先日、荷物で両手がふさがったまま通路を歩いていると、後方から来た理学療法学科の学生が
「開けましょうか」
と私を追い抜き職員室への扉を開けて待っていてくれました。
理学療法学科に来て1年が経ちましたが、学内の様々な場面でこうした親切に遭遇します。
『親切』という言葉の成り立ちとして、
『親』は「親しい」、「身近に接する」
『切』は「身近である」、「行き届く」
という意味があるそうです。
「身近に寄り添い、行き届くようにする。」
今回の彼女の動きはまさにその言葉通りに行き届いていて、ごく自然でスマートなものに感じられました。
私自身が直接学生に関わる機会は少ない為、こうした日常の些細な事でも非常に印象に残ります。
親切をするには何よりもまず、困っていそうな人に気づかなければ始まりません。
周りで何が起きているか、関心を持っているからこそ状況に気づいて、行動の先を読み、判断して実際に行動に移せるのだと思います。
周囲への関心や気づきは、人によっては当たり前の事かもしれません。
ただ、当然のようでありながら、社会人として働く上では仕事の質を高める大事なポイントだと感じることが経験上よくありました。
例えば、様々な状況下において自分に求められている事が認識できる、事前にリスクを回避できるといったことが挙げられます。
人と関わる仕事であれば、注意力がもたらす影響・成果はより直接的に表れるのではないでしょうか。
学生が日常において習慣的にしている親切が、身のまわりの人だけでなく、将来的に患者さんへの接し方や仕事内容にも自然と活かされるのだろうと思うと喜ばしく思える出来事でした。
理学事務 松原