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ある日のことや。
タマノスケが廊下を歩いてたら、
壁にもたれて、ふーっとため息ついてる生徒がおってな。
「どないしたん?」って声かけたら、
その子はしばらく黙ってから、ぽつりと言うたんや。
「何やっても中途半端で…
自分って、ほんまあかんなあって思うんです…」
その顔、無理に笑ってたけど、
目の奥はしんどそうでな。
タマノスケ、胸の奥がぎゅっとなった。
こういう気持ち、あんたも覚えあるんちゃうか。
頑張ってるつもりやのに、結果が出えへん。
周りは前に進んでるように見えて、自分だけ足踏みしてる気がする。
ほんで気づいたら、自分に一番きつい言葉を投げてまう。
「オレって何してもあかん」
「結局、何者にもなれてへん」
でもな、タマノスケはその子に、こう言うたんや。
「なあ。
あんたが今こうやって悩んでるってこと自体がな、
ちゃんと自分の人生と向き合ってる証拠やで」
「せやからな、
もうちょっと自分に優しゅうしてもええんちゃうか?」
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進路が決まってない。
やりたいことが分からへん。
親と意見が合わへん。
周りと比べて焦ってしまう。
そんな状態の自分に、
つい×(バツ)をつけたくなる気持ち、よう分かる。
でもな、タマノスケは思うんよ。
◎(マル)じゃなくてもええ。
今は△(さんかく)くらいで、十分や。
だってあんた、
投げ出してへんやろ?
考えるの、やめてへんやろ?
それってな、
めちゃくちゃ大事なことやで。
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ある先生が、こんなこと言うてた。
「自信がないときほど、
自分には“何もない”ように感じてしまう。
でもそれは、“ない”んやなくて、
まだ“見えてないだけ”なんや」
また別の先生は、こうも言ってた。
「やりたいことってな、
最初からハッキリ持ってるもんちゃう。
迷いながら、動きながら、
あとから“これやったんかも”って気づくもんや」
つまりな、
今のあんたに「何もない」わけやない。
まだ途中なだけ。
今は“探してる最中”なだけや。
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せやから、今日はこれだけ覚えといてほしい。
夜、寝る前でもええ。
ちょっとしんどい日ほど、
自分にこう言うてみてな。
「不安もあるけど、
ここまでよう頑張ってきたやん」って。
それが言えたらな、
あんたはもう、ちゃんと前に進みはじめてる。
タマノスケは、そう思うで。
焦らんでええ。
比べんでええ。
今ここに立ってる自分に、
「ようやっとる」って言うてあげてな。
その一言が、
次の一歩を踏み出す力になるから。







