1年生のきゅう基礎実技の授業では基本的にお灸の据え方や
様々なお灸の使い方を学ぶということを1年間やってきました。
疾患や治療についての授業が本格的に始まるのは
2年生からなのですが、きゅう基礎実技最後の授業では
「今ある知識で治療を組み立てて相手の症状を楽にしよう」
というテーマでを授業を行いました。
まず最初の症状を感じているところと
症状を感じているところから離れたところにお灸をして
それぞれ症状は変化するのかを評価するということをやりました。
治療者側の学生にも患者側の学生にもそれぞれ
評価してもらいます。
お灸にもたくさん種類があるので、どのお灸をどんな目的で使うか。
症状以外の部分への治療はどういう考えで行うのか
相談をされたら答えるけれど基本的に学生本人に考えてもらいます。
症状がある場所の治療よりも離れたところにある
経穴(ツボ)の授業で勉強した場所にお灸をした方が
症状が楽になったというペアや、
神経の走行を意識して神経の出口に治療をした方が
効果が出たというペアもいて、
普段の授業知識が治療で使えるポイントを
決めるのに役に立つということもしっかり感じて
くれていたみたいです。
(以降学生のレポート紹介)
↑せやね!!!!!がんばろ!!!!!
治療には絶対的な正解はないですが、
治療の上手い下手はあります。
今回は上手な治療が出来る事を目的とするのでなく
上手な治療をするためにはどんなことが必要なんだろうか
治療者のどんな行動をもって上手だと感じるか、
下手だと感じるのか、疾患の治療について本格的に
学ぶ前の方が自由に考えられるのではないかと
思ってやってみましたが本当にいろんな切り口から
治療効果を評価してくれていて
こちらも読んでいて楽しくなりました。
ちなみに今回のレポートで治療効果の項目でベストアンサーを
上げたいと個人的に思った回答は「笑顔がふえた」でした。
どうしても治療って症状の部分に注視してしまいがちですが
患者さんの表情の変化にも気付けて評価できているのは
良いと思いました。
患者側のレポートでもこういう触り方をされると
くすぐったいのでもっとこういう方に触ってほしい、や
このタイミングでの声かけは欲しい、など
患者として気になる所を書き出してもらうことで
自分の治療がしてほしい治療を自分がするときに
意識することが出来ます。
提出されたレポートは読んでいて感じたことを
こちらが書き込んで返却を行います。
全員分×2枚なのですごい量になります。
気分はさながら赤ペン先生です。
そこでも具体的にこういう評価をすると良い、とか
もっとこういう灸を使った方が良いとかいうアドバイスでなく
気付きに対してそれをどう次に活かすか、
何故そう思うのか自分の感情や行動、相手の行動に対する
解像度を上げてそれが言語化できるような言葉がけを
心がけながら行いました。
アウトプット前提で治療を行うことで様々なことを
意識下で行うこととなるので、こういったきっかけからでも
早いタイミングからしっかり考えて治療をする癖を
つけていってほしいです。
治療難しい~~~と言いながらもいろいろ試しながら
一人30分という枠組みの中で楽しそうに治療をしていた
授業となりました。