
「支えるって、なんやと思う?」
ある日そう聞かれて、タマノスケはちょっとだけ空を見上げて考えた。
そして、ゆっくり答えた。
「それはな、“誰かを心から信じてる”ってことやと思うんよ」
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タマノスケが高校野球を見て回っとる中で、忘れられへん子がおる。
肘のケガで、選手としての道を続けられへんようになった男の子の話や。
そら悔しかったと思う。
一度は「なんでオレだけ…」って思ったかもしれん。
何度も心折れそうになったはずや。
でも彼は、そこで野球を手放さへんかった。
選んだ道は――「男子マネージャー」。
グラウンドには立てへん。
観客に名前を呼ばれることもない。
点を取って拍手されることもない。
それでも彼は、チームの誰よりも早く来て、最後に帰った。
ボールの準備、水分の補充、グラウンド整備。
ベンチでの声かけ、選手の心のケア。
一つひとつの仕事は小さいかもしれへん。
でも、それを“誰よりも丁寧に、誰よりも本気で”続けてた。
すると、少しずつチームが変わっていったんや。
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選手たちはこう言いはじめた。
「アイツがあれだけ頑張ってるのに、オレらが手ぇ抜くわけにはいかん」
「アイツのためにも勝ちたい」
気づけば、彼の存在が“チームの軸”になってた。
これが“支える力”なんやと、タマノスケは思った。
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支えるって、表では見えにくい。
結果も数字も名前も、表に残らへん。
ときには孤独やし、報われんように感じる日もある。
でもな。
タマノスケは知っとる。
見えへんところで動いてる人が、実は一番チームを動かしてるんやってことを。
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タマノスケは読者の君に、こう伝えたい。
「支えるって、“誰かを信じる力”なんやで」
自分のためやなくて、誰かのために動けるっていうのは、
その誰かを心から信じてるからこそできることなんよ。
「この仲間は、絶対やってくれる」
「このチームは、もっと強くなれる」
そう思えとるから、自然と体が動くんや。
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でも、支えるって簡単なことやない。
準備しても誰も気づかん日がある。
声をかけても響かん日がある。
自分の気持ちが折れそうになる日もある。
せやけどな、そういう日でも続けられる人は、ほんまに強い。
“支える人”っていうのは、
人一倍、思いやりがあって、
人一倍、我慢強くて、
人一倍、仲間を信じてる人なんや。
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もし今、君が裏方で頑張ってるなら。
もし今、誰かのために動いてるのに、誰にも気づかれへんって感じてるなら。
タマノスケは、真っ直ぐにこう言いたい。
「君がおるから、チームは前に進めるんやで」
「君のその優しさは、必ず仲間の力になってる」
スポットライトは当たらんかもしれへん。
でも、チームは君を必要としてる。
それだけは、絶対に忘れんといてな。
ほな、また次な。
タマノスケより。







