先日、柔道整復学科3年生向けに超音波エコーについて講義をしていただいた川戸先生より、超音波エコーについて教えていただきました。
Q1・超音波ってどのようなもの?
人の耳で聞き取れる音域は20~20000Hzとされていて、それより高い周波数の音を超音波と言います。
現在では音の効果は工業用など様々な方面に応用されていて、超音波とは聞くことを目的としない音のこと、と定義されています。
Q2・エコーって超音波のことなの?
エコーというと、やまびこなどの音の反響を例に挙げられることが多いですね。
エコー=超音波は間違いではないのですが、厳密にいうと、反響により波動が伝搬されることをエコーって言います。
ですので、音でも、超音波でも、レーダーなどでも同様のことが起こればエコーっていうわけです。
「超音波エコー」と呼ぶのが正しいようです。
Q3・超音波エコーの画像はどのようにして描出されているの?
超音波の伝搬速度を音速といい、音波が伝わる物質により固有の値をとります。
生体内の各組織により音速は異なり、超音波の通りやすさも異なります。
脂肪や臓器、軟部組織など生体内の音速はおおよそ1,500㎧前後になっています。
骨は硬いために4,000㎧付近です。
それらを示す指標を音響インピーダンスといいます。
超音波の反射は、音響インピーダンスの差のある部分(境界)で起こり画像を描出しています。
音響インピーダンスの差が小さいと入射した超音波の一部は反射し残りは透過します。
逆に差が大きいと境界でほとんどが反射してしまうわけです。
つまり骨などが音響インピーダンスの差が大きい組織といえるわけです。
このように生体内の検査では、超音波を発射し各組織からの反射(エコー)を利用して画像を描出しています。
下図は骨をイメージしています。超音波は音響インピーダンスの差のある境界で反射し、骨の表面の黄色い部分だけが画像としてモニターに描出されます。音響インピーダンスの差が大きいために骨の中の部分は描出されません。
次回に続きます。お楽しみに。