
⸻
引退してから、少し時間が経ったころ。
ふと、こんな気持ちになることがある。
「自分だけ、止まってる気がする。」
周りを見たら、
もう進路を決めてるやつがおる。
次の目標に向かって動いてるやつもおる。
新しい環境で頑張ってるやつもおる。
それに比べて自分は――
「まだ何も決まってない」
「何をしたらいいか分からん」
そんなふうに感じて、
なんか置いていかれてる気がして、
焦ってまうこともあるよな。
⸻
ある指導者は、こう言ってた。
「目標がない時期もある。その期間を悲観しなくていい」って。
これ、頭では分かる。
でもな、実際その状況になると、
なかなかそう思われへんのも事実や。
「何かしなあかん」
「早く決めなあかん」
そんな気持ちがどんどん強くなって、
自分で自分を追い込んでまう。
⸻
でもな、タマノスケは思うんよ。
その“何もない時間”も、
ちゃんと意味がある。
⸻
部活をやってたときは、
とにかく前に進むことが大事やった。
次の試合。
次の大会。
次の目標。
立ち止まってる暇なんて、なかったやろ?
でもな、
人生はそれだけやない。
⸻
止まる時間。
考える時間。
何も決まってへん時間。
そういう時間も、
ちゃんと必要なんや。
むしろな、
その時間があるからこそ、自分と向き合える。
⸻
ある先生は、こう言ってた。
「目標っていうのは、最初から見つかるもんやなくて、
動きながら育っていくもんや」って。
これ、ほんまそうやと思う。
いきなり完璧な目標なんか、出てけえへん。
見えてへん状態が普通や。
せやからな、
今はまだ見えてへんくてもええ。
むしろ、見えてへんからこそ、
これから見つけていける。
⸻
焦って無理に決めた目標は、
あとでしんどくなることもある。
「ほんまにこれでよかったんかな」って、
また迷ってまうこともある。
でもな、
ちゃんと考えて出した答えは、
時間がかかっても、ブレにくい。
⸻
それにな。
部活で頑張ってきたあんたなら、
もう知ってるはずや。
毎日積み重ねたら、
いつかちゃんと形になるってことを。
見えへん努力も、
ちゃんと力になるってことを。
⸻
今はまだ霧の中でもええ。
前が見えへん日があってもええ。
でもな、
あんたは止まってるわけちゃう。
見えへんだけで、
ちゃんと前に進んでる。
一歩一歩、
自分のペースで進んでる。
⸻
“何もない時間”も、人生の一部や。
その時間があるからこそ、
次の一歩に意味が生まれる。
その時間があるからこそ、
選んだ道に納得できるようになる。
⸻
焦らんでええ。
あんたのペースでええ。
今のその時間も、
ちゃんと未来につながってる。
タマノスケは、そう思うで。







