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外国語学科

中矢健太のゴールドコースト留学記⑧「パスのコーチングを任されて」

こんにちは。外国語学科1年の中矢健太です。

Week2に突入したゴールドコースト留学生活。木曜日の練習では、先週に続いてパスのコーチングを任せてもらいました。前回のレビューを踏まえながら、改良したメニューを実施。選手やコーチからの手応えもあり、少しずつ自信になっています。

この日は参加する選手の人数が通常より少なく、私もセッションの一部に入ってプレーしていると、ヘッドコーチのローレンスに呼び出されました。

「ケンタのパスを見ていたけど、上手だね。この後、あの子に1on1で教えてやってくれないか?」

思ってもいなかった依頼で、とても嬉しかったです。こうやって任せてもらえることに、やりがいも感じています。

ローレンスが指名したのは、クイーンズランド州の選抜メンバーに選ばれた経験もあるDianna(ディアナ)。彼女はまだ10代で、これからを期待されている選手の一人だそうです。ポジションはウイングで、足が速く身体能力もバツグンですが、まだ細かいスキルが粗い。パスに左右差があったので、そこを少しアシストしました。

1on1になると、全体に向かって説明するよりもはるかに語彙が求められます。少し専門な話ですが、いまのラグビーはパスの際、腕を下げて投げるパスよりも、腕を下げずに手首のスナップを使った「パンチパス」が主流です。このパンチパス、習得までは窮屈に感じ、時間も要します。ただ、慣れると速くパスが投げられます。

“Don’t put your arm down.”

“Make sure to use your wrists.”

など、「トレーニング・イングリッシュ」の授業で使ったフレーズや、「メディカル・イングリッシュ」で習った体の部位など、なんとか単語を紡ぎながら、いくつかコツを伝えました。

Diannaも私が話したことを汲み取ってくれました。なおかつ、すぐに反映できるようになっていて、数分での成長に驚きました。

以前のブログにも書きましたが、日本で大学ラグビーのコーチを3年間する中で、得た知見の1つが「実技の大切さ」です。特に、私の年齢は選手たちとあまり変わりないので、自分が実際にデモを見せることが重要だと考えてきました。それを心がけてきた甲斐があったなと思いました。

また、練習中に観察する中で、スクラムハーフとしてプレーしているKate(ケイト)のパスフォームが少し気になっていました。練習後、Kateに声をかけ、投げ方のコツを少し伝えました。もうスパイクを脱いでいた彼女ですが「ちょっとやってみていい?」とサンダルのまま数本パスを投げると、格段にパスの速度が上がり、コーチング前後での違いを実感したと言ってくれました。KateやDiannaに限らず、チームのみんなが向上心と素直さを持っていて、本当に素敵なチームだと思います。

photographs by Kenta Nakaya

ただ、一方で日本のチームの良さを再認識したのは、練習前後の自主的な個人練習です。私がいた大学のチームでは、インディビジュアル(個人)を省略した「インディビ」という時間を設け、練習前後で各々の課題に取り組むことがチームの決まりごとになっていました。

最近、ウェブメディアのPIVOTで、メジャーリーグで活躍する菊池雄星投手が出演している動画がありました。

菊池選手の言う通り、「少しずつ上手くなるのではなく、コツをつかむと一気にうまくなります。練習するのは上手くなるきっかけを掴むためで、そのチャンスは100回練習するよりも1,000回練習した方が多くなる。努力は、ひらめくためにするんです」

私の経験を振り返っても、毎日練習を繰り返す過程で、ある瞬間にフッと上手くなることが多かったように思います。彼女たちの向上心はヒシヒシと感じるので、チームの中からもっとグラウンドでボールを触る選手が出てきていいとも思います。さりげなく、日本の「自主練」というカルチャーを持ち込みたいです。

プレーのセンスに関係なく、良い選手はグラウンドにいる時間が自然と長いです。私も一緒に練習したり、居残りしたり、自然なアプローチでチームをアシストしていければと思います。

次回は、ホームステイ先の自分の部屋についてお届けします!

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