昨日のブログに引き続き、今回も特別講義についてです。
今回ご紹介する講師は、NBAやBリーグの試合解説者としてご活躍されている井口基史さんです。
井口さんはアメリカの大学で勉強をされて、帰国後に富山グラウジーズで外国籍選手スカウトとして就任し、その後は滋賀レイクスターズのアシスタントGM兼通訳、鹿児島プロバスケットボール㈱代表取締役、岩手ビッグブルズのGM、大阪エヴェッサの代表取締役兼GMなどを経て、現在はバスケットボールコメンテーターとして活動されています。
さらには、FIBA国際公認代理人資格をアジア人として初取得され(プロ契約時:代理人規定により返納)、日本サッカー協会・スポーツマネージャーズカレッジ12期を修了しており、バスケットボール界のみならず、様々な競技の現場と裏方を熟知しておられる方です。
井口さんが解説者としてる番組はこちら↓
・BS11 マイナビ「Be a Booster」ダイジェスト番組
https://www.bs11.jp/sports/bleague/
・バスケットlive Softbank「B.FIRE!」ハイライト特集
https://basketball.mb.softbank.jp/
・Bリーグ中継 バスケットLIVE/スカパー/G+/日テレニュース/DAZN/FOXスポ―ツNBA中継/NBA RAKUTEN
https://www.bleague.jp/broadcast/
さて、講義ですが、井口さんには10月と11月に計4コマの授業をZOOMを用いて実施していただきました。
初日の講義冒頭の第一声目に「自分が学生の頃にスポーツ外国語学科があったら絶対通ってた」と言ってくれたのがすごく嬉しかったです!
今回の講義を依頼してから、打ち合わせでこの学科のことや、在校生についてお話する中で、このような学科は今までなかったし、まさに今後のスポーツ界で必要とされる人材を育成する、素晴らしい取り組みであると評価していただきました。
この学科設立の話が持ち上がった頃、僕はまだラグビーチームの通訳として働いていたのですが、スポーツと英語を融合させた学科をやることになったと現場スタッフに話すと、みんな口を揃えて、
「自分たちが学生の頃にそんな学校あったらよかったのに」と言ってくれていたのを思い出します。
現場で活躍するスタッフのそういった声を聞く度に、この学科の意義を強く感じます。
第一回目の講義では、海外と国内のスポーツ業界、そして業界内でどのような仕事があるのか、現場(チーム)、運営(組織)の業種を説明してもらいました。
そしてグローバル化が進むスポーツ界で、これらの業種で英語を必要とする職種がどれだけあるのか。
現場スタッフというと、コーチ、メディカルスタッフ、マネージャーが主なカテゴリーになります。
現場スタッフの場合、監督やコーチが外国人であれば必然と全てのスタッフに語学力が求められます。もちろん各チームに通訳はいますが、通訳なしで直接意思疎通が取れるに越したことはありません。
運営サイドでは、広報部、試合運営部、強化部などありますが、外国人スタッフや選手がいる場合はこちらも語学力が必要とされますね。
何をするにも、必ず外国人との関わりが生じます。もし英語が喋れない、もしくは外国人とのコミュニケーションに慣れていなかったら、その場に通訳がいないと、指示や伝達ができません。
国際大会の運営スタッフであれば海外チームとのやりとりが発生します。もちろん語学力がないと業務ができません。
ミーティングの場では通訳を介してコミュニケーションを図れますが、スポーツ現場ではミーティング以外で物事が決まることが多いのです。
意思疎通が図れないと仕事になりませんし、伝わらない、伝えられないは最も大きなフラストレーションとなるでしょう。
スポーツ界で働くために必要なスキルを持っている競争相手はたくさんいます。
では他者との差をつけるには?
プラスアルファのスキルを身につけて、チームや団体が欲しいと思う人材になるにはどうしたらいいのか?
そうです、英語です。
しかも、英語の知識だけではなく、使える英語力です。
異文化コミュニケーション力が欠かせないんです。
そこに気づいてここに来てくれている生徒たちは、今回の講義を受けて、自分たちの選択に改めて確信を得られたのではないでしょうか。
トレーナー、通訳、マネージャー、それぞれの目標に向かって真っしぐらに進むことは大切ですが、今のうちから視野を広げて組織全体の業務を理解することも今後の強みになります。
講義終盤でこのようなお話がありました。
何を目指すにしても、チームが求める人材の前提条件としては:
・勝てるチームになる可能性が広がる
・より良い球団・クラブになる可能性が広がる
チームマネージメントに関しての知識があります=アシスタントマネージャーとして戦力になる
テーピングも巻けます=トレーナーのサポートができる
コーチングに関して勉強しました=コーチの考えを理解できる
栄養学も学びました=栄養士のアシストができる
そして英語が喋れます=全ての業務において外国人スタッフ、選手と意思疎通ができる
こんな人材がいたら欲しくないチームはないでしょう。
だってチームの可能性が広がりますもんね。ダブルスキルでチームに貢献できます。
スポーツ外国語学科ではそんな人材を育てたいと思っています。
続く・・・