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日常生活(ブログ)

理学療法学科

ペットボトル症候群

先日、子供と近所のプールに行きました。
暑い日が続いているせいか大盛況でした。皆が色々なペットボトルドリンクを飲んでいるなか、高校生ぐらいの男の子が500mlのスポーツドリンクを一気に飲み干している姿も多く見かけました。
学生たちは、「そんな飲み方しとったら、ペットボトル症候群になるで」と笑いながら言ってました。

子供にペットボトル症候群について訊かれたが、最近のニュースで聞いた東日本大震災で被災地に多く生じている症状の一つで急性糖尿病としか分かっていなかったので、自宅に帰り調べてみました。

ペットボトル症候群とは、1992年5月に開かれた日本糖尿病大学会にて、聖マリアンナ医科大学の研究グループが報告したもので、スポーツドリンク、清涼飲料水などを大量に飲み続けることによっておこる急性の糖尿病です。名前の由来は、糖尿病性ケトアシドーシスの症状となった若い人達の多くがペットボトルで清涼飲料水を飲んでいたことから「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトアシドーシス)」と名付けられました。
この症状は、特に暑い夏頃に多く、喉が渇いた時に口あたりのよいジュース、コーラ、サイダー、
スポーツドリンクなどをたくさん飲むことが多く、飲んだ直後は口の渇きもなくなり、気持ちよいのですが、これらの飲料水には糖分が多く含まれているため、血糖値が上昇します。血糖が上昇すると口が渇くため、さらに清涼飲料水をつい一気飲みするという悪循環になります。そして糖尿病がますます悪くなります。脱水状態や高血糖の症状がひどくなると、からだが急激にやせてフラフラになり、意識がもうろうとしたり昏睡状態になることもあります。そうなると、入院加療が必要となります。
 ペットボトル症候群になる患者さんは、10〜30代で肥満の人が多く、もともと軽い糖尿病の方が多いのですが、なかにはそれまで全く無症状のため自分が糖尿病とわからなかった人もいます。
市販飲料の多くには、100mlあたり10g程度とかなり多く糖質が含まれている。スポーツドリンクにはたいてい100mlに6g程度の糖分が含まれています。これを普段水代わりとして飲んでいる場合、1日に2L程度飲むと仮定すれば120 – 200gもの糖分を摂ることになります。一般成人が1日に摂取していい糖分は50gまでと言われていますので、この量を毎日飲み続ければ、本来は中高年型の糖尿病(インスリン非依存型:成人型糖尿病)が若いうちに発症してしまう結果となります。

この予防策としては、口が渇いたらお茶、または水を飲むことです。お茶や水ならいくら飲んでも糖分が含まれていないので血糖値が上昇せず、「高血糖で口が渇き、清涼飲料水を飲んでさら に高血糖」という悪循環を避けることができます。清涼飲料水をたくさん飲む習慣のある人は注意してください。全部のペットボトルが悪いと言うのではなく、お茶とかは大丈夫です。これから暑い日が続き汗をかくので水分補給が必要なのですが、水分補給する時もよく考えて、なるべくミネラルウオーターやお茶にするようにしてください。

これからまだ続く厳しい暑さ、賢い水分補給で乗り切りましょう。 
教員Zより

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