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日常生活(ブログ)

鍼灸学科

文献検索(16)

こんにちは。鍼灸学科T1です。
今回は「Neuroscience Research」に掲載された「An experimental electro-acupuncture study in treatment of the rat
demyelinated spinal cord injury induced by ethidium bromide.」
という論文を紹介します。
内容は多発性硬化症に対する電気鍼(electro-acupuncture : EA)の効果を検討した論文です。

多発性硬化症とは中枢神経系で神経の脱髄が生じることによって、さまざまな症状をきたす疾患であります。
日本では現在、特定疾患として扱われております。

そして鍼治療の一環であるEAはさまざまな神経疾患に対して行われているのですが、そのメカニズムといった部分はあまり明らかとなっていません。

この論文では、薬理学的に脊髄レベルに作成した多発性硬化症モデルラットに対し、その脊髄レベル間の督脈(12経絡の1つ)上にEAをしています。

すると神経の髄鞘を形成するオリゴデンドロサイトの発達に重要であるNT-3が増加し、結果として内因性のオリゴデンドロサイトが増えるという結果となったようです。
このような増加が行動レベルにおいても違いが現れたようです。

鍼灸の場合、臨床研究が多く報告されています。
しかし、こういった基礎研究によって、鍼のメカニズムといった部分が明らかとなります。
両者充実してほしいものです。

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