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こんにちは、タマノスケやで。
今日はな、オレが「ひとりで頑張る限界」を感じた日の話をしようと思う。
あれはテスト前の放課後やった。
部活が終わって、教室に戻ってきたものの――
体が重い。頭が回らん。
開いたノートを見つめたまま、時間だけがどんどん過ぎていった。
「もうええわ…今日は無理や」
そうつぶやいて机に突っ伏した。
しんどいし、焦るし、何より自分が情けなかった。
「オレってやっぱり勉強向いてへんのちゃうか」
「みんなはもっと頑張ってるのに、なんでオレだけ…」
そんな考えばっかりが頭の中をぐるぐるしてた。
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すると、ガラッと教室のドアが開いた。
入ってきたのは、同じ野球部のユウやった。
普段はふざけてばっかりのくせに、
たまに見せる真剣な顔が、なんか印象に残るやつや。
「お前、まだおったんか」
「ちょっとだけ一緒にやろや」
そう言って、ユウは自分のノートを広げた。
机の上に置かれたスマホのタイマーが鳴る。
「10分だけ勝負。終わったらジュースな」
そう言ってニッと笑った。
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不思議なもんや。
さっきまで全然やる気が出ぇへんかったのに、
誰かが横にいるだけで、なんか頑張れる気がした。
10分だけのはずが、気づいたら30分。
終わるころには、
「今日はちゃんとやりきれた」って、久しぶりに思えた。
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帰り際、ユウがボソッとつぶやいた。
「オレもな、ひとりやったらすぐサボる。
でも誰かがおったら、不思議と続くねん」
その言葉、めっちゃ響いた。
オレもまったく同じ気持ちやった。
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部活のときもそうや。
最後のランメニュー。
「あと5本!」って言われたとき、
足が止まりそうになること、何回もある。
けどな、隣で同じペースで走ってる仲間の息づかいが聞こえると、
「オレも、もうちょい頑張ろう」って思えるんよ。
それって、別に競い合ってるんやなくて、
「一緒に乗り越えよう」っていう気持ちやと思う。
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努力っていうと、
「ひとりで黙々と頑張る」みたいなイメージがあるやろ?
でもな、実際はちゃうんや。
人は誰かと一緒にいるから、踏ん張れる。
誰かの存在があるから、続けられる。
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「お前が頑張ってるから、オレも頑張れる」
「一緒にやってるから、最後までやりきれる」
そんな関係って、めっちゃええやん。
オレらは、ひとりで戦ってるようで、
実はずっと誰かと支え合いながら歩いてるんやと思う。
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勉強も、部活も、人生も。
両立っていうのは、孤独な戦いやない。
仲間と一緒に走る、長いマラソンみたいなもんや。
ときどきペースが崩れてもええ。
しんどくなったら、隣を見てみ。
「お、まだおるな」って思えるだけで、
また足が前に出る。
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ひとりで頑張ることも大切やけど、
“ひとりじゃない”って気づいた瞬間、
人はもっと強くなれる。
それがわかった日から、
オレは「頑張る」って言葉が、少しだけ優しく聞こえるようになった。
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せやから今、もしキミがひとりで踏ん張ってるなら、
思い出してほしい。
必ず、どこかで同じように頑張ってる仲間がおる。
「ひとりやない」って気づけたとき、
また一歩、前に進めるんやで。
ほな、またな。
タマノスケより。







