私は、「日本人が人を敬うことが少なくなった」という印象を持っています。しかし、個人の価値観や経験も影響しているかもしれません。
今回は、私が感じる「日本人が人を敬う心を失いつつある」背景について考え、その解決策について記載したいと思います。これはスポーツ現場での人間関係づくりにもつながる大切なテーマです。

1. 個人主義の浸透
グローバル化や西洋文化の影響で、集団主義的な考え方から個人の自由や権利を重視する社会に変化してきました。その結果、自己表現が優先される傾向がありますが、これにより他者を「敬う心」が薄れがちになることがあります。スポーツの現場でも、自分のパフォーマンスだけを重視する考え方が問題を生むことがあります。
2. 伝統的価値観の薄れ
日本の古来の文化では、「敬う心」が重要視されていましたが、伝統を学ぶ機会が減少している現代では、価値観が失われつつあります。特に若い世代において、この傾向が顕著です。スポーツの指導現場でも、相手を敬う心を育むことが結果としてチームの連携力向上につながります。
3. コミュニケーションの変化
SNSやメールなど、デジタルコミュニケーションが主流になったことで、直接的な対話の機会が減少しています。スポーツ現場での選手や指導者との信頼関係は、直接的な対話と敬意を基盤にしています。そのため、日頃から「相手を敬う言葉づかいや態度」を意識することが重要です。
4. 競争社会の影響
成果主義が強まる社会では、他者を敬う余裕がなくなり、自分の成果だけを追求する風潮が生まれることがあります。しかし、スポーツではチーム全体の成功が個人の成功をもたらします。他者を尊重し、共に高め合う姿勢が求められます。
5. 教育や社会の影響
学校教育や家庭環境の中で、「敬う心」よりも成績や能力向上が優先される傾向があります。しかし、アスレティックトレーナーを目指す皆さんには、人間性を育む教育が欠かせません。スポーツの場を通じて、「敬う心」の大切さを感じてください。
解決の視点
アスレティックトレーナーとして、皆さんがチームの一員としても、また指導者としても実践してほしいのは、「敬意を持つ姿勢」です。
- 相手の話をしっかりと聞く:選手やスタッフとの対話を大切にし、相手を理解しようとする姿勢を見せてください。
- 感謝の気持ちを忘れない:チームメンバー、選手、指導者、さらには応援してくれる人々への感謝を忘れないことで、良好な人間関係を築けます。
- スポーツを通じた価値観の共有:競技の中でのフェアプレーや、相手へのリスペクトを通じて、「敬う心」を実践してください。
これらを意識することで、皆さんが関わるチームやコミュニティはより良い方向に進むはずです。アスレティックトレーナーという職業は、単に身体的なケアをするだけでなく、人間関係を築き、豊かな心を育む役割も担っています。
「敬う心」を再び社会に広める第一歩を、皆さん自身の行動から始めてみませんか?スポーツの現場から生まれる敬意の輪が、やがて大きな社会変化をもたらす力になるかもしれません。
教員 山口







