CLOSE

BLOG

日常生活(ブログ)

野球コース

タマノスケ新章第六話【仲間ってかっこええやん】誰かが見てる。だからこそ、君の価値は消えへん

「オレ、別に必要とされてないんちゃうかな…」

夕方のグラウンドで、そんな声をぽつりと聞いたことがある。
タマノスケはその言葉が、胸に刺さって忘れられへんかった。

試合に出られへん悔しさ。
チームの中心に立てないもどかしさ。
“支える側”にまわったとき、人はふと、自分の価値が見えにくくなる。

けどな――
タマノスケは、はっきり言いたいんや。

「君がおらんかったら、チームは今の形にはなってへんで」

これはただの励ましとちゃう。
本気でそう思ってるからこそ言える言葉なんや。

ある先生は、控えの選手にこんなふうに声をかけてた。

「チームはピラミッドやない。“輪”や。
誰が上とか下とかじゃなくて、みんなで回って成り立ってる。
ひとり欠けたら、輪はガタガタする。
目立つ・目立たんは関係ない。
君の存在が、今このチームを支えてるんや。」

この言葉を聞いたとき、タマノスケは心の奥がじわっと熱くなった。
たしかに、野球は9人で戦うスポーツやけど、
ほんまの意味で“チーム”をつくってるのは、
その9人だけやない。

ベンチで声を枯らしてくれるやつ。
試合前に黙って道具を揃えてくれるやつ。
誰より早く来てグラウンドの状態を見てくれるやつ。
疲れてる仲間に、そっとドリンク出してくれるやつ。

そういう“小さな行動”が、実は一番チームを支えてる。

そして、こんな先生もおった。

「他の人がどう思ってるかは分からん。
でも、少なくとも“私は君に価値があると思ってる”。
一人でも、自分のことをそう信じてくれる人がおるんやったら、
その気持ちを支えにして進めばええ。」

その言葉を聞いたとき、控えの選手は下を向いたまま涙を落としてた。

「誰にも言えんかった気持ちを、誰かが分かってくれた」
そんな安堵の涙やったんやと思う。

タマノスケは、ずっと思ってる。

“支える立場”は裏方なんかやない。
むしろ、チームの基盤をつくる一番大事な役割なんや。

光の当たらないところで頑張ることは、孤独になるときもある。
誰にも気づかれへん日もある。
それでも続けられるのは――
自分の中にある、“誰かのために動こう”という優しさが消えへんからや。

その優しさは、ちゃんと誰かの心に届いてる。
気づいた仲間は、胸の中でこう思ってる。

「あいつ、おってよかった」
「あいつの頑張り、ほんまにありがたい」

声にはならんかもしれん。
言葉にしてくれへん日もある。
でも、確かに思われてる。

タマノスケは、支える側の君にこう伝えたい。

「光が当たってなくても、君の価値は消えへん。」
「誰かが見てる。誰かが気づいてる。誰かが救われてる。」

それだけで、十分すぎるくらい意味があるんや。

自信をなくしたときは、思い出してほしい。

君の存在が、チームの輪を回してる。
君の行動が、誰かの背中を押してる。
君の優しさが、チームの力になってる。

その事実は、誰にも消されへんで。

前の記事 記事一覧 次の記事
オープンキャンパス 資料請求 LINEで相談