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試合の日って、なんか独特の空気がある。
グラウンドでは選手たちがアップしてて、
ベンチの中も、なんとなく落ち着かへん。
スパイクの音とか、
大きな声とか、
ピリッとした緊張感とか。
みんな同じ場所におるのに、
それぞれ考えてることは全然違うんやろうなって、よく思う。
私はそんな様子を見ながら、
ボトルを並べたり、道具を確認したりしてた。
そのとき、ふと考えたんです。
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「マネージャーって、なんのためにいるんやろ」って。
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ボールを準備して、
氷を用意して、
スコアを書いて、
洗濯物をまとめて。
気づいたら、やることはいっぱいある。
たぶん、周りから見たら、
“ちゃんと役割がある”ように見えるんやと思う。
でもね、時々分からなくなることがあるんです。
これって、
「誰かがやらなあかんこと」ではあるけど、
“私じゃないとあかん理由”って、なんなんやろって。
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もちろん、
支える人がおらんかったら回らへんこともいっぱいある。
細かい準備とか、
空気を見て動くこととか、
誰かの変化に気づくこととか。
そういう積み重ねがあるから、
選手たちも安心してプレーできるんやと思う。
実際、試合前にめっちゃ緊張してた選手が、
ボトル渡したときに「ありがとう」って笑ってくれるだけで、
なんかちょっと救われる瞬間もある。
「あ、ちゃんと意味あるんかな」って。
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でもその一方で、
なんでも先回りしてやってしまうことに、
少し引っかかることもある。
忘れ物を毎回取りに行ったり、
片付けを全部代わりにやったり。
それってほんまに“支える”ことなんかなって。
野球をするのは選手やし、
選手自身が、自分たちでやらなあかんことも絶対あると思う。
誰かが全部やってしまったら、
“考える機会”までなくしてしまう気もして。
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「支える」って、なんなんやろ。
なんでもしてあげることなんかな。
それとも、
必要なときに、必要なことだけをすることなんかな。
私はまだ、その答えをちゃんと持ってません。
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でも最近、少し思うことがあるんです。
マネージャーって、
“ただ動く人”じゃなくて、
「今、このチームに何が必要なんやろ」って、
考え続ける人なんかもしれへんなって。
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前に、練習後すごく元気なさそうな選手がおった。
周りは気づいてへんかったけど、
その子、ずっと下向いたままやって。
ミスが続いてた日やったから、
たぶん、かなり落ち込んでたんやと思う。
どう声かけたらいいか分からへんくて、
正直めっちゃ迷った。
でも帰り際に、
「おつかれさま」ってだけ伝えたんです。
そしたらその子が、
小さく「ありがとう」って笑った。
その瞬間、なんか思った。
大きなことはできへんくても、
“気づく”ことには意味があるんかもしれへんなって。
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マネージャーって、
たぶん目立つ仕事ではない。
結果が数字で見えるわけでもないし、
拍手されることも、そんなに多くない。
でも、
誰かがちゃんと周りを見て、
気づいて、
そっと支えてるから、
安心して前を向ける人がおる。
それって、簡単にできることじゃないと思う。
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兄のタマノスケは、
「支えるって、かっこええことや」ってよく言う。
私はまだ、そこまでまっすぐ言い切れるほど、自信はない。
でもね、
誰かのために動こうとしてる人の姿って、
やっぱりすごくあったかい。
だから私は、
そういう“見えにくい優しさ”を、ちゃんと大事にしたいなって思う。
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まだ答えは出えへん。
でも、“支える”っていう役割には、
ちゃんと意味がある気がしてる。
その意味を、これからも少しずつ考えていきたいです。
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また、話聞いてくれたらうれしいです。
タマミ







