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日常生活(ブログ)

鍼灸学科

お灸 タイムトライアル

教員Kわはらです。

さて、本日のタイトルから、次の写真が何なのか、当てられた方は鍼灸師のセンスあり!?

IMG_3979

○の直径は2mm、隣の○との距離は2.5㎝です。
あ、でも、お隣さんとの距離はあまり関係ないです。
○たちは、A4用紙に100個印刷されています。

○の2mmは、とても大事です。教員としての、お灸基礎にかける思いが集約されているんです。

仕方ないですね、答えが知りたくて、うずうずしている皆さんにお教えしましょう。

こんな風に使います。

IMG_3763

お灸は、モグサを米粒大にまとめたものを一つずつ燃やすのですが、
これは、その練習のための練習紙なのです。

モグサを米粒大にまとめる、と言っても、大きさが米なのであって、形は、円錐形に近い形にします。

その円錐の底辺の直径の目安が2mm、なのです。

この練習は、モグサを、
同じ大きさで、
固くならないようにまとめ、
つるつるの紙の上にうまく立たせ、
火をつける。

ということを、10分間でいくつできるかの、タイムトライアルなのです。

ここで、
紙にモグサおいて火をつけたら紙が燃えちゃうんでは??
と思ってくださったそこのあなた、
ありがとうございます。

ま、実は大丈夫なのですが、
ちょっとびっくりしていただけるとなんとなく嬉しかったりするのです。
固いもの(本校では板を用いています)の上に紙を敷いて実施すれば、紙は燃えません。

はい、本題です。

このタイプのお灸は、1回ずつ、作っては燃やして、ツボの様子や患者さんに合わせて、与える熱の量を調節します。
よって、毎回同じような刺激が与えられるようにしなければ、どの程度の熱刺激を与えたのか、後から分からなくなってしまいますし、1回ずつ熱の伝わり方が異なると、受けている患者さんも落ち着かないのです。

つまり、毎回、同じような熱刺激が与えられることがとても重要です。
そのために、地味に同じ練習を繰り返して、身体で(手ですけども)覚えてもらうのです。

お灸は熱いイメージがあるかもしれませんが、モグサを軟らかくまとめると、とても気持ちの良い刺激になります。逆に、固くしてしまうと、「あっつい!!」となって、ストレスになりかねません。

では、熱感はどのように確認するのかと言いますと、
コレです。

IMG_3767 (1)

これは、実際に練習した紙を、裏から見ている状態です。
紙の焦げの具合で確認するのです。
とてもやわらかいモグサができると、うっすらと茶色になる程度です。
熱ければ熱いほど、茶色が濃くなり、穴が開くこともあります。

いつも学生の皆さんに言います、
「この紙を、患者さんの肌、もしくは自分の肌だと思って練習してください」と。

この作業は、必ずしも速くできるのがよい、というわけではありません。
ですが、速くできるということは、無駄な動きや力みが無い、ということであり、熱くないモグサをたくさん作れる結果につながっています。

この練習を始める9月の時点では、毎年クラス平均10分間で20くらいです。
学年の最後には、50くらいできるようになり、80、90という学生もいます。

とても意義ある練習だと自負していますし、
なにより、学生と一緒になって成長を感じられるのが、嬉し・楽し、です。

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