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日常生活(ブログ)

柔道整復学科

掌(たなごころ)

tanagokoro

脉(みゃく)をとる看護婦の手の、
あたたかき日あり、
つめたく堅(かた)き日もあり。

これは、肺結核のため27歳という若さでこの世を去った詩人・石川啄木の「悲しき玩具」の中に出てくる詩句です。
啄木は、闘病生活を送る中で、自分の手に触れる看護婦さんの指の接触に鋭敏な感性を持っていたんですね。
私たちが日頃、接触する患者さんや選手も同様に、施術を受けながら様々なことを感じとっておられます。
「掌」という漢字があります。これは一般には「てのひら」と読みますが、「たなごころ」ともいう読み方もあり、「掌には心が宿る」という意味があるそうです。
施術を行う時、自分の気持ちが、患者さんの治療に集中しているのか、他のことに気持ちが向いていないか、患者さんはお見通しかもしれません。

この夏、自分自身が手に影響の出る疾患にかかってしまい、しばらく治療業務ができない時期がありました。
その時、改めて「手を大切にしなければいけない」という強い気持ちになりました。
治療技術を磨くことはもちろんですが、患者さんに対しての配慮として、自分自身のコンディションを整えておくこと(手に限らず)も大事なことだと思います。

あおきたかし

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