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成人の正常立位姿勢で正しいのはどれか。
1.腰仙角は約10度
2.胸椎と仙椎は前弯を示す
3.矢状面上における重心は仙骨の後方に位置する
4.矢状面における身体の重心線は足関節中心を通る
5.両上前腸骨棘と恥骨結合を含む面は前額面とほぼ一致する
答えは5
各選択肢を解説!!
1.腰仙角は約10°である。×
腰仙角と聞いて、まず矢状面上の腰椎・仙骨の骨解剖学の絵がでるだろうか?
腰仙角はa.b.cのどれか?
腰仙角は・・・aです。
角度については、カパンディで140°、プロメテウス、神中整形で143°、分担解剖学で120~164°と記載がある。
(こういった角度は、教科書により記載角度が違うものが多い。国試の選択肢に「約」がつくのは、こういった範囲を網羅するためだろう。「腰仙角が約140°」と出題されれば、正答と判断しないといけないかもしれない。)
Aが頭に浮かぶとこの選択肢は誤りだと判断がつくが、b.cが頭に浮かぶと「10°だったかもしれない・・」と悩む可能性も大。
Bは、仙骨角(水平線と第1仙椎上部を通る直線のなす角度)で平均30°を示す。(カパンディ)
Cは、骨盤傾斜角(骨盤傾度)は、水平線が岬角と恥骨結合上縁を結ぶ延長線となす角で平均60°を示す。(カパンディ・分担解剖学・日本人体解剖学)
このように、1つの選択肢から考えられる知識の拡充も国試勉強のコツの1つ!!
2.胸椎と仙椎は前弯を示す。×
頚椎は前弯・胸椎は後弯・腰椎は前弯までは、さすがに出てくる知識だろう。(これが出てこないのは、ちょっと危険です!基礎学力全体の底上げが必要ですので要注意!)
この時点で、胸椎が前弯=×と判断できるかもしれないが、仙椎は・・・?
ここで各解剖学の教科書を確認!
脊柱を概観すると、頸部は前方に凸の頸部弯曲、胸部は後方に凸の後方弯曲、腰部は前方に凸の腰部弯曲、さらに仙骨と尾骨はひとつづきの後上方に凸の仙尾弯曲を示す(分担解剖学)→つまり後弯?
仙尾弯曲後方に凸(後弯)となる。(日本人体解剖学)
→後弯と明記あり。
3.矢状面上における重心は仙骨の後方に位置する。×
4.矢状面における身体の重心線は足関節中心を通る。×
基礎運動学の7.姿勢の2)重心にある下図が頭に浮かぶかどうか?が勝負!
(この図が頭に浮かばないのは、基礎学力の底上げが必要レベル!!要注意!!)
5.両上前腸骨棘と恥骨結合を含む面は前額面とほぼ一致する。○
この選択肢を読んで、まず、骨盤の矢状面上の図が頭に浮かぶか?
そして、両上前腸骨棘と恥骨結合が矢状面上において垂線(垂直線)で結べるか?と読み替えれるか?下の図を確認!
この図を見れば、正答と判断できる。
この問題の解説は、解剖学(分担解剖学・日本靭帯解剖学)・整形外科学(標準整形外科学・神中整形外科学)・基礎運動学の教科書を読み比べて作成している。この読み比べの作業により、知識が広がり・記憶に残る。この作業をまずは行ってみよう。
そしてこの問題から、
①腰仙角以外にも骨学の中には角度がいくつもあったな・・・。まとめてみよう!
②骨盤には男女の違いがあったな。男女の違いを表にしたものを見直そう!
③重心について、過去問題では他にどんな問題がでているのだろう?
などなど、疑問がどんどんでてくるはず!そして、疑問を解決しないまま、「国試当日この問題が出たらどうしよう?」という不安と戦いながら、国試の勉強を進めていく。そういうものです。
3年生は来年・4年生は今年!
国家試験は、学科受験者全員合格!!を目指して、
がんばろう!!