国際公式記録員日記 プレミア12編です。
2019年のビッグイベントでもあったプレミア12は私にとっても今シーズン最後の大会となりました。
この大会はグループA(韓国)、グループB(台湾)、グループC(メキシコ)の3つのグループに分かれて予選ラウンドを行い、
上位2チームが、東京でのスーパーラウンドに進出できるという仕組みです。
侍ジャパン(日本代表チーム)もプロ野球選手で構成され、世界一を狙った集大成の大会となりました。
私は台湾でのグループB予選ラウンドと東京のスーパーラウンドに行かせていただきました。
ここからは台湾編と東京編に分けてお伝えします。
☛台湾編
11月3日 関西空港から、中国経由で台湾入り
(ここで小話…今まで順調だった国際線出発ですが、ここにきてトラブルが発生します。日本に戻るチケットをこの時点で持っておらず、このままだと中国の乗り継ぎでおそらく出国できないといわれてしまいました。なんとか搭乗する可能性のある便名の情報を手に入れ、ひとまず飛び立ち、ひとりそわそわしていましたが、中国航空会社の方の柔軟な対応のおかげで無事に飛行機に乗ることができました…常にトラブルとは隣り合わせということですね)
11月4日 スコアラーミーティング
(スペイン人のスコアラーの方は、はじめのフライトのスケジュールが変更になったせいで乗り継ぎ便すべてがずれてしまい、空港で一夜を明かしたそうです。しかも、ロストバゲージをしてしまい、手荷物ひとつでミーティング会場へやってきました…本当に何が起きるかわかりません…荷物は3日後無事に手元に戻ってきました)
11月5日~7日 予選ラウンド(日本,台湾,プエルトリコ,ベネズエラ)
実は、台湾は日本に負けないくらい野球が人気なんです。
球団数は少ないですが、日本と同じようにプロ野球チームもあります。
今回の会場は、台中市にある洲際棒球場というところで、普段は地元のプロ野球チームがホーム球場として使用しています。
そしてなんと、台湾代表チームに本校野球コース卒業生(2016年卒)の寥 乙忠さんが選出されていました!
日本戦で先発投手として出場し、専門学校にいたころよりもさらに成長した姿を間近でみることができ感動しました…
登板したのは日本戦のみだったものの、彼にとって素晴らしい経験になったに違いありません。
選手紹介の際のこの歓声は心にグッとくるものがありました!
グループBは日本と台湾が上位2チームに入り、スーパーラウンド進出となりました。
謝謝!!
☺番外編☺
ここは観光スポットでもある夜市です。ローカルフードがお手頃価格で楽しめます。
右の写真は有名な“臭豆腐”で、字のとおりとにかく臭いです…
そして台湾といえばなんといってもタピオカです。台湾ではほとんどのお店で一杯150円ほどで購入できます。
☛東京編
11月9日 スーパーラウンドに関わるスタッフ全員で移動、東京入り
11月10日 スコアラーミーティング
11月11日~17日 スーパーラウンド(A:アメリカ,メキシコ B:日本,台湾 C:韓国,オーストラリア)
ZOZOマリンスタジアム 記録席からの眺め(室内)
東京ドーム 記録席(記者席ブースを使用)
✍ここで、前回の記事でもご紹介した選手交代の伝達方法についてお話します。
通常は主審⇒放送席もしくは記録席 というように直接伝達がきますが、国際大会ではこの直接の伝達がありません。
どうするかというと、主審がジェスチャーをするだけなんです。例えば…
イニングの初めにレフト、ライト、セカンドに守備交代があったとします。
通常であれば、それぞれのポジションに誰が入ったかを伝えてくれますが、
主審はそれぞれのポジションを指さして“選手が変わる”ということを示すだけなんです。
これを見逃すとあとから大変なことになります。いつ交代したかわからない、がいちばんあってはいけないことです。
そうならないように、私たちは双眼鏡を使用して、毎イニング守備につく選手の背番号を確認します。
ベンチからでていくところから目で追いかけることで、ポジションの変更も見落とさないようにすることができるんです。
また、今大会はビデオ判定が導入されており、大会中何度かその場面に遭遇しました!
タブレット入力で使用しているアプリは、リアルタイムで速報システムにつながっているため、
ビデオ判定の旨も入力します。そして変更の有無もはっきり表示できるようになっています。
最終日の17日に日本対韓国の決勝戦が行われ、前日の激戦に続いて見事勝利し、プレミア12初優勝を飾りました。
わたしたちスコアラーは常にファミリーだと言い合っています。
スコアラーファミリーでもあり、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)のファミリーでもあります。
審判もTCも全員がWBSCファミリーです!!
私ももちろん、皆さんとにかく野球が大好きで、ご飯を食べながらも記録の書き方についてひたすら話をするほどです。
この一員として活動ができていることに常に感謝の気持ちを忘れず
さらに経験を積んでいき、この仕事をもっとたくさんの人に知ってもらえたらと思っています。
野球コース 講師 中村風香
公式記録員に少しでも興味がある方は、お気軽に野球コースまでお問合せください♪