今に始まったことではありませんが、「最近の日本語は乱れている」という言葉をよく耳にします。私自身正しい日本語がどのようなものか、国語の教員でもありませんので分かりませんが、確かに、使い方が変わってきているように感じます。
たとえば、最近やっと聞き慣れてきた言い方に「やばい」という言葉があります。辞書によればもともと形容動詞の「やば」の形容詞化で「危険や不都合な状況が予測されるさま、あぶない、」と書いてありました。私もそのように捉えていたので、最初にその言葉を聞いた時には何か大変なことが起こってその人自身が危険な立場に置かれているのかと心配になりました。よくよく聞いてみると意味としては『すごく良い』という意味で、その後いろいろな場面で、その言葉を耳にしました。しかし、なかなか慣れることができず、「やばい」と聞いた時点で「いい意味なのか、悪い意味なのか」と考えて少しドキドキしていましたが、最近やっと雰囲気を読めるようになりました。
また、最近喫茶店などで「~でよろしかったですか?」や「1000円からお預かりします。」などという使い方をしている方がいますが、本当は「~でよろしいですか?」「1000円から頂戴します。(本来は、1000円の中から300円頂戴しますという意味です)」が正しい使い方のようです。私自身あまり敬語のことはよくわかりませんが、社会人になってから少しずつ気をつけるようにしているとついつい違和感を覚えてしまいます。
しかし、そうやって使っている人たちが増えてくると、日常生活においては日本語として定着していくのも事実で、私個人においても、感じていた違和感が少しずつ和らいでいく自分を実感することがあります。(それでも良い意味でやばいは使えませんが)
そんな中で、特に現役の学生たちと話をしている時にふと違和感を覚えたとしても、「今あえて訂正をしなくてもこの学生たちが卒業するころにはそれが当たり前になっていて、かえって混乱してしまうかもしれない」などと迷ってしまうことがあります。
ただ、我々理学療法士が仕事上対応する相手の多くは高齢者とよばれる方々です。世の風潮として認知されてきている使い方といえども私のようにときどきびっくりすることがあるでしょうし、戸惑われることもあるかもしれません。(ちなみに私は30代後半、単に世の流れについていけてないだけかもしれませんが・…、)
自分にとっては相手を敬った礼儀正しい言葉遣いだと思っていても年代が違えばとても無礼に聞こえることがあるかもしれません。
例えばある理学療法士が70代、80代の患者さんに「○○さん、今日の歩き方はやばい(良い)ですね。」なんて言ったらその患者さんは泣きそうになりながら「そんなに悪いんですか?」なんて答えが返ってくるかもしれません。そうなると信頼関係にも影響します。
極端な話で、もちろん今のところ学生が患者さんにそのようなことを言ったという話は聞きませんが、皆さんは大丈夫ですか?
くいしん坊将軍