国際アスレティックトレーナー専攻
国際アスレティックトレーナー専攻
ダブル・ラーニング制度
英語を武器にプロの舞台で活躍できる
アスレティックトレーナーをめざす。

 近年、外国人指導者、スタッフ、選手が来日し、日本のクラブで働く機会が飛躍的に増えています。にもかかわらず、我が国には英語が話せるスポーツ人材がまだまだ不足しているのが現状。これはつまり、大きなチャンスが目の前にあるということです。

 さらに、昨今は日本人トレーナーの優秀な仕事ぶりが、外国人に評価されるようになってきました。その強みをグローバル化の進むスポーツ業界で活かせるかどうかは、語学力次第。

 このカリキュラムは、英語の修得をめざしつつ、卒業後には日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー資格を得られるように構成されています。本校は、在学中にTOEIC970点を取得し、ラグビーのプロチームに通訳兼トレーナーとして就職した卒業生を本専攻の開設初年度から輩出しました。

 授業は、プロチームで活躍中の現役トレーナーにヒアリングし、実際に現場で求められている英語表現をリサーチした上で実施されています。プロスポーツの世界に直結した実践的な英語力を磨く独自プログラムが特長です。

 履正社は、英語を武器にスポーツ界で活躍できる競争力の高いトレーナーを育成します。


Key Points学びのポイント

1「1年早く」卒業できる。

外国語学科(2年制)とアスレティックトレーナーコース(2年制)の合計4年間のカリキュラムを、3年間で修了できます。専門的な英語スキルと、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー資格の両方を取得できるカリキュラムを有する学校は、国内に類がありません。

2もれなく適用される大幅な減免。

「国際アスレティックトレーナー」専攻の履修者には、全員に大幅な減免を適用。外国語学科1年分の授業料、施設設備費、アスレティックトレーナーコースの入学金をあわせた109万円を減免します。
納付金シミュレーション

3プロチームとの
包括的なパートナーシップ。

外国語学科とアスレティックトレーナーコースでは、プロスポーツチームと提携しています。プロスポーツ現場でどのように英語でのコミュニケーションが行われているかを知り、実習を通して実践的な英語力を磨きます。修了後には、プロチームでインターンとして働く制度もあります。


カリキュラムの仕組み

英語

  • 外国語学科

トレーナー

  • アスレティックトレーナーコース

1年目は外国語学科に入学し、英語でのコミュニケーションを基礎から磨きます。2年目は、午前中は外国語学科の授業を、午後はアスレティックトレーナーコースの授業を受ける“ 二階建て” の時間割。そして3年目はアスレティックトレーナーコースの在籍となり、日本スポーツ協会公認AT資格試験の合格をめざします。


VOICE

自分に英語力をプラスすることで、どんなアドバンテージがありますか?

須藤 悠太 さん

2001年、熊本県生まれ。小学校からラグビーをはじめる。桃山学院高校時代のポジションはロック。本校2年次にTOEIC970点超えをマーク。在学時は、「国際アスレティックトレーナー」専攻を履修し、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー学科試験に現役合格

  • スポーツ外国語学科 2022年卒業
インタビューを読む

夢を形にできる
学びがありました。

入学の決め手は何でしたか。
「国立大学も合格していたので悩みました。ラグビーに関連する仕事に就きたいと考えていた中で、履正社なら卒業後のイメージがしやすいし、それがモチベーションになり勉強も頑張れると判断しました」
学生時代、大変だったことは?
「国際A T 専攻だったので、英語とアスレティックトレーナーの勉強の両立は正直大変でした。日によっては朝の9 時半から夜8時まで授業があり、慣れるまで大変で。でも、仲間がいたから頑張れました」
「NTTドコモレッドハリケーンズ大阪」でのインターンを経て、卒業後、通訳兼トレーナーとして正式採用されました。スポーツ外国語学科での学びは、実際の現場とどう直結していますか。
「在学時、『トレーニング・イングリッシュ』の授業に、(NTT ドコモラグビー部の) 南アフリカ出身のヘッドトレーナーがゲスト講師に来てくださり、通訳をする機会がありました。ケガ予防のセッションで、バランスボールを使ったメニューを教えてもらいましたが、そのときに聞いた単語やフレーズは、今も仕事で本当によく使います」

通訳の仕事は
待ったなし。

難関とされる日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー試験も、理論・実技試験ともに現役合格されました。
10月に理論試験に合格後、12月から実技試験対策が本格化しました。同じ頃、ドコモラグビー部でのインターンもスタートし、試験対策で学んだことを実際の現場で活かせ、頭に入ってきやすかったです」
通訳として、トレーナーとして、どんな仕事をしていますか。
「入職してすぐは、スキャットという脳震盪評価ツールのベースラインデータの収集を任されました。英語の医療論文を日本語にしてメディカルチームにプレゼンテーションする機会をもらうなど、常に英語を磨ける環境です。通訳としてはグラウンドの内外問わず、突然ヘルプを求められます。外国人選手から携帯を渡され『宅配便の不在届けの対応をして欲しい』と頼まれたことがあり、スポーツだけでなく日常生活にまつわる英語のブラッシュアップも必要だと痛感しました。トレーナーとしても通訳としても中途半端にならないよう、努力したいと思います」
高校生にメッセージをお願いします。
「とてもアットホームな学科で、先生方がしっかり受け止めてくれます。目標を持って、豊かな時間を過ごしてください」
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小池 隆太 さん
テニス界の未来のために。

今、日本ではテニスのトッププレーヤーとして活躍している人は数えるほどしかいませんが、彼らは全員英語が話せるし、海外でプレーをしています。なのに、日本のテニスの指導者で英語が話せる人がほとんどいないのはなぜだろう?と思います。
スポーツは世界共通だから、英語で情報を入手してそれを伝達するということが指導者にも求められているはず。将来のテニス界を担う若年層の選手たちのためにも、世界を知る人材になりたいです。

2001年、大阪府生まれ。大阪府立金岡高校出身。高校時代に世界水準のテニスのコーチングに関心を持つ。在学時、「国際アスレティックトレーナー専攻」を履修

  • スポーツ外国語学科 2022年卒業
特別対談
浅井 空 さん

1998年生まれ、堺西高校出身。2019年アスレティックトレーナーコース卒業後、(株)プロフェッショナルトレーナーズチーム所属。NTTドコモレッドハリケーンズを担当

  • アスレティックトレーナー
福原 和真 さん

2000年生まれ、愛媛・新田高校出身。2021年アスレティックトレーナーコースの「アドバンスコース」でのインターンを経て、NTTドコモレッドハリケーンズに入職

  • S&C コーチ
対談を読む

英語が
大きな鍵になる。

お二人の仕事内容を教えてください。
  • 浅井 アスレティックトレーナー(以下AT)としてケガ対応や予防、リハビリをサポートするほか、コロナ対策など選手が安全にプレーするための管理をしています。
  • 福原 ラグビーのスキル以外のフィジカル面、ウェイトトレーニングや持久力、スピードトレーニングなどを担当するストレングス&コンディショニングコーチ(以下S&C)です。GPSで測定・分析を行い、トレーニング負荷の管理もしています。
チーム内のコミュニケーションはどんな風に行われていますか。
  • 浅井 トレーナー全体の会議やメールなどは基本、英語ですね。選手、スタッフ含め日本以外に南アフリカ、トンガ出身の方がいます。メディカルは4名で、ヘッドATは日本人ですがアメリカで資格を取り、英語でコミュニケーションができる方です。
  • 福原 僕の上司であるヘッドS&Cは南アフリカ出身です。短い会話をしたり、メールでデータを送る際、簡単な報告を添えるときに英語を使いますが、込み入った話をしたいときは通訳の方にお願いします。
  • 浅井 細かい状況やニュアンスが伝わらないとミスにつながるので、通訳の方が頼りになります。
英語の必要性を実感するのはどんなときですか。
  • 浅井 たとえばケガが発生したとき、選手がどこをどう痛めているのかをその場で正確に聞き取りたいです。迅速な対応、判断が求められるなか、言葉がネックで選手に不安を与えることがないよう、もっと英語力を磨きたいと思っています。
  • 福原 僕の場合はGPSで得た選手の測定データを、即座に本人にフィードバックしたい。たとえば1分間にこれだけ走る、という数値目標に対して「あとこれぐらい」「全然(数値が)出ていない」といった状況を英語でス ムーズに伝えられれば、その後のトレーニングの質が向上するからです。
  • 浅井 そういった丁寧なコミュニケーションの積み重ねが信頼につながりますし。

こんなに英語が
必要となるとは。

英語はどのように勉強していますか。
  • 福原 毎日15分程度ですがリスニングをしています。まさかこんなに英語が必要になるとは思っていませんでした。
  • 浅井 僕は先輩に勉強の仕方を聞いたり、仕事で使いそうなフレーズを自分で考えて訳してみたりします。上司の英語や英文メールを参考に勉強することもあります。
  • 福原 学生のうちに、新しく学ぶスポーツや医療の用語を英語でも同時に覚えられたら楽だと思います。今、まさに自分がそういう状況ですが、在学中に国際AT専攻があったら良かったのに。
  • 浅井 プロチームに携わりたいなら、英語は大きなアドバンテージになる。可能性を広げる鍵になるのは間違いないと思います。
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special voice
太田 千尋 さん
チームのレベルと、英語の必要性は比例します。

1979年、千葉県出身。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。2003年トップリーグ・クボタスピアーズのコンディショニングコーチに就任し、U20日本代表や慶応義塾大学ラグビー部などのS&Cコーチを歴任。2013年よりラグビー日本代表のS&Cコーチを務めている

  • 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
インタビューを読む
太田さんのチーム内での役割を教えてください。
「私の専門領域であるS&Cの役割は、選手が競技を行う上で必要な筋力や柔軟性、持久力といったパフォーマンスを維持向上させ、ケガをしない身体を作ることです」
日本代表チームのコミュニケーションのうち、英語の割合はどれぐらいですか。
「現在、代表チームはヘッドコーチがニュージーランド人で、コーチ陣6名のうち4名、選手全体の3~ 4割が英語圏出身。ですので、トレーニングの打ち合わせなど、耳にする会話の6~7割が英語です。短く英語で話すことも多少ありますが、スタッフや選手としっかり共有したいことは通訳を介します」
太田さん自身が英語力を高めたいと感じるのはどんな時ですか。
「とっさの日常会話で言葉が詰まってしまったり、スタッフ間でディスカッションする時です。頭の中に意見やアイデアはあるけれど、英語でどう伝えよう…… と考えていると、『この人は( 黙っているから) 意見がない』と思われてしまうことがあるんです」
それはもどかしいですね。
「特に英語圏の方はオーラルコミュニケーションがベースにあり、『言ったか言ってないか』がとても重要。情報や意見を即座に伝えられることが大事なんです」

チームに絶対的に
必要とされる存在へ。

外国人選手との会話はいかがですか。
「トレーニングやコンディショニングの専門用語は英語が多いので、単語を組み合わせてある程度話すことはできます。でも、たとえば食事や休養の取り方など選手の生活面について細かく相談する時は、通訳を介さずに伝えたい。自分の意見や感情を、自分の言葉で話すからこそ選手は心を許してくれるし、それが信頼関係につながりますから」
それはアスレティックトレーナー(AT)も同じ?
「選手の不安や訴えを聞き取り、テーピングやリハビリなど、親身にケアをして安心を与えるのがAT。選手の誰もが頼りたい存在です。ましてや海外から来たプレーヤーの信頼を得るなら、より丁寧な会話とコミュニケーションが必要なのは明白です」
英語ができるトレーナーは、どんな存在になれますか。
「採用される時、トレーナーとしての技術があるのは当たり前。じゃあ、あなたの武器は何?となるわけです。特に社会人以上のリーグやプロスポーツに関わりたいなら英語は大きなアドバンテージになります。つい先日、イギリスとフランスの遠征に帯同しましたが、ホテルスタッフやリエゾン(施設予約や用具手配を手伝う現地ボランティア) とのコミュニケーションでも英語は必須でした。英語を話せる人材はとても貴重。チームに絶対的に必要とされる存在となれるでしょう」
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小松 武史 さん
10代で、気づいてほしい。

野球でもサッカーでも、日本にこれだけ外国から選手が来る時代。でも日本のアスレティックトレーナー資格を持っていて、英語が話せる人を僕はほとんど知りません。
外国の選手は「ここがどう痛い」ということを母国語で説明したいものです。英語が話せて、栄養学や心理学を学んでいたり医療国家免許を持っていたりするトレーナーがいれば、どこも欲しい。業界のある部門では天下を取れるでしょう。それほど画期的なことです。

カリフォルニアスポーツ医学センター代表。NATA公認アスレティックトレーナー、鍼灸師として、米国五輪チームやカーレーサーの佐藤琢磨選手などを担当

  • NATA公認アスレティックトレーナー
インタビューを読む

必要なのは、
競技を知ること。

高校時代、どんな将来を思い描いていましたか?
「ずっと野球をしていて、体育系の大学に行くか、医療の道に進むか、どちらにしようかと考えていました。高3の夏に前十字靭帯をケガしてしまい、色んな所で治療をしてもらった中で、鍼灸師、そしてトレーナーという仕事に興味が湧いてきました」
履正社を選んだのはどうしてですか。
「鍼灸の国家免許と、日本スポーツ協会のアスレティックトレーナー資格を同時に取れる学校だったからです。鍼灸学科を卒業後、柔道整復学科にも内部進学し、最終的には3つの資格を取得しました」
3つの資格は、どのようにお仕事に役立っていますか?
「鍼灸の資格は主に治療に、柔道整復の資格は骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の治療や評価に、ATの資格はケガの評価や応急処置、リハビリ、コンディショニングにそれぞれ役立っています。治療やリハビリの幅も広がるので、3つの資格は私の大きな武器になっていると思います」
今の業務の内容を簡単に教えて下さい。
「チームのチーフアスレティックトレーナーとして、応急処置・治療等のメディカル面、トレーニング全般を見ています。監督やコーチ、18人いる選手たちとのコミュニケーションを常に取りつつやっています」
バレーボール選手の怪我の特徴は?
「コンタクトがないので、一発で大きな外傷を負うことは少ないです。ただ、慢性的な腰痛や肩・膝・足首の痛みは多いですね」

できる限り多く
経験しておくべき。

履正社の鍼灸学科の強みはどこにあると思いますか?
「在学中に、アスリートに対して鍼や灸の治療が実際にできるというのはかなり大きな強みだと思います。鍼や灸は、いきなり外にポンと出されて簡単にできるものではありません。やはり自分でケガを評価し、打ってみて反応をみて、患者とコミュニケーションを取りフィードバックをもらって、という経験を積むことはとても重要です。できる限り多く経験しておくべきです」
同じようにメディカルトレーナーを目指す後輩に、メッセージをお願いします。
「トレーナーとして働くために最も必要なことは『競技を知る』ことだと思っています。そのためにも自分から現場に出て様々な人と会い、話を聞いて学ぶ。それが将来の自分の仕事につながっていくはずです」
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リーチ マイケル さん
トレーナーに必要なのは、語学力。

私はニュージーランドのプロクラブでもプレーしましたが、個人的に日本人のトレーナーを雇っていました。日本のトレーナーは世界的にも仕事が丁寧で、理論に基づいて処置してくれるからです。
その仕事ぶりを見たチームメイトから「自分も診てくれ」という要望が殺到し、彼はチーム専属スタッフとして契約を打診されました。しかし、英語が話せないためにチャンスを掴めませんでした。
日本人の技術は世界で通用します。あとは語学力だけなのです。

1988年、ニュージーランド生まれ。2013年に日本国籍取得。14年4月ラグビー日本代表主将に就任。19年ワールドカップ日本大会でも主将として初の8強進出に貢献

  • プロラグビー選手
清水 亮太 さん

オランダとドイツのプロサッカーの現場を見た経験上、日本のトレーナーの仕事は、海外のトレーナーと比べて圧倒的に繊細だと思います。たとえば膝が痛い時に、「膝のお皿の内側辺りがジクジク痛む」というような表現を使う。でも、向こうにはそういう細かい表現がなくて、あくまで「膝の内側が痛い」なんです。日本人のトレーナーが海外で重宝されているのは、「かゆいところに手が届く」深い表現を知っているからという理由もあると思います。

1988年、広島県生まれ。2016年、本校柔道整復学科(医療+AT)を卒業。接骨院や整形外科での勤務、オランダとドイツへの留学等を経て、2018年よりWEリーグINAC神戸レオネッサのヘッドトレーナーを務めた

  • 柔道整復師、鍼灸師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーアスレティックトレーナー