こんにちは、教員Aです。
ある出版社から依頼を受け、ストレッチ書籍を出版することになりました。
モデルさんに来ていただいて撮影をしました。
ストレッチは、治療はもちろん、リハビリ、コンディショニングなど様々な分野で利用され、子供から高齢者、アスリートまで幅広い方々に活用されています。またパートナーストレッチとして人に施すこともできれば、セルフストレッチとしてそのノウハウを指導して、患者やクライアントにご自身で活用していただくことも可能です。治療家を目指すものにとっては大切な技術の一つと言えます。
ここで少しストレッチの変遷についてお話ししたいと思います。
1975年、ボブ・アンダーソンの「STRETCHING」を機に、日本にも「ストレッチ」という言葉が浸透しました。それは今でいうスタティックストレッチ(静的ストレッチ)です。
私が初めてスタティックストレッチと出会ったのは、高校生の時。チームのコーチがこういう方法があるんだよって教えてくれました。
最初は衝撃的でした。それまで柔軟体操と言えば、ラジオ体操のように反動をつけてグイグイ伸ばしていましたから、ジーッと時間をかけて伸ばすのに辛気臭く感じてしまって少し抵抗がありました。しかし、柔軟性向上には効果的ということで、そのやり方が世の中にどんどん浸透していきました。
1990年代、運動前のスタティックストレッチがパフォーマンスの低下をもたらすという論文が数多く発表され出しました。マスコミの偏った取り上げ方によって、ストレッチは意味がないとか、やってはいけないとか、そうとらえる人も出てきました。
2009年、日本の研究グループが血管年齢と柔軟性には相関関係があると発表されました。
ストレッチは動脈硬化の予防に効果があるかもと言われ出しました。マスコミでもそのニュースが取り上げられるようになり、ストレッチを積極的に行う人が増えました。
2010年を過ぎた頃から、全国各地にストレッチ専門店が増えてきました。「お金を支払ってストレッチを受ける」という文化が生まれだしました。
2016年、「開脚ストレッチ」ブームが到来。どんな人でも4週間で開脚してベターと身体を倒せるになるという本が話題になり、情報番組などでお笑い芸人たちがチャレンジしていました。確かにベターに憧れるかもしれませんが、日常生活においてそのような姿勢をとる場面などなく、本当に必要なのかと少し疑問に思いました。身体の硬い中高年の方が無理して傷めたという声も聴きました。
「ストレッチなんてわかっている」と知ってるつもりになっている人も多いですが、時代とともに様々な報告があり、時にマスコミではワルモンになったりエエモンになったり…。
やはり私たち自身が正しくアップデートしながら理解を深め、それぞれの場面に応じて、適切な種目、適切な時間を選択する目を養わないといけないですね。