こんにちは、学科長田中です。
写真にあるのは、2年生の小寺淳樹くん。
小寺君は鳥取県にある米子北高校野球部出身。
当時はなんと鳥取県で優勝し、スタメンセカンドで甲子園出場を果たした経験を持つ。
履正社柔整の入学生は野球部出身が大変多く、甲子園経験をもつ者も数人は存在する。
入学してくる甲子園経験者は、驚くほど冷静に将来の道を考え、自信のキャリアを生かしてプレーヤーからスポーツ損傷の処置や治療、リハビリを得意技にする治療家として、将来の仕事に結びつけようとこの世界に入ってくる者がほとんどだ。
小寺君はAT講座も受講し、将来は柔整ATとしての仕事を考えている。
病院のカフェで語っている写真を説明しよう。
指導いただいているのは、工学博士で信原病院バイオメカニクス研究所副所長の田中洋先生。
名の通り、バイオメカニクスを専門に研究されている。
田中洋先生は、履正社柔整の実習をお受けいただいた、10年以上前から中心的なバイザーとしてお世話になっている。田中にとっては脱帽、敬礼、頭の上がらない、学生にも大変優しい先生だ。
写真をもう一つ紹介しよう。”MOTION”と白壁になんやら英語で書かれている写真があると思う。
これは、バイオメカニクスの3次元動作解析ドーム。
ドーム内には捕手を座らせて投球する野球のマウンドもある、全国でも数少ない高度研究施設だ。
例えば、投手の投球フォームやテニス、バトミントン、ハンドボールなど身体の動作を立体次元で解析し、その動きを細かく分析する事ができる。
「見て・聞いて・触って」という次元ではなく、すべての動きをデータ化、数値化して、ゆがみや動作ロス、時間的ラグなどを見極める。
その人が持つ最高のパフォーマンスを発揮するための理想的な状態へ指導できるのだ。
今も大リーグで活躍している、あのプロ野球選手も来院し、12球団の選手も出入りしているそう。
田中洋先生は小寺君の野球経験をご存じだ。
その上で先生が彼に質問していた内容で一つ気になったことがある。
田中洋先生
『小寺君、柔整ATとして活躍したいのだろうが、どちらかというと、柔整か、ATかどちらに取り組みたいか。』
小寺くん
『柔整の知識や技術を基盤にATに関心があります。』
田中洋先生
『ならば、バイメカ系の病院や医療機関などの知人を知っている。就職に向けて一度検討したらどうだ。』
これまで多くの実習生をお受けいただいた田中洋先生ではあるが、このような言葉を投げかけたことは一度もなく、何か新しい扉が開くことを願わずにはいられない。
小寺君、未知の世界だが、実習を通じて自身のキャリアを活かした世界が君を待っている、きっと。