卒業生・教員インタビュー

梅津 祐輔 さん

1986年、大分県出身。大分工業高校野球部では捕手として活躍する。本校卒業後、医療法人いずみ会阪堺病院に就職。その後独立し、千葉県でコンディショニングセンターを立ち上げる。19年、北海道日本ハムファイターズのトレーナーに就任、現在は1軍を担当

  • 理学療法学科 2009年卒業
  • 北海道日本ハムファイターズ1軍トレーナー
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夢をあきらめて
欲しくないから。

理学療法士を目指した理由は?
「僕自身プロを目指す高校球児でしたが、肩を壊してしまったんです。2年生のとき、プロ球団のリハビリのためのミニキャンプに参加する機会があり、初めて理学療法士の方に診てもらいました。半年かかりましたがボールを投げられるようになり、『痛みを取れる人がいるんだ』と衝撃を受けました。復帰できる感動を一緒に経験しながら、プロへの夢をあきらめさせない。それができるのは理学療法士なんだ、と知りました。診てくださった先生は、安心感を与えるアプローチがすごく的確で。僕より先にケガの不安を察してくれるんです。『この人、すごいな』と。この時の出会いと体験が、今の心の拠り所になっています」
履正社の理学療法学科を選んだのは。
「何より一期生になれるのが魅力でした。学校も力が入っているはず、と期待していましたし(笑)。当時は3年制の学校が多い中、履正社は4年制だったので『1年多く学べる』と志願しました。たくさんの知識と実践を得たい一心からでした」

後に続く理学療法士の
活躍の場を広げたい。

1軍でのお仕事はいかがですか
「『どうすれば選手が求めていることを、限られた時間内で叶えられるのか』を考えて診るようになりました。1軍選手はケガから回復できないと登録が抹消となり、ファームでリハビリをしてもらうのですが、その選別を委ねられています。プレッシャーと責任の大きさを感じますし、迅速かつ的確な判断、評価を求められます」
選手の体はどう評価するんですか。
「毎日グラウンドに出て確認しています。トレーナー室で得た選手の身体的情報と、グラウンドで見た選手の動きの情報がマッチングしているか等をチェックしています。それらが理学療法士の得意とする動作分析や評価につながります」
梅津さんがトレーナーとして大切にしていることは何ですか。
「相手がどんな人でも丁寧に向き合うことです。選手の状況、立場を鑑みながらどういった声かけがベストか考えています。また、どんな内容の相談を受けても、選手が満足できる治療課程を常に準備しています。ファームにいたときには選手がゲーム復帰できるとやりがいを感じていましたが、1軍では違う役割や達成感があります。理学療法士として野球界で最善を尽くし、後に続く後輩につなげたい。そんな、使命感に近いものを感じています。」
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影石 言光 さん

1981年、滋賀県生まれ。東山高校野球部では3年時に投手として京都府大会準優勝。履正社国際医療スポーツ専門学校を経て、南草津野村整形外科に就職。13年より千葉ロッテマリーンズの専属理学療法士を務め、18年からは1軍アスレティックトレーナーに就任した

  • 理学療法学科 2009年卒業
  • 千葉ロッテマリーンズ1軍アスレティックトレーナー
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飛び込む勇気が
人を育てる。

今のお仕事の内容を教えて下さい。
「理学療法士として、昨シーズンまでは故障をした選手のリハビリプログラムを組み、試合復帰まで付き添いながら導いていくという役割を担っていました。今シーズンからはアスレティックトレーナーとして選手の身体作りの部分も担当しています」
ロッテには一昨年、系列の履正社高校から安田尚憲選手が入団しましたね。
「高校生は長いシーズンを乗り切る体力をつけることがまず大切ですが、彼は故障もなく、トレーニングも頑張っていたと思います。昨年は一軍も経験でき、プロの厳しさを改めて感じたのではないでしょうか」
野球選手の怪我で一番多いのは?
「やっぱり肩、ヒジですね。腱板や、関節唇、靭帯の損傷が多いです」
どういうリハビリをするのでしょう。
「ゴールは野球ができることですので、通常の臨床で求められる以上のことを考えます。練習時に負荷をコントロールしながら、段階を踏んで上げていくという形になります。肩に痛みが出た選手であれば、痛みをどう取るか、どうすれば投げられるかという方法を探っていきます。具体的には選手によって異なりますが、各関節がどのように動くか、どのような筋力発揮をしているかを考え、アプローチをしています」
やりがいを感じる瞬間はいつですか?
「若手選手も多いので、彼らがケガなく、1年間を終えてもらった時に初めてそう思えますね。完走したなあ、と思います(笑)」

20代の青春を
つぎ込みました。

理学療法士になりたいと思ったきっかけを教えて下さい。
「もともとトレーニングの勉強をしていましたので、理学療法士として身体のことを知れば、身体の状態をマイナスからゼロに回復させるリハビリと、そこからプラスに上げていくトレーニングをつなげられるのではないかと思ったからです。両方わかっていることで、障害を予防できるようなアプローチも取れるのではないかと思って」
学生時代、苦労はありましたか?
「在学中は、休みの度に現場に出て、ボランティアでトレーナーの勉強をしていました。社会人ラグビーのチームをみたり、大学のトレーニングルームや、病院の整形外科でリハビリの補助をしたり。20代の青春をつぎ込みましたが、苦労とは感じなかったです。好きだったんですね。そうやって自分で飛び込むことで得たものや人脈が、今の仕事まですべてつながっています」
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井口 奈保美 先生

1986年、長崎県生まれ。京都ノートルダム女子大学卒業後、医療機器メーカーの営業職を経て本校理学療法学科夜間部に入学。卒業後は大阪回生病院での勤務の傍らトレーナー活動を行う。同院を退職後、2022年本校へ入職

  • 理学療法学科教員
  • 理学療法学科 2017年卒業
  • 理学療法士
  • 日本スポーツ協会公認 アスレティックトレーナー
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信頼される
理学療法士を目指して。

理学療法士を目指したきっかけは。
「中学生の時に、全国大会の決勝まで行くほどバレーボールに打ち込んでいました。ただ、高校になってケガが多くなり、左膝を3回手術しているんです。お世話になっていた病院の理学療法士の先生がとてもいい方で、アスレティックトレーナーの資格もお持ちでした。教えてもらった運動療法をするとちゃんと良くなるし、試合に復帰できる。すごいなぁと思っていました」
井口先生は本校の卒業生ですが、履正社を選んだ理由を教えてください。
「履正社が、理学療法士と日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナー資格を取れる関西で唯一の学校だと知り、ここしかないと思いました。夜間部を選んだのは、授業料が大幅に抑えられたからです」
卒業後は大阪回生病院で勤めながら、トレーナー活動もされていました。
「履正社在学中、臨床実習でお世話になったのですが、とてもいい雰囲気で。患者様にも『ここはほんまにいいから、就職しとき!』と勧められました(笑)。トレーナー活動にも理解があり、大学のバレーボールチームを見ていました」

学生のうちから、
自ら考える訓練を。

現在、どんな授業を担当していますか。
「1年生対象の『評価学』のほかに、今年の3年生からスタートした新カリキュラム『運動器系理学療法治療学』を担当しています。整形外科の疾患にまつわる障害をどのように捉え、治療するかを考える授業です。さまざまな症例発表や学会発表を提示し、どう思うか意見を出し合います」
自分で答えを探していくんですね。
「ただ受け身で授業を聞いているだけでは、いざ現場に立った時、患者様が抱える背景が掴みづらくなると感じていて。考えたことを実際にやってもらい、効果があるかどうかも自分たちで評価してもらいます。結果が出るとみんな『うわっ』となりますし、記憶にも残る。学生たちが一生懸命、試行錯誤するのをサポートしています」
学生にはどんな理学療法士になってほしいですか。
「理学療法士として頼られる人材になるには『自分で考えられる』という素地が学生時代から培われているかどうかが大事。自分で導いた最適解を、理由を持って提案できるようになってほしいです。また同じくらい、患者様の心に寄り添うことの大切さもしっかりと伝えたいですね」
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先輩VOICE

大山 陽介 さん鹿児島県立徳之島高等学校 出身
常に上のレベルを目指して

私自身が怪我をした時、理学療法士の方と接する機会があったので、興味を持ちました。履正社はオープンキャンパスに来たときの雰囲気がとても良く、私にあっているなと感じたので入学を考えました。入学してからは、常に上のレベルを目指して勉強するように意識を変えながら取り組んでいます。理学療法士という立場で、地元に貢献できるようがんばっています。

金 雅姫 さん大阪朝鮮高級学校 出身
負傷した選手をケアするトレーナーの方に憧れて

高校3年間ラグビー部のマネージャーをしていました。その時、負傷した選手をケアするトレーナーの方に憧れ、この分野に興味を持ちました。ある時、理学療法士とトレーナーが深い関係にあるということを知り、そのどちらも学べる本校を選びました、高校までとは違い勉強が楽しく、予習・復習をかかさなくなりました。忙しい日々ですが、時間を有効利用しながら勉強しています。

今藤 広大 さん神戸国際大学付属高等学校 出身
少しでもたくさんの選手の役に立ちたい

高校時代のサッカー部のトレーナーが本校の出身で、そのトレーナーの方に憧れていたことと、理学療法士と同時にいろいろな資格を取得できるので入学しました。多くの競技選手を間近で見るようになり、少しでも早くたくさんの選手の役に立ちたいと思うようになりました。自らすすんで勉強するタイプではなかったのですが、学んだ知識が何かの役に立ったときの喜びを実感し人間としても大きくなっていると思います。

松田 賢人 さん兵庫県立尼崎小田高等学校 出身
人を治すことの素晴らしさ

高校の時、部活中に怪我をしてしまい、その時人を治すことの素晴らしさを実感したのが、この分野に進もうとしたきっかけです。以前は、あまり目的なく勉強をしていましたが、履正社では国家試験に向け、短期の目標を立てそれを一つずつクリアしていく計画的な勉強ができるようになりました。まず、国家試験に合格し、幅広い分野で活躍できる理学療法士になることが目標です。

卒業生VOICE

影石 言光 先生
千葉ロッテマリーンズ 理学療法士
2009年卒業 東山高等学校出身
学生時代、共に夢見た仲間は今でも良き同志です

学生時代、共に夢を追いかけた仲間とは今も親交が続いていて、そのほとんどが医療現場で理学療法士として活躍しています。選手の復帰を願い日々仕事に向かう私にとって、日夜患者様のために奮闘する彼らの存在はエネルギーの源。同じ立場で悩みを共感したり、互いにアドバイスしあったり。シーズン中は選手に付きっきりで勉強会やセミナーに参加して新たな知識や最新の情報を得られないぶん、彼らからいろいろ伝授してもらっています。同窓の仲間は今でも良き同志。互いに切磋琢磨できる存在です。

小山 歩 さん大阪府立芥川高等学校 出身
医療法人清仁会洛西シミズ病院 勤務

骨折などで手術をされた方、脳卒中で身体に麻痺が生じた方が生活復帰できるようにリハビリをおこなっています。履正社では障がいのある部分だけでなく全体を見てリハビリを考えることを学んだので、仕事に活かしています、まだ新人ですが、信頼される理学療法士になれるよう努力したいです。

増山 綾子 さん島根県立益田高等学校 出身
医療法人山田医院 勤務

患者様のご自宅を訪問して行うリハビリや、通院患者様のリハビリを担当。履正社時代に授業や実習で教えていただいた臨床での体験談は、今の仕事に大いに役立っています。患者様やご家族が望むサポートを迅速に行えるよう、今後も職務に努めたいと思っています。

牧野 康一 さん京都府立山城高等学校 出身
第一東和会病院 勤務

履正社に入学する前に勤務していた整形外科クリニックで、理学療法士の方と、一緒に働く機会があり、理学療法士の仕事に興味を持つようになりました。そして同時にアスレティックトレーナーの資格も取得できるということで履正社の夜間部へ入学しました。
昼間仕事をしながら通っている学生が多く、モチベーションがとても高かったのが印象的でした。
今は、理学療法士として肩を専門に診るようになり、また、肩の専門医と一緒に研究をさせていただけるようになり、学会で発表もできるようになりました。

長谷川 綾佳 さん大阪府立福井高等学校 出身
愛染橋病院 勤務

理学療法士は病気やケガで日常生活が困難になった患者様の身体機能の回復に最大限努め、社会復帰に導く仕事。理学療法学科では卒業時に高度専門士の称号が授与されます。国家資格取得をめざし、医療チームの一員として活躍する、理学療法士を育成しています。

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