに止められてしまいました。すると彼女たちは試合同等の熱量で「どう見ても 18歳以上でしょう! 彼は明日の朝に日本に帰るんだから、どうか見逃してやってくれ!」と セキュリティに嘆願。騒ぎを聞きつけたマネージャーが許可してくれ、中に入ることができました。彼女たちが私を仲間の一人と認めてくれていることが伝わって、とても嬉しかったです。翌朝、せっかく距離が縮まったのに離れる寂しさをヒシヒシと感じながら、ブリスベン空港に向かいました。

最後のスピーチで彼女たちにも話しましたが、私は留学1日目をよく覚えています。

その日はジムセッションでした。ボンドはクラブチームなので、日中にみんなが集まるということが難しく、決められた時間帯に各々が来てトレーニングするというのが決まりごとになっています。全体ミーティングもなかったので、私はその場に来た一人一人に声をかけなければならなかったのです。

トレーニングの合間を見計らって、声をかける。自分のコンフォートゾーンを抜け出すのが怖かったですが、勇気を出して一人一人に「日本から来たんだ」と声をかけました。それがあったからこそ、2カ月という短い中でも良い関係が築けたのではないかなと思います。

この2カ月がこれほど忘れがたいものになるとは、当初は思っていなかったのが正直なところです。前述したように、人生の中でも最高の素晴らしい経験になりました。この留学プログラムの実現に携わってくださった全ての方に感謝します。 この留学ブログもそろそろ最終回が近づいてきました。最後に、現地で自分が得た知見や、気づきについて書き残しておきたいと思います。

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