アスレティックトレーナーコースの横井です。
熱い方が好きなので、いい季節になってきましたね。
今日は熱中症についてのまじめなお話。

熱中症対策として
予防
- ・温度環境の評価
対応(救急処置)
- ・熱中症を見かけたときのフローチャート
- ・結局何が一番いい?
の内容でいくつか紹介していきます。
温度環境の評価

- 熱中症予防の温度指標として、WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)が用いられます。最近では、”暑さ指数”とも言われています。暑さ寒さに関係する環境因子として気温、湿度、輻射熱、気流の4つがあります。WBGTは湿球温度(湿度)、黒球温度(輻射熱)と乾球温度(気温)の3項目から算出されますが、湿球温度と黒球温度には気流の影響も反映されるので、WBGTは4因子すべてを反映した指標と言えます。
- WBGT温度計では以下のように指針が出ております。

- もしWBGT温度計が現場になければ
- ・環境省:公式LINE
- ・熱中症警戒計:携帯アプリ
- 等の、現在位置の”暑さ指数”を知らせてくれるデバイスも豊富なので活用してみてください。
ここでトレーナーとして大事なのが、トレーナーとしてどうするか?
今日は練習中止にしてください!!
なんて、なかなか言えないですよね・・・(言った方がいいのかどうかはその場の環境、状況によると思います)。じゃあ、言えなかったときどういった対策をしようか・・・という話になります。実施に私は
・水をキンキンに冷やす
・休憩を多め(例:10-15分毎)に取ってもらうようにコーチにお願い・打診する。
・休憩の際はクーラーの入ったガンガンのところで休憩する。または、必ずテントの下で水分補給をする
・練習時間を変更する
・練習後には水と氷の入ったプールに必ず入ってグランドを出る。
等の対策をしたことがあります。こういった話をすることで、トレーナーだけでなくコーチにも”今日は熱中症のリスクが高い日なんだな”と共通の認識ができて、更に良いのでは?と思っています。

熱中症に出会った時のフローチャート
もし熱中症に出会った際には、基本的に以下の対応です。

ここでのポイントは【意識障害・いつもより変ではないか】と、【自力で水分が摂れるか】ということです。この2つが医療機関へ受診する、または救急車を要請するかのポイントになります。救急車を待ってる間も涼しいところで待てるようにしておいてくださいね。
・スポーツ現場の近くにクーラーがあれば、クーラーガンガンの部屋をあらかじめ用意しておく。
救急対応として
熱中症になったら、氷を動脈に当てて・・・、霧吹きで水をかけてウチワで仰いで・・・。と多くの方が言っていますし、私もそう勉強してきたし、まったく意味がないわけでありませんが・・・。深部体温を下げたいときに一番効果があるのは、
アイスバスに入る!
が一番体温は低下します。身体に対して冷却効果を表した表があります。

救急要請するほどではないが、熱中症なのは明らかこのような際に暑熱環境にあるグランド等で第一選択となるのはアイスバス。アイスバスの際に注意する必要があるのは、目を離さないこと。アイスバス中に目を離して、意識を失って溺れてしまう。といったリスクがあります。万が一選手を離れる場合があるときは必ず、信頼できる誰かに引継ぎをして見守ってもらってから、離れるようにしましょう。
他にも、予防に対して、救急対応に対しては多くの知識がトレーナーには必要です。今ある環境で、これから必要になるもの、今あるものでどのような対応ができるか、トレーナーとしては準備のいる時期になってきました。
スポーツ現場での熱中症での事故が ”ゼロ” になりますように。
ATコース 横井亮太
参考文献・文章中の画像は以下からのものです。
日本スポーツ協会 「熱中症予防」ガイドブック
https://www.japan-sports.or.jp/publish/tabid776.html#guide01







