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野球コース

タマノスケ新章第ニ話 【仲間ってかっこええやん】 あいつのために、頑張りたいって思ったんや

こんにちは、タマノスケやで。

今日は、オレが忘れられへん“ある夏のチーム”の話をしようと思う。

その年の大会。
タマノスケが見守っていたチームには、最後までベンチに座り続けた控えの選手がいた。

彼は、どんな日も一番にグラウンドに来て、誰よりも大きな声で仲間を励ましてた。
試合中も、相手のクセを見抜いて投手に合図を送ったり、守備位置を仲間に伝えたり。
プレーできなくても、「自分にできること」をいつも探し続けていた。

そんな彼の姿を見ていた主力のひとりが、試合前にポツリと言った。

「アイツのためにも、今日は絶対勝ちたいんです」

その言葉を聞いた瞬間、
タマノスケの胸の奥がじんわりと熱くなった。

“支える人”がいると、チームは変わる。

誰かが自分のために動いてくれてると感じた瞬間、
選手たちの表情が変わる。
その空気は、言葉にせんでも伝わるんや。

たとえば、ベンチから聞こえる声ひとつで、
グラウンドの空気がピンと引き締まる。
ひとりの想いが、チーム全体を動かす。
それが「支える力」なんやと思う。

支えるって、派手なことやない。
でも、めっちゃ勇気のいることや。

“自分は試合に出られない”という現実と向き合いながら、
それでもチームのために笑顔で動けるって、
誰にでもできることやない。

ある先生がこんなことを言ってた。

「支えるって、“我慢強さ”と“想像力”の両方がいるんや。
 それをできる人こそ、本当の強さを持ってると思う。」

その言葉を聞いて、タマノスケは思った。
ほんまの“ヒーロー”って、
試合でヒットを打つ人だけやないんやって。

ベンチで声を出し続ける人。
誰よりも早く来て道具を並べる人。
誰にも見られてへん時間に、仲間のために動ける人。

そういう存在が、チームの“土台”を作ってる。

試合後、勝利の余韻に包まれるグラウンドで、
あの控え選手はいつも通り、黙ってベンチの片付けをしてた。
その背中を見て、主力の選手がそっと言った。

「アイツがいたから勝てた気がします」

タマノスケはその言葉を聞いて、思わずうなずいた。

努力は、いつも目に見える形で表れるわけやない。
でも、見えへんところで積み重ねたものほど、
チームの“芯”になっていく。

支えるって、ほんまにすごいことや。
誰かの背中を押して、空気を変えて、
チーム全体を前に進ませる力を持ってる。

タマノスケは最後に、こうつぶやいた。

「支えるって、やっぱりかっこええな。」

その瞬間、ベンチの片隅で笑うあの控え選手の姿が、
オレには、どんなヒーローよりもまぶしく見えたんや。

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