Physiotherapy Department
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2018.07.23
頑張る学生の熱中症対策(パート2)

(パート1)  https://www.riseisha.ac.jp/course/physical/blog/detail.php?id=13407
 
今年は、各地で災害が生じています。しかし、天災への対策は国レベルの検討が必要となるので時間がかかりそうです。
 
この天災の中でも、個人レベルの対策が効果的なのが熱中症です。これについては、昨年にパート1(上記アドレスにリンク)として基礎的な知識を掲載しているので、ご参照ください。

 

人は、環境によって体温が変動するカエルや魚などの変温動物とは違って、24時間周期で36~37℃の狭い範囲に体の温度を調節している恒温動物です。体内では生命を維持するために多くの営みがなされていますが、そのような代謝や酵素の働きからみて、この温度が最適の活動条件なのです。
 
私たちの体では運動や体の営みによって常に熱が産生されますが、同時に、私たちの体には、異常な体温上昇を抑えるための、効率的な調節機構も備わっています。
 
暑い時には、自律神経を介して末梢血管が拡張します。そのため皮膚に多くの血液が分布し、外気への「熱伝導」による体温低下を図ることができます。また汗をたくさんかけば、「汗の蒸発」に伴って熱が奪われますから体温の低下に役立ちます。汗は体にある水分を原料にして皮膚の表面に分泌されます。このメカニズムも自律神経の働きによります。
 
このように私たちの体内で血液の分布が変化し、また汗によって体から水分や塩分(ナトリウムなど)が失われるなどの状態に対して、私たちの体が適切に対処できなければ、筋肉のこむらがえりや失神(いわゆる脳貧血:脳への血流が一時的に滞る現象)を起こします。そして、熱の産生と「熱伝導と汗」による熱の放出とのバランスが崩れてしまえば、体温が著しく上昇します。このような状態が熱中症です。
 
熱中症は死に至る恐れのある病態ですが、適切な予防法を知っていれば防ぐことができます。また、適切な応急処置により救命することもできます。しかし、わが国における熱中症の現状をみる限り、熱中症の知識が十分に普及しているとはいえないでしょう。

 

上記のことを踏まえて、更に『深部体温の調整』に着目した簡易な熱中症対策も多く報告されているので一部紹介いたします。

 

 


 
人の体温は、外殻温(皮膚の温度)と核心温(内蔵を含む身体内部の温度:深部体温)に分類されます。左図では斜線部(37度超過)の深部体温が、外気温(環境温)が高くなるにつれて広範囲になることを示しています。
 
体温は、発汗などで調整していますが環境温度が高温になると自律調整に時間を要します。その間にいろいろな障害が生じかねません。

 

深部体温が… ・40度で全身けいれん ・42度で多臓器不全 ・44度で脳障害の可能性が ⇒ 死に至る場合もあります。

 

 

『熱中症かも』感じた時には、冷房で涼むだけではなく、深部体温を下げる対応も効果的です。

 

【深部体温を下げる方法】
ポイント
・「脳から遠い部分を冷やす」
手のひら、足裏、頬を冷やすのが効果大
・首や脇の下など、大きな血管の近くを氷で冷やすのも、体温を下げるのには効果的
・氷水ではなく、10~15℃の水に5~10分ほど浸す
(急激に冷やしすぎないために氷は向かない)
・深部体温を効率的に下げるには、脳から遠い部分を冷やす!
※脇下などの大きな血管を直接冷やすと、冷える速度は速いが、急速に冷えることによって脳が「体温が下がりすぎた!」と感知し、それ以上体温を下げないようにする機能が働いてしまうのに対し、手や足などの末端は冷えるまでに時間がかかるので、ゆっくりですがきちんと下がっていくようです。
 
しかし、重度の熱中症の場合は、まずは急激に38度まで下げ後遺症が少なくなるようにする。

 

以上のことを理解して、この夏場も快適に就学を進めていきましょう。

 

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