こんにちは、教員Aです。
さて、古代ギリシャ民族が生み出したギリシャ神話。
西洋の文化的・精神的な基盤といわれていますので、さぞ神々しい堅い内容なのかと思いがちですが、実は大変ぶっ飛んだ神々のお話で、ずる賢い神もいれば、浮気癖の強い神、執念深い神など、人間臭い個々のキャラクターが立っていて、とてもドロドロした面白い物語です。
このギリシャ神話に出てくる神々の名前は、星座はもちろん、ヨーロッパやアテネという名前もそうですし、社名(ナイキの名称・マークなど)や乗り物(アポロ・イージス艦・タイタニックなど)商品(ヴェルサーチ・スターバックスのマークなど)にも多く使用され、今もなお多くの影響を受けています。
さて、柔道整復学科で習う人体用語や医学用語の中にもこのギリシャ神話由来の名称がついていたりします。いくつか紹介しましょう。
- アキレス腱の「アキレス」
アキレス腱は、ヒトでは最も強靭な腱。
この命名は無敵の戦士といわれた英雄アキレウスが由来です。
アキレウスが生まれて間もなく、母のテティスは、アキレウスを不死身にするため、冥界の川にアキレウスの身体を浸しました。これにより、アキレウスは不死身となったのですが、川に身体を浸すとき、テティスはアキレウスの踵をつかんでいたため、踵の部分だけが唯一生身として残ってしまったのでした……。
アキレウスはこのアキレス腱に敵の弓矢が当たり死んでしまいます。
- メズーサの頭
メズーサはギリシャ神話に登場する女怪で、頭にヘビが生えた恐ろしい容貌を持っていて、メズーサを見た者は石になってしまうという。子供の頃、その映画がテレビで何度も放映されていて怖くて眠れなくなったのを覚えています。
肝硬変(肝臓の病気)が進行すると、お腹の皮膚の静脈が膨れ上がり、放射状にコブのような模様を作る症状を「メズーサの頭」と呼んでいます。なんと、この恐ろしいメズーサはファッションブランド「ヴェルサーチ」のロゴマークになっているんですよ。
- モルヒネ
医療用麻薬の一つモルヒネは、ギリシャ神話に登場する夢の神「モルフェウス」に由来するといわれています。
夢のように痛みや不安を取り除き、心を穏やかにする作用がイメージされています。
- アトラス
天空を両腕で支える巨人アトラスのイメージから、頭部球面を支える環椎(首の骨・第1頸椎)は「アトラス」と呼ばれています。
柔道整復師学科の勉強では、1年時に学習する「解剖学」(人体の構造を学ぶ)や「生理学」(人体の機能を学ぶ)、「運動学」(身体の動きを学ぶ)はとても大切な科目になります。
量的には覚えることが多くて結構大変ですが、この基礎科目をきちんと理解しておけば、その後に学習する病気や怪我の知識が理解しやすくなります。
それぞれの名称にもいろいろ由来があるので面白いですよ。そういったところも興味を持って学べば、より知識が深まるかも。
最後に、古代ギリシャの時代に、医師の倫理観や守秘義務などについて説いた人物がいます。
医学の父といわれる「ヒポクラテス」です。紀元前の時代から今の時代まで影響を与えているのはすごいですね。