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日常生活(ブログ)

鍼灸学科

まずは目指そうプラセボ師

毎日更新、なんやかんや続いています。

ちょっと今日のブログはタイトルだけだと

誤解を受けてしまいそうな感じですが、

ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

3年生がスポーツや介護予防の現場をローテーションで

回る臨床実習で、自分はサッカーコースの現場を

担当しています。毎週選手たちと話をしていると、

だんだん仲良くなっていろんな話を聞かせてくれます。

ここ数年で一番衝撃的だったのがこの言葉でした。

「今日の(治療担当)学生が当たりかハズレかだいたい一声目でわかる」

一声目ってまだ名乗ったところじゃないですか。

鍼を打つ前から、なんなら症状を選手に聞く前から

治療者は患者に評価を受けているということです。

鍼灸学科で医療面接の授業も担当しているので、

この言葉を聞いた次の2年生の医療面接の授業から

冒頭でこの選手たちの会話を必ず話すようにしています。

安心して治療を受けるのと、不安な状態で受けるのとでは

同じ治療でも痛みの取れ方が違うことはわかっています。

第一印象で「今日はハズレだわ」と思われると

鍼を打つ前から鍼が効きにくい環境が整ってしまいます。

プラセボ効果という言葉を聞いたことが

あるでしょうか?

もともとは製薬業界で使われていた言葉で、

薬効成分のない錠剤であるにも関わらず

効果が出てしまうことを指します。鍼灸業界でも

実験ではこのプラセボ効果をいかに除外して

鍼灸治療そのものの有効性を示すことができるか

多くの研究者が工夫されている要素です。

ただ、臨床においては法律の範囲内で何を使おうが

患者さんが楽になれば良いんです。

鍼を打つ前から「この人になら任せても良い」

と安心して鍼を受けてもらえる「鍼が効きやすい環境」を

整えられたら双方にとっていいことしかないですよね。

自分自身は臨床においてはどれだけ鍼を打つまでに

プラセボ効果を上げていけるかも治療家の

治療技術の一つだと考えています。

聴かなきゃいけないこと、やらなきゃいけないこと、

ローテーション1周目の実習では目の前の患者さんより

授業プリントが頭をよぎってそうで「一生懸命!」

ということだけが伝わってくる学生もいますが、

鍼灸治療技術についての指導はもちろんですが、

鍼を打ったりお灸を据えたりする以外の部分でも

治療効果や治療満足度を上げていけることについて

これからもしっかり指導して、せめて一声目から

落胆されることがないような、

そしてその後も信頼を得られるような

治療家をしっかり育てていきたいです。

現役アスリートへの治療実習、学生も学ぶことは多いですが

教員も選手の何気ない一言から教えてもらうことは多いです。

授業も実習もなんなら勤務もない今の時期だから

ふと振り返ったことを書いてみました。

(予約投稿機能って便利ですね( ◜◡‾)(‾◡◝ ))

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