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野球コース

タマノスケ新章第七話 【仲間ってかっこええやん】“ありがとう“の一言が、誰かの背中を押すんや

夕方のグラウンド。
練習が終わって、選手たちが三々五々片付けを始める時間やった。

マネージャーの子が、一人で黙々と整備を続けていた。
スコップで土をならし、ラインを引きなおし、ベンチのゴミを拾って……。
誰に言われたわけでもなく、「みんなが気持ちよく練習できるように」って思いだけで動いてる。

そんなとき、後ろから声がした。

「おい、いつもありがとうな。
ほんま、お前のおかげで助かってるわ」

その選手は照れたように笑って、軽く手を挙げただけ。
ほんの数秒の出来事やったのに、マネージャーの子はびっくりしたように目を丸くして、
少ししてから、ふわっと笑って「こちらこそ」と返した。

その笑顔を見ながら、タマノスケは思った。

“ありがとう”って、なんでこんなにすごい言葉なんやろ。

感謝って、見えへん心をそっと照らす力がある。

たった一言なのに、
その日のしんどさが軽くなることがある。
自分のしていることに、ちゃんと意味があるんやって気づける瞬間がある。

誰かが、自分の働きに気づいてくれた。
それは、思ってる以上に人の心を強くする。

ある先生はこんな話をしてくれた。

「節目の大会が終わったあと、
“誰が支えてくれたか”をチーム全員に考えさせる。
保護者、マネージャー、審判さん、練習場所を貸してくれた人……
それに気づいて、自分の言葉で“ありがとう”を届けること。
それができるチームは強い。」

別の先生はこう言ってた。

「私ら指導者や選手は、好きな野球を好きなだけやってる。
でもマネージャーや保護者は、好きなことばかりじゃない中で支えてくれてるんや。
だからこそ、『ありがとう』を言える選手であれ、って伝えてる。」

その言葉を聞いて、タマノスケはしみじみ思った。

“感謝に気づけること”が、強いチームの条件なんや。

支えてくれてる人って、当たり前にそこにおるわけやない。

暑い日も、寒い日も。
自分が疲れてても。
誰かのために動いてくれてる。

水を用意してくれる誰かがいる。
遠征の準備をしてくれる誰かがいる。
応援席で声が枯れるまで叫んでくれる誰かがいる。
家でご飯を作ってくれる人がいる。
練習から帰ってきた自分に「おかえり」と言ってくれる人がおる。

その全部に、ほんとは「ありがとう」を伝える理由がある。

タマノスケはな、こう思ってる。

“ありがとう”は、言われた人だけじゃなくて、
言った人の心も育ててくれる言葉や。

だって、感謝を伝えるって、
相手の努力に気づいてる証拠やから。

相手を大事に思ってるからこそ、出てくる言葉やから。

“ありがとう”を言えた自分の心も、確実に前より強く、優しくなってる。

もし今、
「恥ずかしいし、わざわざ言うほどでも…」
って思ってる人がおったらな。

一回だけでええから、勇気出して言うてみてほしいんや。

「ありがとう、助かった」って。

それだけで、
今日一日が誰かにとって“特別な日”に変わるかもしれん。

そしてその一言が、
また明日も誰かを支える力になる。

最後にタマノスケからひとつだけ。

“ありがとう”は、チームを強くする魔法の言葉や。

使えば使うほど、
チームはあったかくなって、
みんなの心が前を向くようになる。

今日、誰に伝える?
その一歩が、チームの未来をちょっと良くするんやで。

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