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日常生活(ブログ)

理学療法学科

移動介助の再学習

おはようございます、教員の久保です。

今回は、理学療法学科の最終学年である4年生の特別講義に参加しました。
講義は、臨床にて重要となる患者移動の知識と技術を高める内容でした。

この内容については、3年生までにも学び、4年次の長期臨床実習に於いても実践していましたが、まだ力に頼る介助をしている学生の姿を見かけました。

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力に頼る介助をしている学生の話を聞くと、職員が多忙なため介助をお願いできずに、独力で無理な介助をしていたため誤った技術が身についたようでした。

福祉の進んでいるノルウェーでは、『前方に身体を曲げた形で持ち上げるときの自分の身体と対象(患者)の重心の距離が45cmかそれ以上の時は、持ち上げの限度は15kgである。』と法律で制限し、必要に応じて2人介助や機器の導入をしています。

その為、移乗用の福祉用具などが数多く開発され、移乗の技術も飛躍的に発展しています。日本でも厚生労働省が提示した「職場における腰痛予防対策指針」にて、満18歳以上の男子が人力のみでの運搬の場合は最大55㎏以下とし、同対象が継続した作業時は自身の体重の概ね40%以下の重量までとなっています。女子の場合は、男子の基準の60%位となっています。

しかし、この規則はノルウェーのように法律を破った労働を強いる事業者を徹底して処罰するなどの強制力を持った法制度でないため、現状では無理な業務が強いられることが多いようです。更に、介護を楽にすることが悪いような風潮が少なからずあり、そのことも無理な介助の実施に影響していると感じました。

必要に応じての複数介助や、トランスファーボードや移乗用リフトなどを上手に使えば、介助をする側も、される側も、お互いに安心できる結果になると思います。

今講義では、無理な介助は自身の身体を破壊するだけでなく、患者さんに対しても安全を損なわれる結果になることを再び教えて頂きました。そして、更に人間工学上から無理をせずに実施できる介助技術や機器の有効な使用方法を習得させて頂きました。

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来年から活躍する臨床現場で、有効な理学療法が実施できるように必死に学ぶ学生たちの姿に、教員としても先輩理学療法士としても安心と期待を持って参加することできました。

専任教員:久保

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